ゲームセット

　もはやノーアウト満塁絶対絶命のピンチだった。しかしそれでも佐藤は投げなければいけなかった。これが打たれたら逆転負けだ。このまま逃げ切ってやる。佐藤はボールを握りしめてゆっくり振りかぶりそして力一杯投げた。しかし佐藤の願いは虚しくボールがスタンドへと放り込まれてしまった。満員の球場が大歓声で揺れる中、ホームランを打った相手打者の高木が悠々とベースを走る。佐藤はそれを見てガックリと肩を落としてつぶやいた。「まだ負けはしない」そんな佐藤に相手打者の高木が言う。「もう諦めろよ。お前は負けたんだ」だが佐藤は諦めない。彼は指を目の前のボタンに近づける。それに気づいた高木が佐藤を必死で止めてこう言う。

「佐藤いい加減にしろ！いつも負けそうになったらリセットボタン押しやがって！もうやめろ！いい加減やめないと……」
「うるさい！俺は負けはしない！この身が朽ち果てても負ける事は出来ないんだ！」

　ポチッ！

　ドカーン！シュシュシュシュゴーン！バーン！ガガガがガガガチュドーン！

　こうして地球は滅亡した。