🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2019/11/25～12/1］

2019年12月2日 06:45

８月から始めた本noteも気付けばもう12月。毎週様々なニュースがあるのでまだまだ楽しく続けられそうです。

🗾国内サイトの記事

🍳アプリで注文　マクドナルド、道内でも開始

日本マクドナルドは、事前にスマートフォンの専用アプリで注文できる「モバイルオーダー」を道内89店舗中84店舗で始めた。配膳サービスも60店舗で導入。外食業界では人手不足から接客の省力化が進むが、モバイルを活用した効率化と客との接点を増やすサービスの両輪で集客力向上を狙う。

配膳サービスというのがいわゆるテーブルデリバリーですが、ついに北海道にもきましたね。本トライアルはちょっと複雑で、基本的には「フルサービス」と「モバイルオーダーのみ」の２つのパターンがあるのですが、さらに細かく分類されるため、詳細は↓のnoteをご覧ください。

個人的には早く都内にモバイルオーダー＆テーブルデリバリーが導入されてほしいです。

🍳Google級の良質な社食を多くの企業へ、社食の遊休資産を使ったランチケータリングのノンピが2億円調達

社食領域を軸に事業を展開するフードテック企業ノンピは、社員食堂の遊休資産を用いたランチケータリングサービスを本格展開する計画。そのための資金として、池森ベンチャーサポートなどを引受先とする第三者割当増資により総額で2億円を調達した。

事業は主に、ケータリングEC「munchies」の運営と社食の受託運営の２つで、特に後者の事業がとてもユニークですね。
また、社食として運営するだけでなく、夕方以降の遊休時間で前者のケータリング事業のメニューを作っているとのこと。
働き方改革や優秀人材の獲得、社員同士のコミュニケーションを目的として"食"へ投資をすることで、企業の生産性や継続性の向上を図る企業は増えていますが、社食程の設備を備えた企業はそう多く無いので、そういった企業にもコンスタントにランチが届く仕組み（ランチケータリング）はとても期待できますね。

🍳個人向けバーチャルレストラン出店サービス「cookpy」を提供する株式会社cookpyがYJキャピタル、East Venturesからシードラウンドでの資金調達を実施

個人向けバーチャルレストラン出店サービス「cookpy」を展開する株式会社cookpyは、YJキャピタル株式会社、East Venturesからシードラウンドにおける資金調達を実施。同時に、YJキャピタルとEast Venturesが共同運営するCode Republicへ参加する。

"出店したい人"と"お店を貸したい人"のマッチングサービスで、「誰でも1日から自分のレストランをOPENできる」とは分かり易いコピーですね。
顧客はUberEats等のデリバリーサービスから注文するのみなので、もはやそのお店がゴーストレストランかどうかはわからず、もしかすると今すでに思った以上にそういった店舗が増えているのかもしれません。

🍳「フードデリバリーに関する異物混入を防ぐ商品配達システム及び商品配達プログラム」実用新案特許申請のお知らせ

シェアリングプラットフォーム運営企業である株式会社エニキャリは、フードデリバリーに関しての安心安全に対する取り組みの一環として、「フードデリバリーに関する異物混入を防ぐ商品配達システム及び商品配達プログラム」に関する仕組みを考案し、実用新案特許として申請した。

また面白いサービスが開発されようとしていますね。
　１．配達商品の安全性のための未開封仕様
　２．配達商品のトラッキングのためのシステム仕様
この仕組みは上の２つで構成されていて、商品をパッケージングする包材とそれがキチンと手元に届くまで見届けられるシステムのようです。

以前「配達員の28%が自分が運んでいる商品をつまみ食いしたことがあると答えた。」というニュースが話題になりましたが、異物混入というよりも、個人的にはこちらの要素の方が大きいのでは？と思います。

🍳アマゾンが撤退した料理宅配市場、急成長も競争激化

米国ではここ最近、料理宅配サービス市場に著しい成長が見られる。市場成長率は40％、首位ドアダッシュは114％で、これまでにサービスを利用した人は1年前の19％から26％に増えた。

撤退や買収によってアメリカではほぼ４強となり、最新の勢力図は下のとおり。

今後この勢力図が変化する要素は次の２つ。
　①地域毎の強弱がどう変化するか
　②サブスクリプション等のサービス強化にどこまで注力できるか
①については、下図のようにかなり差があります。

２番手以降のサービスからしてみればある意味市場はできているので、出店と共に短期的な販促をどれだけ投下できるかにかかっているのですが、下図を見てもわかる通り、顧客は１つのサービスでは無く複数のサービスを同時に使っています。
（例：Postmatesのユーザが同時にDoorDashも使っている割合が30%）

つまり、本質的には②の部分が非常に重要になってくるので、顧客に継続的に受け入れられる機能・サービスをどれだけ開発できるかにかかっていますね。
（図の出典：セカンドメジャー）

