見出し画像

140字小説【深みの深み】

 先日、道端に落ちている枯れ葉を見ていたら、友人がふと『深みがある』と言った。

 正直、私にはわからない。今が夏ならまだしも、なぜ深緑が失われた葉っぱに彼は深みなど求めたのか?

 大体、彼はいつもそうだ。珈琲を飲んだときだって――

 ――いつの間にか深みにはまっていたのは私の方だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?