🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/1/13～19］

正木伸繁 @nbmasaki　🍣デリバリー事業会社マーケ担当

2020年1月20日 06:21

最近は「こんなメディアをチェックしているよ」「こんな記事があったよ」という風におススメいただく機会が増えました。皆さん本当にありがとうございます！

🤩今週のトップニュース

🍳統合進む欧州フードデリバリー市場、Takeawayが77億ドルで競合買収

オランダ本拠のフードデリバリー企業「Takeaway.com」が、英国の競合「Just Eat」を買収することが決まった。2社の合併により、ウーバーイーツやデリバリーヒーロー、グラブハブらに匹敵する規模の企業が生まれる。

買収の話は昨年7月末にはすでに出ていましたが、ここにきてようやく話がまとまったということでしょうか。
昨年10月にオランダの投資会社が横やりを入れたので、統合の話がここまで伸びたのかな？と勘繰りましたが真偽のほどは…。

昨年末の独「デリバリーヒーロー」による韓「配達の民族」の買収や、新年早々の米「グラブハブ」の身売り報道等、フードデリバリー業界の動きが慌ただしくなってきました。

そもそも今回の統合は、Amazonが主導して大型の資金調達したDeliverooや勢力を広げるUberEatsに対抗するためであり、その中でデリバリーヒーローについても、グローバルでの地位を確立するために、アジア圏に目を付けたものと思われます。

またフードデリバリー業界は、Uberや美団に始まりGrabやGo-jek等、デリバリーと親和性が高い配車サービスから進出してくる企業との熾烈な争いが行われておりますが、スーパーアプリ化しつつあるこのようなプラットフォーマーとの闘いはなかなかキビシイものがありますね。（実際に中国においてはウーラマは美団にシェア1位を奪われ、その差も開きつつあります。）

今後もフードデリバリーサービスはもう少し統合（もしくは撤退）していくと思いますが、配車サービスからの進出の波や、ゴーストキッチンによる事業の横展開等、どんな戦略が繰り広げられ、業界がどう変化していくのか、今後も注視していきたいですね。

🗾国内サイトの記事

🍳【インド】マクドナルドとゾマト、食品配達で提携

マクドナルドの現地法人マクドナルド・インディアは、地場食事宅配サービス大手「ゾマト」との提携を発表。自社の出前サービス「マックデリバリー」とゾマトのシステムを連結させ、ゾマトユーザーのマックデリバリーの利用を可能にする。

マックで受注したものをゾマトの配達員が運ぶ、と思いきや逆ですね。
それなら単純にゾマトに出店すればいいのでは？と思いますが、配送自体は自社で行うのかもしれません。
このようにフードデリバリーには、
　受注プラットフォーム（どこで注文を受けるか）
　配送プラットフォーム（誰が持っていくのか）
この２つがあり、２社間で提携する場合、どちらか一方通行ではなく双方で補い合う、というやり方は今後も出てきそうです。

🍳食のIT革命？「完全食」という未来の食生活を3ヶ月間体験してみた

完全食は国内でも複数の製品が流通しているが、なかでも知名度が高いのが今回紹介する「COMP」。どのような摂取方法なのか、実際の食生活に組み入れるならばどんな形が望ましいのか、3ヶ月にわたって試してみた。

やってみた系の記事は細かい部分まで知ることができるので大好きです。
COMPはfacebookでもよく広告が出てくるので気になっていましたが、グミタイプもあるんですね。
記事にもあるように朝昼晩の食を置き換えていく、という使い方が基本だと思いますが、もしかすると偏る食生活の栄養を補うために補食としてグミを食べる、という使い方もアリなのかも？と思いました。

🌎海外サイトの記事

🍳2020年のGhost Kitchenの3つの予測

ゴーストキッチンコンセプトはまだ初期の段階であり、レストランと消費者の間でより一般的になるため今後急速に変化していく。ここに、2020年に起こるいくつかの予測を示す。

３つの予測とは（若干の意訳がありますが）以下だと理解しました。

① より大規模なチェーンがゴーストキッチンを採用してくる
② ゴーストキッチン施設自体がレストランの競合になる
③ フードデリバリーサービスのレストラン化

①については、すでに米大手のチックフィレがDoorDashのゴーストキッチンをテストしていますし、スタバも中国ではアリババと提携し、（広義でのゴーストキッチン化として）盒馬鮮生で専用のドライバーを確保しながらデリバリーに対応しています。

②や③については、単純にユーザから見た「食事」という選択肢が増えることになるので、結果的には競合が増えるよね、という話かと思います。
そもそもイートイン・デリバリー・テイクアウトという軸がすでに溶け込んでいる中、「何らかの方法」で「何らかの食事」を提供するサービスは全て競合になってくる、ということですね。

