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極私的坂本龍一考その参

“世界のサカモト”との接点は、もちろんほとんどありませんが、かつて、1980年代の初めに、当時、翻訳会社に勤めていた時に、

日本コロムビアから、LPレコードを、主に海外向けにCDに変換して輸出する際、レコードに入っていたライナーノーツを、CDのジャケットに収納できるように要約した後に、英独仏語に翻訳して、コンパクトなライナーノーツにするため、翻訳者の手配=コーディネートと、それを印刷するために版下と呼ばれる写植用の紙版を製作して同社に納品するという仕事を請け負ったことがありました。


大抵は、バッハやベートーヴェンやモーツァルトなどのクラシック音楽の名盤と呼ばれるLPレコードのライナーノーツの翻訳と版下製作の仕事が多かったのですが、

唯一の例外というか、「ダンスリー」という、中世ヨーロッパの音楽を日本で再現する音楽家集団(リーダーの岡本 一郎(おかもと いちろう、1935年-2022)氏も、昨年、敗血症で先に亡くなられておりました)に、YMOで名前が知られてきたばかりの坂本龍一氏がコラボレーションして製作されたアルバムのライナーノーツを、海外向けに英独仏に翻訳して版下として納品する仕事を請け負ったことを記憶しております。


「ダンスリールネサンス合奏団」
日本コロムビア

中世ヨーロッパの古楽器を使って中世の音楽やルネサンス音楽を再現する音楽集団「ダンスリー」と、YMOでその存在が広く世に知られたばかりの坂本龍一によるコラボレーション・アルバムです。

・『ダンスリー Danceries』
1981年、日本コロムビア・DENONレーベルよりオリジナルLP発売。未CD化。

・『エンド・オブ・エイシア the End of Asia』
(坂本龍一+ダンスリー名義)
1982年2月、DENON「Better Days」レーベルより、LP・カセットテープでオリジナル発売。
1983年5月、DENON「Better Days」レーベルより初CD化。

1990年、1997年にDENONレーベルよりCD再発。

2009年3月4日、日本コロムビアよりHQCDリマスター盤が発売。

現在では、その音源をYou Tubeで視聴できる便利な世の中になりました。

坂本龍一 (Ryūichi Sakamoto) + Danceries - 07 - 1982

  • The End of Asia [full album]

https://youtu.be/6-nMKvOa-Fo

※※※

上記のうち、
『エンド・オブ・エイシア the End of Asia』(坂本龍一+ダンスリー名義)1983年5月、DENON「Better Days」レーベルより初CD化。

というCDのライナーノーツの英独仏版の翻訳の仕事を請け負い、日本版のライナーノーツ原稿をもとに、英独仏のネイティブスピーカーの翻訳者にそれぞれ翻訳を依頼後、最終的には版下を製作後、納品した仕事でしたね。

私が、このライナーノーツの翻訳を手配した後に、最終的に印刷用の版下を納品した時には、完成品の印刷物もCDも貰えなかったので、このアルバムを聴いたのはごく最近でしたが、

ルネサンス音楽は、1990年の後半に、リッチー・ブラックモアが、カミさんのキャンディス・ナイトと始めた「ブラックモアズ・ナイト」で聴いて、その不思議な音色に魅了されましたね♫

その後、古楽器のハーディー・ガーディーの実演を聴く機会があり、ヴァイオリンのような音色を機械仕掛けでオルゴールのように奏でる独特な形状と演奏方法が興味深かったですね。

坂本龍一さんとしては、日本の雅楽の音色を愛したのと同様に、欧州の古民族音楽に惹かれていたのでしょうね。


そういう意味では、ちょっとだけ、“世界のサカモト”を世に送り出す仕事に関わったことを、今となっては誇りにしたいと思います。

欧州の古楽器の代表的な楽器
ハーディー・ガーディー
機械仕掛けのオルゴール
みたいに、尻尾のような
ハンドルを回して、
ヴァイオリンの
ような音色を奏でます。

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