🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/3/23～29］

2020年3月30日 06:35

引き続き新型コロナが大きく影響している中、どんよりムードを吹き飛ばすビッグニュースが出てきました！
（引き続き新型コロナの影響は大きく、各社様々な取り組みを行っておりますが、今回はニュース量も多いため、なるべくいつものテイストで書くようにしました。）

🤩今週のトップニュース

🤩LINE､300億円で｢出前館｣を取り込む真の狙い

LINEは3月26日、出資先で国内最大の出前サービス「出前館」の運営企業・出前館と新たに資本業務提携を締結し、出前館が実施する第三者割当増資を引き受けることを発表した。

出ましたね、今年一番のニュースが！

newspicksのプレミアムサービスに登録されている方はこちらの記事の方がより詳細に書かれています。

もしくは出前館の決算説明会動画も良いと思いますが、トータルで1時間を超えるので、再生速度を上げつつ、33分あたりから視聴いただくと良いと思います。

今回の内容をかいつまんで以下にまとめます。

◯両ブランドについて
　→出前館とLINEデリマは統合（ブランド名は出前館）
　→顧客IDも統合していく
※テイクアウトのLINEポケオはそのままだが、そのシステムを使って出前館でもテイクアウトを実施。
◯他サービスに対する出前館の強み
　→安心安全：配達スタッフの組織的な管理
　→ポータル型・シェアリングデリバリー型、拠点ごとに地域にあった形
　→LINEのデータを使ったパーソナライズ強化
◯調達した300億円の使い道
　→シェアリングデリバリー拠点の拡大
　→システム開発
　→マーケティング体制の強化
◯LINEの単体出資で子会社化しない理由
　→出前館単体として積極的に投資できる環境にするため
◯その他
　→（同システムを使っている）ｄデリバリーはそのまま
　→取り扱うポイントはユーザの要望等を鑑みて今後検討

デリバリー・宅配をもっと身近にしたい出前館と、スーパーアプリとして身近なサービスを付加したいLINEの双方がwin-winとなる今回の提携ということで、キーワードは「日常化」ですね。

こちらは約半年前の調査データですが、一年以内にフードデリバリーを注文したことある人は約3割で、この割合は実は昔からあまり変わっておりません。

大阪ではDiDi food、広島ではWolt、福岡ではPayPayダッシュ、都内ではChompy等、続々と新規プレイヤーが名乗りを上げている中で、Uber Eatsも4月からは仙台も開始するとのことでさらにエリアを拡大しています。

新出前館体制がどうUber Eatsに立ち向かっていくのか、また、今後どのように日本でフードデリバリーが広まっていくのか、改めて目が離せない業界の１つになっていきますね。

これはちょっとやりすぎですが（汗）このくらい身近な世界になってほしいですね。

🗾国内のニュース

🗾広島に新たなフードデリバリーサービス「Wolt」　アジア初、地元80店の味を宅配

北欧フィンランド発のフードデリバリーサービス「Wolt（ウォルト）」が3月26日、広島市の一部地域でサービス提供を開始した。

ついに広島で開始しました。（すでに置き配にも対応しているとのこと）

それにしてもこの配達エリアラインナップに広島が並んでいる違和感（笑）

アプリのメイン画面はこちらです。
さすが北欧らしいブルーを基調とした洗練されたデザインで、フード分野のデザインでは暖色系が基本なものの、寒色系でも１つ１つの料理が映える写真の撮り方をしていて、とても美味しそうです。

プレゼンテーション1

レストラン詳細ページ（右画像）を見ると、「グループオーダーを作成する」という項目がありますね。
いわゆるまとめ買い機能で、複数人数の注文をまとめて行うことで、１人あたりの配送料を削減したり、配達時間を短縮したりできるものだと思いますが、後述のChompyの記事同様、こういったユーザに沿った便利機能はどんどん開発・導入されていきそうです。

twitterも盛り上がりを見せてきています。

Wolt初体験！！
酔心の釜飯が家で食べられるなんてー😍❤️

サンキューカードもかわいい💕#Wolt広島 pic.twitter.com/86x4hqEn2R
— みり (@chi_ppppp) March 29, 2020

配達用バッグのデザインもカッコいいですね～！

ばえる～
インスタやってないけどw

woltアプリまだの方は
プロモコード:CARP1
で750円の割引受けて下さい！！

(ネタに使うひどい親) pic.twitter.com/HK7xrJM0Ky
— Yud@i_Wolt🇫🇮UberEats🌈広島🍁Delivery person (@UberWave) March 29, 2020

🗾30分以内にお届け--AI活用配車サービスのDiDi、大阪でフードデリバリーの実証実験

AIを活用した配車サービス「DiDi」を運営するDiDiモビリティジャパンは、フードデリバリーサービス「DiDi Food」の本格的なサービス開始に向け、4月7日より実証実験を開始すると発表。対応するアプリ「DiDi Food」（iOS/Android）も提供している。