また、ゴーストキッチンと言えども、誰がどんな方法で展開するかによって種類が細分化されてきており、こちらの記事・マップが分かり易いです。

🍳キャリーアウトは現在、このトップピザチェーンの成長戦略の鍵

キャリーアウトに注力することはドミノの仕事であり、現在米国の取引の45％を占めているとチェーンの最高財務責任者は語った。特にDoorDashやUber Eatsのようなサードパーティのアグリゲーターがピザ業界の流行語になったが、顧客はまだ持ち帰り用のピザの利便性を望んでいる。

すでに米ドミノではテイクアウト比率が45％まで占めているのには驚きました。もはやデリバリーチェーンとは呼べないですね。
また、自身をテクノロジー企業と言っているように、様々なデジタルアプローチにより、オンライン注文はすでに65%を占め、8500万人の顧客データを活用しているとのこと。

🧪フードテック関連

🧪｢FoodTech Live2020｣で食の最新テクノロジーを見てきた。スマート調理家電から昆虫食まで

米ラスベガスで開催されたテクノロジー展示会｢CES2020｣の中で、｢食｣に関するテクノロジー企業を集めた1ナイトイベントが｢FoodTech Live2020｣。会場には30を超えるフードテック企業が集結した。

🧪CES 2020で分かったフードテックの現状と課題

従来のCESはPCやAV機器が主流だったが、近年はスマートホームに関係する製品も数多く登場しており、その結果、白物家電の展示が急増しているのだ。早速、CESで見たFoodTechの現状と、課題について解説しよう。

今年に行われたCES2020とFoodTech Live2020について、どちらも同じ記者さんのレポート記事です。

個人的に家電では冷蔵庫内カメラが我が家では結構即戦力になると感じました。
確かにキッチリと庫内全ての食材が写るわけではないと思いますが、普段冷蔵庫を管理していない側の家族にとって、外出時にちょっと買い物するときにスマホでパッと確認できる利便性は大きいと思います。

また、フードの分野ではVispiceが気になりました。
↓記事を見るとどうやら調理前にお肉を挟んで味付けするみたいですが、どんな味付けになるのか、発想が面白いですね。

🥩代替肉関連

🥩伊藤忠食品、植物由来食品を強化　SMに専用売場提案

伊藤忠食品はヘルス＆ビューティー分野の新たなMDとして、プラントベースフード（植物由来食品）の提案を強化。卸ならではの商品調達力や売場提案機能を通じ、国内メーカーの簡便タイプの植物肉や主食系商品を揃えた専用コーナーを食品スーパーに提案していく。

🥩日本ハムが植物肉、3月から参入　健康志向で需要増

食肉国内最大手の日本ハムが植物性の材料を使う「植物肉」市場に参入、大豆を主原料にしたハムやソーセージ風の商品を発売する。植物肉の需要は世界で急増し、2030年には9兆円市場になるとの予測もあり、ESG（環境・社会・企業統治）への関心の高まりに食肉業界も対応する。

🥩韓国の牛肉代替品であるUnlimeatが米国市場で発売

韓国の食品製造会社Zikooinは、植物ベースのUnlimeatを今年米国市場に投入すると発表。Unlimeatは穀物、オート麦、ナッツから作られており、牛肉の薄切りのように見えて味わうことを目的としている。

🥩植物由来の乳製品代替品スタートアップ「Califia Farms」が約248億円を調達

2019年12月にスタートアップのPerfect Day Foodsが乳製品の代替品のための資金として1億1000万ドル（約121億円）を調達。今度は、オーツ麦とアーモンドミルク由来のさまざまな製品（コーヒー、ジュース、乳製品不使用のスナック）を製造するCalifia Farmsが、新たに2億2500万ドル（約248億円）を調達した。

🥩「植物由来の人工肉バーガーは男性のおっぱいを成長させる」と畜産業界が主張

アメリカの畜産業界紙が「植物由来の人工肉を使ったハンバーガーには通常のハンバーガーの1800万倍も女性ホルモンの1種であるエストロゲンを含んでおり、4個も食べると男性でもおっぱいが成長する」と主張。これに対し、ワシントンポストは「無根拠」と反論記事を掲載している。

（ネタのような記事もありますが苦笑）
日本のメーカーも続々と参入してきていますね。
春には一般のスーパーにも並びそうですが「植物由来・健康志向」という見せ方が日本では一般的になりそうです。
また、CES2020でインポッシブルフーズが豚肉を出して話題になっていますが、牛肉の薄切りのようなUnlimeatは気になります。（見た目はいよいよ本格的な肉ですね。）

以上。

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