本の底で眠る

 私は本の底に住んでいる。積み上げた本の底で目覚めてそこで眠るのだ。私の住むこの部屋には毎日活字の雨が降って来る。ハリーの喝!よりウザいほどの活字の雨だ。時にそれは活字の暴風雨となってあたりに活字を撒き散らすだろう。ちらし寿司のようにあたり一面に活字の雨を撒き散らし、世界を活字で埋め尽くすだろう。そんな世界のそこで私は生き、そして死ぬのだろう。だから母さん。もう僕を止めないでくれ。この活字の世界から僕を連れ出さないで。

「あなた、なに気取ったこと書いてんのよ!あなた生まれてから一度も活字なんか読んだことないでしょ!読んでいるのはパパのお古のエロ本だけじゃない!この間あなたなにをとち狂ったか隣の美代ちゃんにラブレター出したわよね!美代ちゃんが私に見せてくれたのよ!なんか漢字みんな間違っているから教えてあげた方がいいわよっていいながらね!何があなたに変していますよ。僕と変態しませんかってとか書く前に辞書とか見なかったの?」

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