開始日（4月7日）、エリア（福島区、北区、中央区、西区、浪速区、天王寺区）、アプリの配信等、続々情報が出てきましたね。
アプリを開いても、まだレストラン・メニューは表示されず、そもそも言語に日本語が選べなかったりと、まだまだ準備中のようです。

🗾Uber Eatsに対抗できるか？『スマ注』がサービス開始

株式会社グローカリズムは、飲食店用の弁当のネット販売・宅配サービス「スマ注」の提供を開始した。

公式サイトを見ると、デリバリー・テイクアウトどちらにも対応できるようです。

最低限の基本的な受注の仕組みが備わっているので、（販促自体は自身で行う必要がありますが）手軽にネット受注を始めたい飲食店向けですね。

🗾DeNA子会社元社長が挑む新フードデリバリー、Uber Eatsへの勝ち筋

フードデリバリーといえば、真っ先に「Uber Eats」を想起する人は多いだろう。そんな牙城を少しずつ崩そうとしているサービスが「Chompy」だ。運営するのは、DeNAやメルカリなどの元メンバーが集まり、2019年6月に設立したSYN。そんな彼らが展開する「Chompy」で見えてきた「Uber Eats」への勝ち筋とは。

2月頃からオープンβとして開始しているChompyですが、本記事同様に開始前から徹底してUber Eatsとの比較で語られてきている印象です。

Uber Eatsとの徹底的な違いは、記事内で代表が語っているように、人間味があるかどうか。
Uber Eatsは洗練・機能的という印象に対し、Chompyは温かみ・親しみやすさ、という点が全面に出ています。

こちらはアプリ画面ですが、料理カテゴリのイラスト化に始まって、特筆すべきは何と言っても各店主のメッセージですね。
レストラン紹介だけでなく、メニュー単位でもおススメ文言を入れているあたりが、とても親近感が湧いてきます。

あああああ

また、ユーザが入れる専用のSlackワークスペースがあるようで、こういったユーザの声を直で拾い上げて生かしていくD2C的アプローチも、ユーザに寄り添っている姿勢が前面に出ていますね。

フードデリバリー自体は差別化しづらいため、KFSである「商品点数（レストラン数）」を増やすことと、「配達時間」を減らすこと以外に、以下のような価値を出していく必要があります。

　①お得＜ ②便利＜ ③安心・ワクワク

フードデリバリーが激化中の中国では、よく値引き合戦が繰り広げられており、①の部分は"きっかけ"としてはとても重要ですが、それだけでは顧客が定着していきません。
さらに日常利用化していくには②も必要なのですが、ここまでは再現性が高いため、他社からも真似されてしまいます。

そこで重要になってくるのが③の部分であり、Chompyはまさに③の安心の部分を作り出しているイメージです。
とはいえ、一定のコアなファンだけでなく、どんどんと市場を広げていくには、①や②の部分も必要になってくるので、このあたりどういった戦いをしていくのか、とても楽しみです。

🗾好みのコーヒーを提供する、無人カフェロボットが東京駅に設置

New Innovationsは3月24日から、三菱地所の協力のもと、需要予測AI搭載無人カフェロボットを東京・丸の内エリアの新東京ビルに設置し、実証実験を開始すると発表した。

アプリによる購入が可能との記載がありますが、恐らく事前注文ができる、ということでしょう。
以前Luckin coffeeのセルフマシンについても言及しましたが、こういったマシンは事前注文がメインになっていくにあたり、どのタイミングでコーヒーを淹れるか？によって（コーヒーの味以前に）顧客体験が変わってきます。
「最大同時受け取り可能人数が20名となっている。」と記事にもあるように、受け取り時間のちょっと前に事前にコーヒーを淹れ保管することができるので、受け取り時にユーザが列を作って待っている、という負の体験は回避されそうです。

あとはそもそもアプリが必要ということですが、サントリーのTOUCH AND GO COFFEEのようにLINEで注文できるようになっていると、より顧客のハードルは下がりそうですね。

🗾無人店舗のオフィススマートショップを茨城県庁内にグランドオープン（カスミ）

カスミは、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの「Ｕ.Ｓ.Ｍ.Ｈ公式モバイルアプリ」によるモバイル決済（Scan＆Co）を利用した、無人店舗のオフィススマートショップを2020年3月26日、茨城県庁内にグランドオープンすると発表した。

無人店舗は大手コンビニだけでなく、TRIALに代表されるように地方の大手・中堅スーパーでも取り組まれるようになってきましたが、本施策はユーザ自身が商品のバーコードをアプリで読み取るという最もライトな方法で実施をしています。

実は本施策で面白いなと思ったのは無人店舗よりも、「やさいバス」というサービス。

消費者と生産者をつなぐサービスですが、野菜等の商品を運ぶ物流にバスを使っていること。
生産者は最寄りのバス停まで商品を届け、消費者も最寄りのバス停で受け取る、というすでにあるインフラをうまく使ったサービスで、今回はその受け渡し機能も有しているとのことです。

