🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/2/24～3/1］

2020年3月2日 06:09

TOP画像は明神丸＠茅場町の鰹のお刺身です。たたきよりもダイレクトに魚の旨味を感じられる一品。

🤩今週のトップニュース

🤩DiDi、Uber Eats対抗フードデリバリーを大阪で4月開始　配達員募集

日本でソフトバンクとタッグを組む中国の配車大手DiDiは、ギグワーカーを用いたフードデリバリーサービス「DiDi Food」を4月に大阪市で開始すると発表。

ついに４月開始で決まりましたね。
ちょうど２年前にUberEatsが大阪で開始されましたが、UberEatsの配達員はDiDiにも登録すると思うのでそこは大丈夫だと思います。

あとは顧客がどう動くかですが、
・開始時のキャンペーンをどれだけ打つことができるか
・ロイヤリティプログラム等CRM的な施策でどれだけつなぎとめられるか
・KFSの最たるものである導入レストラン数がどれだけあるのか
成功の可否はこれらにかかっていると思います。

📰プレスリリース

📰カスタムサラダチェーン運営のクリスプがモバイルオーダー開発のカチリをグループ化し、三菱商事から約5億円の資金調達を実施

株式会社クリスプホールディングスは、クリスプHDを株式移転完全親会社、株式会社クリスプおよび株式会社カチリを株式移転完全子会社とする株式移転を行い新会社として発足し、三菱商事株式会社に対し調達金額約5億円（出資比率：18.4%）となる第三者割当増資を行った。

新たな次のステージに入りました。
クリスプ・サラダ・ワークスとしてさらに店舗を拡大していくというよりも、さらにテクノロジー×フードを強みとして裏方に回っていくのか、さらなる新業態を開発していくのか、どちらにしても新たに面白いことをやってくれそうなイメージが持てますね。

🗾国内サイトの記事

🗾グーグルがフードデリバリーと連携強化、カナダではKFCと提携

ケンタッキーフライドチキンがグーグルと提携し、オンライン経由のデリバリー受付をカナダ限定で開始。利用者は、検索やグーグルマップ、音声アシスタントから直接最寄りの店舗にアクセスし、その場で配達を頼むことが可能になる。グーグルマップ経由の場合は、画面に「オンライン注文」のボタンが表示され、グーグルペイで代金を支払い配達を依頼する。

特に今は日本でも外食を中心に、食べログ等のグルメ検索アプリからgoogleマップでの直接検索に移行している流れがありますが、フードデリバリーサービスを挟むことなく注文できるようになる、ということもまさに同じです。
OSレベルでのプラットフォーム機能としてサービスを上流から取られると、通常のサービスではなかなか太刀打ちできなくなりますね…。

🗾フードデリバリー大手のDoorDashがIPOを非公開申請

DoorDashは証券登録届出書をSECに非公開で提出したことを発表し、現在確認手続き中であると語った。売出し予定の株数やIPO株価の範囲、次のステップの時期などについては何も語っていない。

ここ最近は統合/合併・買収のニュースが多かったですが、ついにアメリカでシェア１位を取っているDoorDashが株式公開の可能性あり、ということで、第２位のGrubhubとの僅差をさらに拡大できるのか、今年はこのあたりのシェア争いも大きく動いてくるかもしれません。

🗾ワタミ休校中の小中高生対象に1食200円で弁当宅配 3/2申し込み開始

外食産業大手ワタミは、新型コロナウイルス拡大防止策として、臨時休校する小・中・高校に通う児童生徒がいる家庭を対象に、3月9日から4月4日までの平日の間、1日1食あたり200円で弁当を届ける緊急支援サービスを行うと発表した。

利便性という観点だけでなく、トイレットペーパー等の日用品の買い占めから始まり、自宅待機者が増えると食料品にまでその波が及んでくることを考えると、こういった企業の取り組みで助かる方は多いと思います。

🗾米国のフードデリバリーサービスGrubhubが定額制サービスを開始

米国のオンデマンド型フードデリバリーサービスGrubhub（グラブハブ）は、2020年2月26日、定額制プログラム「Grubhub+（グラブハブ・プラス）」を開始。月額9.99ドル（約1090円）を支払うことで、このプログラムに加盟する飲食店のフードメニューを配送料無料で何度でも注文できるのが特徴。

"このプログラムに加盟している飲食店のみ"というのがどの程度なのか気になるところです。
結局のところこういったサブスク系サービスは、飲食店側にも若干のコスト負担はあるはずで、それでもいいから導入する飲食店というのは、チェーン店のような認知を取れている店舗というよりも、認知の低い個店のレストランが注文のきっかけ作りとして導入する場合が多いので。

