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🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ[2020/1/6~12]

TOP画像は人生で2回目のこってり(@天下一品 pm23:00)です。


🤩今週のトップニュース

🍳フードデリバリー「Grubhub」に身売り報道、ウーバー株が上昇

フードデリバリー企業の「グラブハブ(Grubhub)」の株価は1月8日、20%近くも上昇。ウォール・ストリート・ジャーナルは、同社がウーバーイーツなどの競合との戦いに苦戦し、身売りを検討中であると報道した。

Grubhubと言えば2015年に創業したオンデマンドレストランデリバリーの草分け的存在で、2~3年前は圧倒的なシェアを誇っていましたが、下図を見てもわかる通り今やトップの座をDoorDashに明け渡しています。

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出典:https://fortune.com/2019/03/11/doordash-tops-grubhub-on-demand-food/

創業当時はレストランデリバリーというサービス自体は目新しいものでしたが、利便性という機能的価値だけでは競合に参入されやすく、また、シンプルで差別化しづらいため、結果的には(中国でも起こりましたが)「(割引等の)お得感」の部分で勝負することになってしまい、DoorDashはVCから調達した多額の資金を、UberEatsは本業で得た利益をユーザへ還元することでシェアを奪ってきています。

各社はレストランとの専売契約やゴーストレストラン展開等、機能的価値提供に注力していますが、日本でもUberEatsの配達トラブルがあったように、「安心感」や、ワクワクするような「体験」という情緒的価値の部分にもう少し注力していけば、真似されにくいオリジナルの価値を作っていけるのではと思います。

昨年末には韓国の大手フードデリバリーサービスである「配達の民族」も、欧州大手のデリバリーヒーローの傘下に入りましたが、まさに戦略的選択を迫られるサービスは今後もまだまだ出てきそうですね。



📰プレスリリース

📰Tastemade Japan、フードデリバリーサービスにインスタ映えメニューを追加!

ライフスタイル動画メディア「TASTEMADE(テイストメイド)」は、シェア型クラウドキッチン「KitchenBASE」とコラボレーションし、中目黒エリア限定でサービス提供しているフードデリバリーに、「日々の食卓をより楽しく」をコンセプトに新メニューを追加した。

新規獲得に振り切った施策だと思いますが、ここまで商品にインパクトがあると、デリバリーという文脈のみならず外食やフードメディアも反応しそうです。
それにしてもこの食パンは1日限定5食とかなりレアですね(驚)


🗾国内サイトの記事

🍳東京駅でまだ食べられる食品を駅で働く従業員に販売(JR東日本スタートアップ)

JR東日本スタートアップはフードロス削減を目指し、「JR東日本スタートアッププログラム2019」の一環として、鉄道会館およびフードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を運営するコークッキングとタイアップした実証実験を開始すると発表した。

ベンチャー企業とJR東日本グループが様々な実証実験を行っていくプログラムの一環で、昨年11月末に第3回目の採択企業が決定しました。

※大賞等採択企業一覧は以下を参照

TABETEはBtoCのサービスですが、「エキナカ店舗の販売しきれなかった食品をTABATEを運営するコークッキングが買い取り、駅で働く従業員に向けて、コークッキング初の実店舗サービス"レスキューデリ"で販売」という座組みになっています。

駅ナカとはいえ様々な企業が運営しているため、各店舗毎で販売したり、一括販売後に売上を振り分けたりするよりも、一度商品も売上も集約させた方が効率的ということですね。(コークッキング側としてもある程度リスクがありますが、そもそもどのくらいの値段で買い取るのかは通常のTABETEで得た知見が生きそうです。)

本取り組みはあくまでも従業員向けということですが、うまくいけば一般顧客に向けての解放もあるかもしれません。そうなると集客・販促はコークッキング側が行うことになるので、JRとしても商品を買い取ってもらうだけとなるのでメリットはとても大きいです。

また、コークッキング以外の採択企業においても、昨年末に大宮駅で体験イベントを行っていました。

また、こちらの記事ではフードパントリーの取り組みを大宮駅近くで行っているとのことで、大宮ではフードや新しい取り組みに対する意識が高いのかもしれません。


🍳竹田クニ氏が読み解く2020年の外食トレンド。未来に向けた3つの提言

ホットペッパーグルメ外食総研・エヴァンジェリストの竹田クニ氏によるトレンドの振り返りと今後の外食市場の展望をお届け。「2019年の総括」「2020年の展望」そして「2020年以降のスグそこにある未来予測」という3部構成で話を伺った。

2020年のキーワードこちらだそうです。

① ジャパンプライド(昭和回帰、日本回帰、地方回帰)
② イミ消費
③極み、進化系
④ 反動/背徳消費
⑤ 本物・素材感
⑥ おひとり様、「孤食化」と「個食化」
⑦ キャッシュレスをはじめとした業務効率化

