読書人の日記
読書と言っても世の人々はさほど本なんか必要としていないはずだ。読書と言ってもどうせ漫画や推理小説なんかしか読まないのだ。読書好きですと自称する人すらそんなものだと思う。適当に本をペラペラめくってああ！感動したとページを閉じて本の内容より本を読んだという充実感からくる感動に咽んで涙するのだ。いやそんなことはない。私はちゃんと本を読んでいるし、だいたい推理小説しか読まないなんてことはない、と文句を言う人だっているだろう。さらにはあなたは漫画や推理小説をバカにするのかと怒る人だっているかも知れない。しかし私はそれでも言いたい。君たちは読書家なんかじゃ断じていないんだと。君たちのやっていることはページの文字を眺めているだけなんだ。君たちは文字と紙の奥を見ようともしていないのだ。君たちには今読んでいる紙とインクの材質を答えることは不可能だろう。それは君たちが本を表面的にしか読んでいないからだ。僕のように本の奥底まで読んでいる人間は簡単に答えられる。僕は本を読むたびに本の紙とインクの臭いに感動して泣いてしまう。そんな時ああ！読書家で良かったなと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？