🗾クックパッド／生鮮宅配ボックス設置駅を東京メトロ4駅に拡大

クックパッドは生鮮食品EC「クックパッドマート」の商品を受け取れる生鮮宅配ボックス「マートステーション」を、新たに東京メトロの南北線「後楽園駅」と、有楽町線「有楽町駅」、丸ノ内線「方南町駅」に設置すると発表した。

前週の記事で大手町駅への設置を取り上げたばかりですが、すでに３駅拡大のニュースということで、スピード感がいいですね。
また、大手町のような会社からの最寄駅ではなく、後楽園や方南町のように自宅からの最寄駅に設置することで、利便性・利用率もかなり上がりそうです。

🗾【Amazon Go Grocery】、これがレジなし食品スーパーだ！開店時の店内をいきなり撮影？

ネット通販最大手のアマゾンは、シアトル市内にレジなし食品スーパーの「アマゾンゴー・グローサリー（Amazon Go Grocery）」１号店をオープンした。シアトル・キャピトルヒル地区にオープンしたアマゾンゴー・グローサリーは約300坪、売り場は約200坪。13〜64坪となるアマゾンゴーに対して４倍程度となる。

本件については様々なメディアで取り上げられていますが、この記事が「行ってみた！」系記事として一番分かり易かったです。
スーパーマーケット版ということで、パッケージ商品だけでなく、果物など裸の状態で売られている商品もあるわけですが、（さすがに量り売りはNGなものの）これらも全て認識対象ということで、りんごの棚にオレンジが混ざっていた時など、性能がいかがなものかいろいろと試してみたいですね。

🗾アマゾンがインドのフードデリバリー市場にまもなく参入か

インドのフードデリバリー市場では、数週間前にUber（ウーバー）が地元大手のSwiggy（スイッギー）とZomato（ゾマト）に敗北したことを認め、撤退した。そして今度は別の新しいプレイヤーが、SwiggyとZomatoの2社が市場の大半を占めている厳しい市場に挑戦する準備をしているという。その新しいプレイヤーとは、Amazon（アマゾン）だ。

以前の記事で取り上げた際は12月にも開始…とのことでしたが、どうやら３月頃の開始となりそうですね。
すでに開始しているamazon freshの派生として開始するようですが、競合が大きくまた、なかなかフードデリバリーだけでは収益化しづらいインドにおいて、あくまでもサービスの幅をひろげることが目的かと思います。

🗾イオンが頼る英オカド　ネット生鮮でアマゾンに先行

英国のネットスーパー専業、オカドが生鮮食品のネット通販の「プラットフォーマー」として注目を集めている。イオンや米クローガーなど世界の小売りと提携し、人工知能などを駆使した物流システムを提供する。生鮮のネット通販で米アマゾン・ドット・コムに先行し、アマゾンの脅威にさらされている小売業のモデルチェンジを後押しする。

Wikipediaで見てもネットスーパー専業としてはかなりの規模なんですね。
大規模ECは物流が命ですが、アマゾン以外にもこれだけの規模を抱えた会社があったとは…。

（記事内抜粋）
英ロンドン東部にあるオカドの物流センター。映画スター・ウォーズを思わせる白い箱形のロボットが、秒速4メートルの速さで動き回る。隣のロボットとの距離はわずか5ミリ。サッカー場3面ほどの広さの格子状の棚の上を、約1500個のロボットが作業する。
棚の中には、生鮮食品からティッシュなど仕入れた4万5千点の商品が入っている。顧客からの注文に基づき、ロボットが商品を取り出して仕分け場まで運ぶ。顧客宅に届く箱に詰める作業など一部は人力だが、ロボットアームがいずれ箱詰めも担うという。

1時間刻みで配達時間を指定できるということは、そもそもネットスーパーでオンデマンド配送は難しいですし、ルート配送でも相当な頻度とメッシュでないと実現できないので、それだけの技術と注文件数があることを物語っていると思います。

🗾上海のオフィスビル1階にデリバリー配達員向けの無料ワゴン登場

こんな時だからこそみんなで支え合う姿勢が大事ですね。（トイレットペーパーが欲しい…泣）

🗾【松屋】「シュクメルリ」販売終了にあたり松屋史上初のレシピをcookpadで公開！

松屋が「シュクメルリ鍋」を販売し話題になったが、そろそろ販売終了している店舗も多い。そこで松屋が大英断。なんと「シュクメルリ」のレシピをcookpadで公開した！

期間限定商品はその名の通り、期間を負えれば消えゆく運命ですが、終了後も顧客への接触を保てるこういった形の「遺し方」は新しいですね。

🗾【高カロリー】ケンタッキー、「チキン＋ドーナツ」を全米で発売（約890円）

2018年9月にKFCがテスト販売していた「Kentucky Fried Chicken ＆ Donuts」。チキンをドーナツでサンドした商品が、24日から期間限定で全米で発売される。価格は5.49ドル（約610円）～7.99ドル（約890円）。