どれも昨年のうちにすでに芽が出ているもので、今年本格的に大きくなっていくものと思われますが、上記のキーワードよりもこちらの提言の方が個人的には刺さりました。

外食産業で進化発展が期待される3つのテーマ
① 食のモビリティ(移動性)の向上
② 食サ分離。料理とサービスの概念分離が始まる
③ ダイナミックプライシング

共通していることは、料理単体とサービス自体を分離させて考えることです。
それにより①のように料理×イートイン・デリバリー・テイクアウトと従来の事業に囚われることなくユーザに商品を提供していく、②のようにコストを抑える・新たな体験価値を創出する、そして需給バランスやタイミングによっても料理やサービスの価値が変を変えていく、ということが実現できていきます。
今年はこのようなサービスがどんどん出てくるかもしれませんね。


🍳DiDi Food(ディディフード)大阪エリアの最新情報

DiDi Food(ディディフード)2020年1~2月大阪にてテスト運用(期間1カ月間)開始予定。最新情報やサービスエリア、最新のクーポン&キャンペーン情報を掲載。

以前も本noteで取り上げましたが各種情報が少しずつ明るみになっていきますね。
真偽のほどは定かではありませんが、「注文数の目標=Uber Eatsの注文数の1.75倍を目指す」なんて具体的な情報も載っていました。

こちらは配達報酬について書かれており、UberEatsとの比較も載っています。(そこまで大きな違いは無いように見えます。)

DiDiも本国ではフードデリバリーの分野で美団とウーラマに圧倒的な差を付けられているので、配車サービスで得た利益を使って今年は日本で一気に普及させつつ、UberEatsとの全面競争を仕掛けてきそうです。


🍳ウーバーイーツ、“食品大量廃棄”が起きていた…配達員への一方的な報酬引き下げが原因

「ウーバージャパン」が東京都内の配達員の基本報酬を引き下げたことに伴い配達員は減少。残った配達員もより稼げる地域に移動した。一方で、加盟店を都心以外にも拡大させ続けていることもあって、受注飲食店と配達員との間のマッチングが成立せず、商品の大量廃棄が生じているという。

キーワードは熟成案件

注文が入ったあと結果的に正式な配達パートナーが割り当てられず時間が経過してしまった配達案件のこと。
マッチングできなかったり、配達拒否やキャンセルでたらいまわしになったりして、出来上がりから約1時間経過したような商品の配達がそれにあたる。
そうした商品はどんなに迅速に届けても、お客様から『遅い!』と批判され、BAD評価になってしまうため、配達員の間では忌避されている。

そんな言葉があることは知りませんでしたが、配達員が足りない云々の前に、そもそもマッチングする前にレストラン側の商品作成が進んでしまう、という仕組み自体が問題な気もします。(スピードを優先してマッチングする前提で調理指示が飛んでいるんでしょうね。)

配達報酬の改定とエリア拡大が配達員不足の要因としていますが、本記事をツイートしたところ、「寒くなったので小遣い稼ぎの配達員が減っただけでは?」という声をいただきました。確かにこちらの方が信憑性がありそうです。
ここ最近、配達員を良く見かけるなぁと思っていましたが、時間帯や日、天候によってまだまだ受給バランスに偏りがある、ということですね。


🍳「Lucking Coffee(ラッキンコーヒー)」が無人リテール戦略を発表!株価は好感し上場来高値を更新!

中国のニュー・リテール型コーヒーチェーン「luckin coffee(ラッキンコーヒー)」は戦略発表会を開催し、新しい経営戦略として瑞即購(Luckin coffee EXPRESS)と瑞劃算(Luckin popMINI)といったコーヒー製造端末を活用した無人コーヒー販売戦略をスタートすることを発表した。

コーヒー製造自販機単体であれば、日本にも高速道路のサービスエリアやオフィス等でよく見かけるので、あまり新規性は無いように思いますがどうでしょう。(確かスタバも同じような機器を出していたような…)
現在は4,507店舗で2019年中に5,000店舗という目標には届かなかったものの、2019年だけで約2500店舗オープンしているので、相変わらずの出店スピードですね…。
今回の無人販売機で出店できない部分をカバー、よりメッシュを細かくすることで、ユーザのタッチポイントを増やすことが目的ですが、そこで得られるデータをさらに使ってどこまで伸びていくのか、2021年中に10,000店舗という目標は達成するのか、今年も注目です。(まさかこの販売機を1店舗とカウントしないよな…汗)


🍳モス プリペイドカードを二重発行 他人の入金で買い物できたか

モスバーガーを展開する「モスフードサービス」は、あらかじめ入金して買い物ができるプリペイドカードを誤って二重に発行し、重複したカードの利用者が互いに他人の入金分で買い物できるようになっていたと発表。モスフードサービスは重複して使われた金額を全額補償することにしている。

リアルカードとスマホアプリの別媒体で同じIDが発行されたのとことで…やっちゃいましたね。
このニュースだけでは杜撰な仕組みと言わざるを得ないですが、外野早期解決を願うだけです。(今後、ユーザ個別の対応やメディア対応、体制の改善が控えているとなると火消し担当者の方にはとても同情いたします)



