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ノンストップ・ストーリー

 主人公には休みなど与えられていない。たとえば主人公が休暇のためにとあるリゾート地に来たとしても彼には決して休暇が与えられることはない。事件が両手を上げて彼を待ち受けているからだ。そんなわけで我らが主人公も休暇のためにとあるリゾート地の駅に降りた。しかしその時だった。なんと彼の目の前で殺人事件が起こったではないか。主人公は主人公らしく殺人現場に駆けつけた。現場には警官が遺体を取り囲んで現場検証をしていた。主人公は回りを見たのだがなんとそこに美しい女性があるではないか。彼はもしかしたらこの女性は被害者と関係があるかもしれないと思い、早速女性に声をかけようとした。しかしその時女性は彼の目の前で突然死んでしまったのだ。どういうことなのだ?と主人公が驚いていると警官がいきなり彼を捕まえて事情聴取だと言って彼に手錠をはめた。彼はおとなしく警官に従うしかなかった。そして彼はパトカーに乗せられたのだが、しかしその時パトカーが崖から落ちて大破して警官はみんな死んでしまったのだ。一人助かった主人公は崖の下から必死に助けを求めた。その声を聞いた村人が崖の上から彼に向かってロープを垂らしてきた。主人公はロープを手にとっていざ登らんとした時また不幸が起こった。なんと村人は足を滑らせて崖から落ちてしまったのだ。主人公は深く悲しんだが、しかしロープはまだぶら下がっており、登ることが出来たのでようやく崖を登って近くの村まで歩いて行った。彼はとある家の戸を叩いたが、程なくして中から女性が出てきて彼に何のようかと尋ねた。主人公は正直に自分がリゾート地についた時殺人事件が起こったので現場に駆けつけたら何故かその場にいた女性が死んで自分は無実の罪に着せられてパトカーに連行された。しかしパトカーが事故って崖から落ちてしまい自分以外はみんな死んでしまった。それでしょうがないので崖の下から助けを求めていたらとある村人が助けてくれたのだが、その村人は足を滑らせて崖から落ちて死んでしまった。でも彼がかけたロープはしっかりと結ばれていたのでどうにか登ってここに来ることが出来たと正直すぎるぐらい正直に話した。しかし女性はそんな事あるわけ無いだろ!と言って戸を閉めようとしたのだが、主人公は奥にある写真に見覚えのある顔を見たのである。間違いない!自分を助けてくれようとしたあの村人だ。彼は女に向かってその写真の人自分を助けようとして足を滑らせて死んでしまったと言った。女性はバカなまだデタラメを!と叫んだがその時警官がやってきて女にアンタの旦那さん崖から落ちて死んでしまったよと言ったので女性は気を失ってそのまま死んでしまった。警官はもしかしてお前この人の旦那さんを殺したのかと言って彼に手錠をかけたが、なんとその時がけ崩れが起こって一帯が陥没してしまったのだ。主人公はかけられた手錠が運良く木に引っかかりぶら下がって助かった。しかし奥さんの遺体や警官はみんな深すぎる谷底へと落ちてしまった。主人公は泣きながら助けを求めたが、やっぱり主人公なので救い主が現れた。今度は今までの女と違って絶世の美女だった。これぞ主人公の特権だ。主人公であるからこそこんな極上ボディとセックスができるんだと思っていたらいつの間にか彼は地球の上にいるではないか。主人公は女にここはどこだと聞いた。女は彼を哀れんでこう言った。

「あなたは今天国に行くところなんです。あなたは手で自分の下を慰めている時死んでしまったんです。なんて可愛そうな人生なのでしょうか。生まれてからずっと童貞で死ぬまで一人で慰めながら天国に行くなんて。あなたほど哀れなひとはいないのであなたは間違いなく最上級の天国にイケるでしょう。だからもう少しこのままお待ち下さいね」



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