🍳渋谷パルコで｢虫ランチ｣初体験。無印・ドンキも参入、2020年はついに昆虫食元年？

トップの画像は虫NGな方にはキビシイかもしれません…が、中身はマスカットのようなフルーティな味ということで俄然興味が湧いてきますね（笑）
本マガジンでは何度も取り上げている昆虫食ですが、どうやら最近リニューアルオープンした渋谷のパルコで実際に食べられるとのこと。（それにしてもパルコ思い切ったな…）

※昆虫食といえばコチラも必見。食料不足の代替が起点となっていないところが面白いです。

また、ここにきて食の裾野は広がってきており、ロッテリアがジビエの鹿肉を使ったバーガーを出したり、

浅草にはヴィーガン専門のコンビニ＆ファミレスがオープンしたりと、

ニッチだった食分野がだんだんと一般大衆に広まってきていますね。

🍳Grabが新機能「Grab Mart」をパイロット運用！東南アジアでもニュー・リテールが加速する兆し？

Grabはマレーシアのクアラルンプールにおいて新サービス「Grab Mart」のパイロット運転に取り組んでいる。ユーザは、GrabのプラットフォームにあるGrab Martの機能を選択し、そこから注文すれば指定する場所まで快速デリバリーしてくれる。

フードについてはすでにGrabfoodが稼働していますが、今回はリテールの分野なので、ドラッグストアやコンビニが対象となります。
以前も本マガジンで取り上げましたが、ユーザにとって今必要なものは、実はかなりロングテールになってしまうので、どれだけ品数を増やせるかがポイントですね。

また、東南アジアの各国で急成長するGrabですが、こちらはドライバーがタイのパタヤでストライキを起こしたというニュースです。

前回のnoteで日本のUberEatsの配達料金が変更になった記事を載せましたが、プラットフォーマーと配達員とユーザとの関係性はとてもセンシティブなものなので、サービスの拡大はしつつも常に両者に気を配っていかなければならない難しさはありますね。

🍳インドのUberEats撤退か、フードデリバリー事業をライバルZomatoに売却へ【報道】

インド発グルメ情報サービス「Zomato」は、同国で運営されるUberEatsを5億ドルで買収するつもりらしい。ディール自体は最終段階に入っていないとしつつも、株式交換を通したものであるとされている。とある情報筋によれば「ZomatoとUberは既にタームシート締結の段階に入っており、実現性は比較的高い」とも述べている。

これについてはまだこういった情報が入ってきたベースなので、何とも言えないですが、今年始めにも買収のニュースはありましたので、そろそろ本格的にその可能性は出てくるかもしれません。
Uberは中国や東南アジア等での撤退もあるなかで、展開に苦慮している部分もありますが、まずは強い国でしっかり地盤を固めていく必要がありそうですね。

🌎海外サイトの記事

🍳DoorDashのシリコンバレーゴーストキッチン、Chick-fil-Aのようなテナントが食品配達に集中できるようにする「レストラン向けのWeWork」

食品配送プラットフォームDoorDashは、ゴーストキッチン市場に進出、カリフォルニア州レッドウッドシティにある新しいゴーストキッチンのDoorDash Kitchensに訪問し、どのようなものかを確認してきた。

DoorDashが運営するゴーストレストランDoorDashKITCHENSへ行ってみた！記事です。大手のチックフィレも入っているんですね。実際にユーザ側が入って来るわけではないので、ピックアップ用の棚等、事務所のような簡素な作りがまたリアルですね。（こういった中の様子を実際に写した記事は貴重です。）

特にベイエリアではテナントが不足しているようで、こういった取り組みは飲食店にとっては効率的に顧客にアプローチできるありがたいサービスですね。

🥄番外編

🥄「人生最後の食事」をテクノロジーで再現　一流シェフの食革命［会員限定記事］

世界の美食家が注目するレストラン「HAJIME」のオーナーシェフ・米田肇氏のインタビュー最終回。料理界の常識に縛られない米田氏の次なる挑戦は、空間芸術から医療、宇宙にまで及ぶ。“料理界のイノベーター”が見据えるフードテックの近未来とは？

こちらは日経クロストレンドの会員限定記事ですが、面白かったので取り上げてみました。それにしても食の分野で最先端を行っている人の考え方はすごいですね。

①レストランガストロノミー（レストラン空間）
②インスタレーションガストロノミー（空間芸術）
③スペースガストロノミー（宇宙空間）
④シンギュラリティガストロノミー（デジタル世界）
⑤メディカルガストロノミー（医療分野）

もはや何のことかさっぱりですが、食はあくまでも様々な興味分野へアプローチするための起点でしかない、というイメージでしょうか。
「レストランで料理を食べる」という画一的行為ではなく、再上位概念としてどうやって人に楽しさや幸せを感じてもらえるか？というアートな世界に突入している気がします。

以上。

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