🍖代替肉関連🥩

代替肉市場において2つの大きな企業である🍖Beyond Meat(ビヨンド・ミート)🥩Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)、両企業の視点でまとめてみました。

🍖Beyond Meat

🍖マクドナルド、カナダで人工肉バーガーの試験販売拡大

米マクドナルドはカナダで実施している植物由来の材料で作るパティを使用したハンバーガーの試験販売を拡大すると発表。同社はビヨンド・ミートと提携し、2019年9月末からカナダの28店で試験販売してきたが、今月14日から同国で店舗数を52店に増やすとともに、販売期間を3カ月延長する。

🍖ビヨンド・ミート株上昇-競合がマクドナルドと提携目指さずとの報道

米株式市場で米ビヨンド・ミートの株価が大きく上げた。競合する米インポッシブル・フーズがマクドナルドへの製品供給契約をもはや目指していないと報じられた。


🥩Impossible Foods

🥩実食! 人工豚肉「インポッシブル・ポーク」

CES 2020でインポッシブル・フードから豚肉味がデビュー。本当に豚肉のような味がするのか? 深み、脂の甘み、焼売やバイン・ミーにしたときに、満足のいく味がするのか? その疑問に応えるべく、米Gizmodoの記者が実食してみた。

🥩肉不使用なのに見た目も味もまさに豚肉な「Impossible Pork」が開発中

Impossible Foodsが牛肉に引き続き、豚肉を完全再現したImpossible Porkを開発中であることがわかった。Impossible Porkの味や原料、製造方法に迫ったムービーがYouTubeで公開されている。

🥩バーガーキングはインポッシブル・クロワッサンウィッチをテストする予定(英語)

マイアミに本拠を置くバーガーチェーンは、Impossible Croissan'wichのテストを開始。これにより、バーガーキングは、朝食サンドイッチでインポッシブルソーセージをテストする最初のレストランになる。


ビヨンド・ミートはマクドナルドとの提携、インポッシブル・フーズはバーガーキングと提携し牛肉だけでなく豚肉も開発しています。
両社いろいろな方向性で進んでいますが、まだお互いに市場を広げていくタイミングなので、今年はどちらも飛躍の年になりそうです。

こちらの記事で食品飲料業界のアナリストが、「消費者の90パーセントは菜食主義者でもビーガンでもないが、その代わりに柔軟性主義者である。これらの人は、健康を考慮して肉なしの食事をすることもあり、完全に切り捨てるのではなく、肉の含有量を減らしたいと考えている。」と語っています。

つまり、代替肉市場はある限定されたマーケットを対象としているではなく、あくまでも一般大衆をターゲットとしたプロダクトである、ということで、「代替肉」や「フェイクミート」のような代用品ではなく、今年は1つの食品ジャンルとしての地位を確立していきそうです。

さらに肉だけでなく、魚までその研究は進んでいます。(以下記事は実際の魚の細胞から培養し、完全な切り身を作り出した、というもの。)



🍲キッチン関連

🍲5坪のキッチンで7業態が営業、月商500万円。いま話題のゴーストレストランのトップランナー、「ゴーストキッチンズ」代表・吉見悠紀氏インタビュー

その名の通り“実態を持たないレストラン”として実店舗を持たずにフードデリバリーサービスを利用して商品を販売するゴーストレストランが年々増加する中、雑居ビル2階のわずか5坪のキッチンで7業態を運営し、月商500万円を売り上げているのが「ゴーストキッチンズ」だ。運営会社のゴーストレストラン研究所の代表に話を聞いた。

🍲UberEatsメニューはどう作られる?「専門飲食店」の知られざる苦労

UberEatsの料理がどこで、どのように作られているのか意外と知らない。こうした店舗やテーブル、椅子を持たないデリバリー専門の飲食店は「ゴーストレストラン」と呼ばれ、アメリカなど海外で急速に広まりつつある。今回はUberEatsに特化したゴーストレストランを経営する2人に話を聞いた。


中の人の話はとても面白いです。
トライアンドエラーのスピード感が大事ということで、店舗が無い分、反応がイマイチならスパッとやめて良かったら残して次を開発、というPDCAを回すことがゴーストレストランを運営する基本ということです。

商品に関しては特に永田さんのたこ焼きの話が印象的で、
 ・食事として需要のあるもの
 ・冷めても味が落ちにくいもの
 ・調理時間が短いもの
 ・調理難易度が低いもの

等、確かに商品の方向性を決める上ではこれらの要素を考慮しなければなりませんね。

また、DoorDash等デリバリープラットフォームがゴーストレストラン(クラウドキッチン)を運営する事例も増えてきており、東南アジアで配車サービスやフードデリバリーを行っているGrabもこの度シンガポールで開設したとのこと。

世界的に見ても、デリバリーの拡大に伴ってゴーストレストランのような拠点事業も増えてくる、ということですね。



以上。

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