名文ってなに？

　まぁ、時間がないのでざっくり簡潔にまとめます。人気のあるエッセイをいくつか読むと、やっぱり人気のあるエッセイには読ませる力があるんだなとあらためて思った次第です。さて人気のあるエッセイはどういうところが人気なのでしょうか。現在の社会情勢でしょうか。それともエッセイで披歴されたちょっとした雑学でしょうか。いえ、それよりももっと大事なものがあります。たしかに今あげたものはエッセイの人気に一役買ってはいるでしょう。しかしそういうものが書かれていたところでエッセイを読む理由にはなりません。社会情勢や雑学だったらwikiやTwitterなどで手軽に知ることができます。わざわざエッセイを読むまでもないのです。じゃあ人気のあるエッセイとは一体どういうエッセイなのでしょうか。もうズバリ言いましょう。それは文体です。文体といっても、文法上において正しい文章とか美文とかではなくて、書き手の人格が感じられる文章が好まれるのです。誰かがあなたの書いた文章を読んで真面目な人だとか思われるのはあなたが好意を抱かれている証拠です。だけどちょっとガードが高そうだし、あんまり仲良くなれないなと思われるかもしれません。ここで試しにちょっとドジっ子エピソードを入れてみましょう。すると読んだ人はあの人真面目そうなのに意外にドジっ子なんだ、もう少し読んでみようと思うはずです。私もそんなドジっ子エピソードをちょっとスパイスみたいに入れたら一気に読者が増えました。意外にドジっ子なんですねと評判になりました。そうして私は人気に味を占めてドジっ子エピソードを書きまくっていたのですが、何故かエッセイの奴が人格をもってしまって私に俺はそんなドジっ子じゃねえと抗議してきて、とうとう私から筆を奪って勝手にエッセイを書きはじめてしまったんです。そのエッセイがクソつまらないエッセイでお陰で私の人気は急降下してしまいました。それどころかエッセイのやつは私の体まで乗っ取って会社にまでいく始末です。一体どうしたらいいのでしょうか。