もはや言葉はいらないですが、たとえ思い付いたとしてもまさか実現させてしまうとは…（笑）

🗾メディアの方へお願い「フードロス」より「食品ロス」を使って欲しい理由とは？

2019年「食品ロス削減推進法」が成立・施行された。そこでお願いしたいのは、報道の際、できれば「フードロス」という言葉より、「食品ロス」という表現を使って頂きたいということだ。

food loss（フードロス） → food waste（フードウェイスト）ということみたいですが、もはやここまで普及してしまった言葉を覆すのはなかなか難しいでしょうし、wasteという言葉はイメージがあまりできないのもありますね。

🏢クラウドキッチン関連

🏢飲食店のキッチン稼働率を最大化する「クラウドフランチャイズ」を運営する株式会社CLOUD FRANCHISE、THE SEED、個人投資家から資金調達を実施

「フードデリバリー × フランチャイズスキーム」を用いて飲食店のアイドルタイムを効果的に活用し売上改善サポートを行う株式会社CLOUD FRANCHISEは、THE SEED、野口圭登、西尾健太郎を引受先とした資金調達を実施。

🏢ククピー、飲食店向けクラウドキッチン導入サービス「cookpyクラウドキッチン」および三井住友海上と提携した「クラウドキッチン保険」の提供を開始

ゴーストレストラン出店希望者とクラウドキッチンを導入したい飲食店をつなげるマーケットプレイス『cookpy（ククピー）』を運営する株式会社cookpyは、飲食店向けクラウドキッチン導入サービス「cookpyクラウドキッチン」の提供開始と合わせて、三井住友海上火災保険株式会社と提携し、「cookpyクラウドキッチン」を利用する飲食店とユーザーを対象とした「クラウドキッチン保険」の制度をスタートする。

🏢ウーバーイーツ時代の外食産業｢ゴーストキッチン｣3つのジレンマ

配達ビジネス両立のジレンマ
（1）店員の作業動線が大きく異なる
（2）厨房は基本的に店内飲食を前提とした設計
（3） POSデータ統合の難しさ

🏢店なし「ゴーストキッチン」、フード業界の新潮流に　宅配ブームが追い風

実店舗を持たない宅配専門の飲食店「ゴーストキッチン」が全米各地に続々と生まれている。客側は店に出向く手間が省け、店側は初期費用などを抑えられるメリットがある。投資家の注目度も高く、サービスを手がけるスタートアップは巨額の資金を調達。テックを駆使した新たなフード産業が勃興しつつある。

アメリカはもちろんのこと、日本でもゴーストレストランの流れはきていますが、両国ではアプローチの仕方が違うように見受けられます。
アメリカではまさにゴーストキッチンとして新たに拠点を構えるイメージですが、日本では今あるキッチンを効率的に使っていくシェアリングキッチンの考え方が多い気がします。

これはデリバリーの浸透度によるものと思われ、アメリカほど広く浸透していると、DoorDash等のオンデマンドデリバリーサービスや大手飲食チェーンが、新たに配達拠点を作ってさらに拡大させていくというステージですが、日本くらいの浸透度では既存の店舗で十分賄えてしまうくらいの配達量なので、新たな拠点を作るまでは進んでいません。
それよりも中小や個人単位の事業主が、出店コストを抑えるための新たな選択肢として採用するケースが多く、また、そもそも東京では新たな拠点を作ることが難しい（コストが高い）というのも理由にあると思います。

🥩代替肉関連

🥩スターバックス「代替肉サンド」　カナダで販売、植物性原料を使用

米コーヒーチェーン大手スターバックスは、植物性原料でビーフパティの味や食感を再現した「代替肉」を使うサンドイッチをカナダで３月から販売すると発表。北米では「代替肉」人気が高まっており、朝食メニューを充実させる。

🥩機内食もヘルシーな時代に!? JALが植物肉フードを提供へ

日本航空は、期間限定の機内食「ビヨンドハンバーガー」の提供を発表。すでにキャセイパシック航空やニュージーランド航空などでは機内食の一部メニューに使っているが、日本のエアラインでは日本航空が初めて。

🥩Taco Bell CEOは、チェーンが植物ベースのタンパク質を「間違いなく」追加すると述べている（英語記事）

Taco BellのCEO Mark Kingは、ブランドは「年末までに植物ベースのタンパク質で何かをするだろう。」と語った。また、過去2か月の間にBeyond MeatとImpossible Foodsの両方に会ったと言った。

ファストフードやコーヒーチェーンのナショナルブランドにおいては、先行導入による話題性ではなく、もはや必須の選択肢とも言える状況になってきましたね。

以上。

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