🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2019/12/9～15］

2019年12月16日 07:24

今週も色々なニュースがありましたが、今回は初めてvoicyを取り上げてみました。

🗾国内サイトの記事

🍳大戸屋『ガイアの夜明け』密着で大炎上　中間決算は赤字転落

12月10日に放送された『ガイアの夜明け』が、従業員の長時間労働抑制に取り組む大手外食チェーンの大戸屋を特集。株式会社大戸屋の山本匡哉社長の言動に、「パワハラ」「ブラック企業そのもの」と多くの批判が寄せられることとなった。

もはや取り上げてもコメントのしようがないですが、今週はこのニュースが一番印象が強かったですね。
私も後から拝見しましたが、そもそも「残業を減らす45時間の壁」という非常に難しいテーマ対して、公式twitterの放映前ツイートのテンションの高さがあまりにもかけ離れていたことが（放映内容は別にして）一番の理由ではないかと思います。

🍳ホールスタッフ助かる？客のスマホで注文と決済できる新サービス

AliveCastは、自社開発したスマートフォン決済アプリの提供範囲を飲食店に広げた。提供を始めたアプリ「ExOrder」は、来店客のスマホ上で注文と決済が完了する。スタッフの効率化を図って深刻な人手不足への対策とし、顧客獲得に走る。

イートイン時のモバイルオーダーサービスということで、selfU（O:der）やOkageと同じ土俵ですね。
オーダーのデジタル化という部分で言えば、まだ日本では圧倒的に端末設置型が多いのが現状です。（これだと決済までオンライン化しているものはまだ少ないので、従業員とユーザ双方の本質的な利便性向上としては片手落ちですね。）
そこで「注文を通す＋決済」がパッケージ化されたサービスの登場、ということで、最終的には中国のようにミニプログラムのようなかたちで提供されると、飲食店側では導入しやすく、ユーザ側では圧倒的な利便性向上が実現できそうです。

🍳ウーバーイーツでまた「出前ポイ捨て」騒動　麺料理がゴミ箱に...運営「深刻に捉えております」

飲食宅配代行サービスUber Eatsの利用者が、注文した商品をゴミ箱に投棄されたと訴え、インターネット上で注目を集めている。運営会社は取材に、「当該配達パートナーおよびお客さまに対しては、適切に対応させていただきました」とコメント。

また１つ残念なニュースが出てしまいましたね。
そもそも配達員もなぜそのような行動を起こしたのか理解できませんが、加えてカスタマーセンターの対応にも残念な点が多いです。（間に入って対応したものの、あくまでも運営としては当事者間の問題というスタンスが結果的に全て後手に回っている印象です。）

🍳フードロス問題に本当に必要なこととは？

今回のメインなのですが、初めてVoicyを取り上げてみました。
（noteはきちんとvoicyにも対応したUIになっているんですね～驚）
以前もnoteで取り上げたプラネットテーブルの菊池さん（連続起業家として現在は別のサービスに従事）がゲストで出ており、フードロスの問題について言及しています。

ざっくりまとめはこちら↓

農産物の需給バランスを保てればフードロスが減るが、農産物単体の需要予測（例：玉ねぎがどれだけ売れるのか？等）は非常に難しい。農作物単体で予測するのではなく、用途量の需要予測をすることならできる。
個店のレストラン・シェフであれば、その時期一番良い食材をどう使うかにフォーカスされているので、「この食材が無いと困る！」ということはあまり無く、「サラダに乗せるふわっとした野菜が欲しい。⇒サニーレタスが無ければグリーンカールでOK。」となる。

田舎の物流が弱っている→そもそも農産物が流通に乗せられないというファーストワンマイル問題

フードロスが生まれる根本
①効率的に流通物流に乗せるための農作物の規格→規格に合わない農産物が全て廃棄対象。（消費者側としても形の良いものから選ぶ習慣）
②生産しすぎ問題→消費者の情報（需要）が生産者に届いていない。
（例：小松菜やホウレンソウは需要に対して生産量が多いが、逆にルッコラ少ない等）

ファッション同様にレストランや食事も１～１年半の先行トレンドがある。流行の一番最初を掴んでおけば、その情報を生産者に伝え、事前に生産しておくことができる。（例：ビーツが今流行り始めているが、実は４年前から作付けしている→なぜ４年前から作付けできたのか→ニューヨークでロシア料理が流行っていて食材として注目されていたので）

刷り込まれた生野菜信仰（サラダで健康という先入観）。（人が食べるには栄養吸収効率が悪い。生で食べようとするから物流や管理が大変。）

フードロス問題にできる一工夫
・余りそうな食材は味噌汁にしちゃう
・みんなで食べる（少人数だと余っちゃう）　※個食化が問題の背景にある

生野菜幻想についてはnoteでも書かれています↓

「余っているものをなんとかしよう」ではなく、「そもそも余らないようにしよう」というフードロスの根本を考える良い機会になります。
我々の様々な食ニーズに対応するために構築された食体験における負の部分が現代のフードロスだった、ということかもしれませんね。

🍳食べても太らない夢の食事「3Dプリンター寿司」が体現するフードテック最前線

2020年、3Dプリンターで作られる寿司を提供する店が、東京にオープンするかもしれない。見た目には違和感たっぷりだが、実はこの寿司こそ、食に関する世界規模の課題を解決する、100年先を見越したフードテックの最先端なのだ。

「SUSHI SINGULARITY」は衝撃の見た目と共にまだ記憶に新しいかと思いますが、記事内になる「OPEN MEALSが打ち立てる食の未来100年予測」がとても面白いです。

