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(32)わからんと描けんのです
絵を描く人は、描かない人に比べて世界をよく観察していると思う。
絵描きの脳には「もし自分がこれを描くなら…」というモードが常にスタンバっているので、(見た目に限って言えば)世界をよく観察する癖が付いていると言って良いだろう。
描く前提で辺りを見渡すと、世の中にはなぜそう見えるかを説明できないものが多すぎて、結構面白い。
今日は、そういう小さなオモシロを集めて書いてみる。
コイル駅のホームでボ
(31)アイバ博士の冒険記を読んであれこれ考える(後編)
※この記事は相場大佑先生の著書『僕とアンモナイトの1億年冒険記』の読書感想文の続きです。
はじめに:この記事は本書についての内容に触れるため、多少のネタバレを含みます。本書を読もうと思ってる方はご注意ください。
保身:本の内容のうち印象深かった部分だけをピックアップして、過去の経験を思い起こして感想を書いています。自分語りが多めです。本の内容だけ知りたいという方は、ぜひ本書を買って読んでみてく
(30)アイバ博士の冒険記を読んであれこれ考える(前編)
※この記事は、巡回展『ポケモン化石博物館』の生みの親である相場大佑先生の著書『僕とアンモナイトの1億年冒険記』の読書感想文(読書の感想以外も多め(関連して思い出したこと多め(脂身の方が多い)))です。
2022年5月、上野に巡回展「ポケモン化石博物館」がやってくると知り、僕と妻は前のめりで駆けつけた。
妻(当時は入籍前だった)は無類のポケモン好きで、本編はほぼ全シリーズプレイ済み、ポケダン等の
(29)独り言のカスをかき集めてエッセイと言い張る
わざわざ記録しておかなくていい思考を、忘れるために書く
・思考から溢れた感情の動きを記したいと思うことが多いが、X(未だにTwitterって言っちゃう)だとすぐに直接反応がくるせいか、皆に向けて公開している側面が強く、140字にまとめあげるのも面倒で、下書きに書き始めても投稿する気が起きない。かといって、noteで記事にするほどでもないと放置しておくと、脳内で延々と考え続けてしまい、体に良くない
(28)感受性コンプレックスとハズビン・ホテル
今年も繁忙期を乗り切った。僕は偉かった。
崩れゆく橋を駆け抜けるような、ギリギリの毎日だったが、喉元過ぎればなんとやら。4月に入ってからは残業もなく、まだ明るい空にいちいち感謝しながら退社している。
時間に余裕もできたので、またnoteアプリを開いてみた。珍しく前回の日記を読み返して、おうおう、やってるねえと、対岸の火事を眺めるような気持ちになった。人の記憶とはそんなもの。1ヶ月ちょっとしか経
(27)久しぶりに本当にただ思ったことを書くだけ。それを日記という。
そういえば、27歳になった。
本当に「そういえば」くらいの感覚で、ぬるっと歳を重ねてしまった。
1年の重みが年々希釈されていく。
27歳の自分は、26歳の自分が容易に想像できたくらいの範囲の暮らしをしている。
もとより、突然一大イベントが起こって、自他ともに認める成功者になれるような幸運を期待していた訳では無いが、相変わらずそこそこな1年を過ごしてしまったなぁ、という感情の動きはある。
まあ
(26)近況とディズニーシー
最近、真面目にしっかり働いている。
会社や人のためにたくさん頭を使って企画し、デザインし、イラストを描き、モノを作っている。
自意識ギンギンのティーンの頃に、膿を吐き出すために始めた創作。そこから、クリエイティブな能力が育ち、今では飯を食う唯一の手段になっている。思えば幸運なこった。
しかしあんまり真面目に働いているので、頭でっかちになってきているような気もする。
忙しくなってくると、理屈を考
(25)ノーチのしっぽ研究所3周年!
2023/5/23にノーチのしっぽ研究所は結成3周年を迎えた。
個人の展示活動自体は学生時代からやっているので、ノーチのしっぽ研究所を名乗り始めてからはまだ3年かという気もする。しかし、中1が高校生になるくらい続けているわけだし、3年あれば人は変わる。
実際ぼくたちも、3年でいろいろあったし、いろいろやった。
せっかくのお祝いだから何か記念イラストでも書こうかと思っていたが、何だかんだで忙しい
(24)画力とデザインスキルは似て非なるが、やっぱり似ている
絵が描いていると、「絵上手だね!今度のイベントでポスター作るからデザインしてよ!」と言われる。
デザインをしていると、「へぇ、絵が描けるっていいね」と言われる。
絵やデザインを少しでも齧ったことがある人はだれでも、こういった「絵とデザインのスキルの違い」まわりのモヤモヤに覚えがあるだろう。
プロでさえ、画家やイラストレーターが全員グラフィックデザインに長けているわけではないし、デザイナーが全員絵
(23)ぼくはいまつよくなっている
繁忙期を討ち取ったり忙しくてたまったもんじゃない。
印刷業界は、年度末が書き入れ時だ。
僕が勤める会社も御多分に洩れず、正月休み明けから、週6の13時間勤務が3ヶ月ほど続く。
たいへん分かりやすい繁忙期だ。
社会人経験の長い会社の猛者達の中には、「このくらい忙しい方がテキパキ動けてちょうど良い」という人もいるが、こちとら社会人3歳の赤ん坊だ。
体感的には「目が回るほど」というレベルではない。
(22)現代人は長文が読めない?
現代人は忙しい。
物事にかけるコストや時間を最小限に抑えたい人が多く、最近はコスパ主義やタイパ主義という言葉をよく聞く。
インターネットでは30秒以内に結論がわかる動画が流行っているし、映画も音楽も早回しで視聴する若者が多いという。
Googleで「WiFi プラン」と調べると、たくさんあるWiFi各社の情報がまとめて比較できる記事が上位に多くヒットする。
各社のホームページに行けば得られる情報
(21)創作は野垂れ死に防止
おえかきの後ろめたさ絵を描くというのは孤独な行為だ。
アイディアを組み立てて絵に起こす作業は、自分の脳と目と手だけが頼り。
だれかと共有するのは難しい。
そうやって孤独を吸い上げて出来上がったものが、大層みっともないものに見える時がある。
小学校の学年が上がるにつれて、自由帳を卒業するクラスメイトが増えても、絵を描くのを辞められなかった。
お絵描きが好きだったからと言えばそうなのだが、校庭で楽し
(20)生みの苦しみがやってくる時
作業中に思うこと久しぶりに色鉛筆で人物画を描いている。
人物画は似せることが大前提なので、自分の「我」を極力出さないで、モデルの方の人相ができるだけ魅力的に伝わるように努める。
お手本となる写真を見ながら、さらさらと少しずつ塗っていく。
色鉛筆は一番手に馴染んだ画材なので、技術的なことはあまり考えずに手を動かすことができる。
気持ち的にとても楽である。
一方で、「作業だな〜」とも思う。
色
(19)歳をとると涙もろくなる
あと1週間で26歳。
この1年半くらいで、急激に涙もろくなったと感じる。
感受性が豊かになったというか、些細なことでも感動したり、面白いと思ったりするようになった。
自分の人生こそ他人事少し前までは、自分は心が動きにくい奴だという自認があった。
思春期の14歳ころから、青年期の23歳くらいまで。
なんとなーく「つまんね〜の」みたいな感情が心の中を巣食っていて、映画やドラマを見て泣いたり、楽し