無人店舗ではどうしても生鮮食品は置くことが難しいですが、こういった施策と併せることで、より人が集まる仕組みを作っていますね。

newspicksのプレミアムサービスに入っている方はこちらの記事も必見です。

それにしても高輪ゲートウェイにある「TOUCH TO GO」は、とても完成度が高いと感じました。（一部で商品の認識ミスもあるようですが）
何よりもアプリや事前登録等が不要で、入店時もQRをかざす等のアクションが不要ですし、商品を取ってレジにSuicaをかざすだけという超シンプル設計は、かなりの技術力を物語っていると思います。

（店内は撮影禁止だったのが残念…。）

🗾駅内店舗の売れ残りを従業員向けに販売 JR東日本などフードロス削減の実証実験

JR東日本の子会社であるJR東日本スタートアップが「JR東日本スタートアッププログラム2019」の一環として、鉄道会館とフードシェアリングサービス「TABETE（タベテ）」を提供するコークッキングと協業し、フードロス削減に向けた実証実験の第2弾を4月1日（水）〜5月6日（水）まで実施。

第１弾の取り組みについて以前取り上げましたが、記事には「第1弾の実証実験では1か月で約1トンを買い取り、グランスタで出るフードロス約10％の削減を実現しています。」とあるように、一定の効果があった故の第２弾実施という流れでしょうか。

買う側の従業員にとっては、パンやおにぎりだけでは飽きてしまいますが、総菜屋さんも参加しているのは嬉しいですね。

コークッキングは１月に大阪市、そして次は神戸市と連携協定を結んでおり、こういった行政と組むことでフードロスの啓蒙活動を行っていく姿勢はとても参考になります。

🌎海外のニュース

🌎アフリカの配車アプリやフードデリバリーを使ってみた--現地ならではの課題も

神戸市によるルワンダ起業体験プログラム「KOBE STARTUP AFRICA in Rwanda」に同行する形で、2週間ほどルワンダに滞在することになった私は、アフリカ初の国産スマホを購入し、現地のSIMカードを契約した（ここまでが前編）。せっかくなので、ルワンダで利用されているネットサービスも使ってみることにした。

私の好きなやってみた系の体験記事ですが、アフリカにはUberEatsとInstacartを併せたような「VubaVuba」というデリバリーアプリがあるんですね。
まだまだいろんな国に独自のデリバリーサービスがありそうで、こういった記事はとても参考になります。

🌎パッケージを守る。テイクアウトとデリバリーへのシフトにおける食品安全の確保

テイクアウトやデリバリーモデルに移行しようとしているクイックサービスのレストランもフルサービスのレストランも、パッケージを保護するという警告に耳を傾けるべきである。

以前のnoteで日本企業の特許記事について、またアメリカのフードデリバリー配達員の約30%はつまみ食いをしたことがある、という記事を取り上げましたが、特に昨今のコロナの影響でデリバリーやテイクアウトが増えている中で、対人からの感染ではなく、食品が媒介とならないよう気を配るべきだと、忠告しています。

本記事では、「Screening・Labeling・Communicating」という３つのポイントについて解説しており、Screeningとして配達員の体調管理はもちろん、Labelingとして、注文者の名前入りのラベルで封をする（＝未開封なら安全）という方法を取り、それをユーザにキッチリ伝えていく必要がある、ということです。

🌎新型コロナウイルスの流行で閉業に追い込まれたストリップクラブがストリッパーたちを派遣するデリバリーサービス「Boober Eats」を開始

デリバリーサービスの「Uber Eats」と、おっぱいを意味する「boobs」とを掛け合わせたような名前の「Boober Eats」がアメリカでスタート。温かい食べ物を露出の多いストリッパーたちに届けてもらうというサービスだが、新型コロナウイルスの流行で営業ができないストリップクラブにおいて、ストリッパーたちを守る方法になっている。

今回は新型コロナに関する記事はなるべく載せないようにしようと思っておりましたが、こんなインパクトのあるサービスを知ってしまったら、載せざるを得ないですね（苦笑

１つ学びがあるとすれば、デリバリー自体にもオリジナルの価値を設けることができる、という点でしょうか。

配達員に求められるものは基本がこの２つ。
１つはフードデリバリーのKFSでもある「配達時間」を短縮させること。
もう１つは人当たりの良い接客や商品の運び方が関わるCSを上げること。

これ以外に差別化は難しいと思っていましたが、こういった価値の出し方もあるということですね。（もちろんある限られた消費者においてのみ、ですが…。）

今までは英語系の記事はchromeの標準機能で和訳していましたが、今回はこちらを使ってみました。

確かに不自然さが減って、読みやすさを実感できると思います。

以上。

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