　2020年　データ食転送レストラン開店
　2028年　文化や習慣を超えた〝最適化〟が実現
　2035年　自動運転デリバリーがスタート
　2045年　デジタルシェフ食チューバーが活躍
　2060年　飢餓ゼロ、栄養不足ゼロの時代に
　2070年「食体験」配信サービスが開始！？
　2100年　宇宙で銀座名店の寿司が食べられる

どこまで実現できるのかはわかりませんが、我々もこういった未来を見据えてフード業界に関わっていきたいですね。

🍳独デリバリー・ヒーロー、韓国食品配達ウーワを40億ドルで買収へ

ドイツの食品配達サービス企業デリバリー・ヒーローは、韓国の同業ウーワ・ブラザーズを40億ドルで買収することで合意。ウーワ・ブラザーズが明らかにした。合弁会社を設立し、グラブやウーバー・イーツ、ゴジェックに対抗する。

これはデリバリー業界ではなかなか大きなニュースです。
Woowa Brothersと言えば、以前日本でもLINEと組んで「LINE WOW」というデリバリーサービスをやっていましたね。（2015年11月にサービス終了）
本場の韓国では「配達の民族」という（テーマカラーのエメラルドグリーンが印象的）一番使われているデリバリーサービスを運営していますが、まさか（韓国では）２位のサービスに買収されるとは…。
中国同様に韓国もデリバリー文化が根付いており、日々その競争は激化。韓国では２位と言えど、世界的に展開しているデリバリー・ヒーローの方が企業としては圧倒的に大きいので、その資本力で生き残りをかけるということですね。
ユーザとしては今後サービスは統一されるのか否か、気になるところです。

🍳マクドナルド、人工肉バーガー全米展開なら年2.5億個販売も

マクドナルドがカナダの一部の店舗で行っている試験で、ビヨンド・ミート社の植物由来の人工肉を使ったバーガーの販売数は1日当たり平均20～30個にとどまる一方、より人口の多い地域では1日100個に達している。

肌感覚ですが１日の販売個数でいえばまだあまり多くは無さそうですが、キャンペーン商品というよりも、定番商品としての選択肢の１つということであれば、アリなのかもしれません。
バーガー・キングも同様に販売しているものの、通常商品であるワッパーの出数は落ちていないようなので、純増にある程度寄与しているかもしれませんが、これが珍しさからくる一過性のものかどうかは、まだなんとも言えませんね。

🍳【ウォルマート】、自動運転車による新たな宅配！破壊的イノベーションより自らを変革？

ウォルマートはスタートアップ企業「ニューロ（Nuro）」と提携し自動運転車による配達サービスの実証実験を開始することを発表。自動運転車の新たな提携先とのテストで、ウォルマートは急増する宅配サービスに備える。

ウォルマートはすでにwaymoとも提携していますが、引き続き宅配に力を入れていっていますね。

こちらはNuroの公式ブログ記事（英語）ですが、Nuroとしてもウォルマートで導入されることでより裾野が広がるため、お互いにwin-winとなる旨が書いてあります。

またNuroはウォルマートだけでなく、スーパー大手のクローガーやドミノピザとも提携していて、ドミノとのニュース動画がこちら↓。

From e-bikes to Nuro robots, here's how Domino’s is taking pizza delivery into the future. https://t.co/zECvB8OK67 pic.twitter.com/MYktjWgeRv
— CNBC (@CNBC) November 16, 2019

想像していたより小型で小回りがききそうです。

🌎海外サイトの記事

🍳ドミノ・ピザのより多くの場所でGPSドライバーの追跡を取得

ピザチェーンのレストランの4分の1が年末までにこの技術を利用できるようになり、残りの場所の多くは来年に利用できるようになる。

日本ではかなり前から導入されていたトラッカー機能ですが、ようやく米国における1/4のエリアで展開されるとのこと。
引き続きアグリゲーターと真っ向勝負で戦っており、こういった機能改善や自動運転での省人化等に積極的に投資を行っていく姿勢を貫いていますね。

🍳インドのフードサービス市場で何がクラウドキッチンを推進しているのか？

我々がどのように食べ物を消費しているかがテクノロジーが変化を目指す上で大きなことになる。インドにレストランをオープンするための年間平均費用は、クラウドキッチンの約3.05倍。現在、クラウドキッチンが選択されているのは総市場規模の13％のみ。

通常の飲食店とクラウドキッチンの利益率の内訳が出ていますが、利益はもちろん、原価にもコストをかけられているのがわかります。
とはいえ、その分スペースが限られるため、クラウドキッチンにおける最大かつ一般的な課題が「在庫管理」とのこと。
ただ、インターネット普及率の増加・ライフスタイルの変化・一人当たり収入の増加等の市場要因より、インドのクラウドキッチンが支持されているとのことで、まだまだその市場は広がっていきそうです。

🍳ディスラプターオブザイヤー：ビヨンドミート

同社は2019年を植物ベースのハンバーガーの年とし、製品は全国の食料品店やレストランに登場し、今年最もホットなIPOの1つとなった。

ディスラプターとなるかは分かりませんが、ビヨンドミートの株価が公開時から５倍以上に上がっているということで、とにかく2019年は植物肉・代替肉が脚光を浴びる年でした。
また、あくまでも代替肉としてのカテゴリではなく、1.4兆ドルの動物由来の肉カテゴリーを狙っているということで、通常の食肉エリアに並ぶようになるとまさにディスラプターとしての姿が見えてきますね。

以上。

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