夏雪

日々の色と記録|時々南の国のことを思いながら暮らしを続けています https://ww…

夏雪

日々の色と記録|時々南の国のことを思いながら暮らしを続けています https://www.instagram.com/xiaxue_uq/

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わからない を撮る

某日、とある目的のためにFUJIFILMのカメラを買った。 X-Pro2という中古のミラーレス一眼。 独特の湿り気をおびた写り方をするカメラだと思った。 その質感があのからりと混沌とした風景に似合うんじゃないかと思って。 バチッ、とやや重みのある音を立てて色と光を記憶する、 久々にシャッターを切る感覚はとても心地がよかった。 疫病の終息を感じ始める春、わたしは遠くへ行く準備をしていた。 「とある目的」は なんともあっけなく頓挫してしまった。 その目的のために今まで色々

    • 夏の魔女 | Fujifilm X-Pro2

      つよい夏のひかりのなかにいた。 南の国にいたころ経験したオーブンみたいな夏のことを思い出す。 脳も日焼けしたのかと思うほど 夏のひかりの残像がまだ 頭のなかにこびりついている。 Camera : FUJIFILM X-Pro2 Lenses : XF35mm F1.4 R IG:https://www.instagram.com/xiaxue_uq/

      • 尾道 - 雨の日散歩 | Fujifilm X-Pro2

        この日は朝から大雨だった尾道。長い長い商店街があって本当に助かった。 ゆるやかになった雨の中、カメラ片手に商店街を散歩することにした。 昭和のまま時が止まったような佇まいのなか、新しい店や古い建物をうまくリノベーションした素敵な店も多く、ただ歩いているだけでもとても愉しい。個人店の多い街が好きだ。 散歩の途中、台湾の友人に教えてもらった「紙片」さんという書店を訪ねる。長い長い”あなごのねどこ” を ぬけてたどり着いた先にある小さな書店。足を踏み入れると別世界のような空間だ

        • X-Pro2とゆく - 広島・尾道

          8月の終わり、尾道あたりにいた。 尾道はここ数年ずっと訪れてみたいと思っていた場所だった。 初めて訪れたのに妙にほっとする感じがある。古いものと新しいものが混在した心地のいい空気がそこに流れていた。想像していた以上に良くて、でもその良さをうまく言葉で表現することができない。 なんというか「理想のおばあちゃんち」という感じだった。ラブ。 観光地ではあるものの、ものすごく整頓された観光地という感じじゃなかったのが良かったのかもしれない。(商店街が19時ぐらいには真っ暗になって

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        わからない を撮る

          タヒチより暑い東京

          呼吸をするのも大変なぐらい暑い暑いトーキョーシティ。 東京ってこんな暑いところだったっけ、と歩きながら住んでいたころの夏の記憶を手繰り寄せてみたものの、私の肌が知っている東京はこんなに暑くなかったような。はて。 年々亜熱帯化しているのでは日本、そのうち植物の様子も変わっていくのかもしれないなどと思いながら全く涼しくない上野公園を歩く。暑い。すべてを嫌いになりそうなぐらい暑い。年を重ねて汗をかくのも腕を出すのも怖くなくなったことだけが救いだった。 マティス展 at 東京都美

          タヒチより暑い東京

          美しく燃えているひとのことを想いながら眠る

          旅先からいつも葉書をくれる友人がいる。 その突然の便りから感じる時差にいつも心がふっと軽くなる。 このたびはメキシコの風をまとった、凛々しい表情のフリーダ・カーロの葉書。あなたが遠く遠くほんとうに遠いところで愉しそうに暮らしているのを知るといつも生きる勇気がわくよ。 好きなひとたちが遠くなる ってことが大人になるということなんだろうか、とせつなく思っていたころもあったけど、 「遠くにいるひとのおかげで乗り越えられる日がある」ということを知れたのは大人になってよかったと思う

          美しく燃えているひとのことを想いながら眠る

          万博記念公園 ローズフェスタ #03 - 不穏を愛す

          前回、前々回投稿した写真たちと全く同じ日に撮ったのに、晴れたり急に曇ったりをくりかえす奇妙な天気だったおかげでなんだかものすごく不穏なバラの写真も撮れていた。 同じように撮っていたのに分厚い曇天のなかでは不思議な遠近感のある写り方をするのだなと知る。 こういう不穏な物語っぽい感じも好き。

          万博記念公園 ローズフェスタ #03 - 不穏を愛す

          万博記念公園 ローズフェスタ #02 - 物語を固定する

          どういう条件で「それ」が撮れるのかまだよくわかっていないけど、 意図せずぬるっとした質感の写真が撮れる時があって、 そういうときああこのカメラとレンズを買って良かったなとにまにまする。 梅雨入りのニュースを聞きながらレタッチをしていた。 レタッチは物語をつける作業なんだな、と色々な質感を加えながら思う。 まだこれだと思う感触がつかめていないので写真の系統が統一されていないけれど、自分は明るいパステル調の可愛い写真よりも、このカメラの黒の質感がすごく好きなのでそれを活かしつつ

          万博記念公園 ローズフェスタ #02 - 物語を固定する

          万博記念公園 ローズフェスタ #01 - 起きながら見る夢

          5月25日、万博記念公園の平和のバラ園にて。 にわか雨の予報だったけれど、真昼間は日差しが強く夏のような暑さだった。もう茶色くなってきているバラもちらほら。晴れたり急に暗雲たちこめたりと奇妙な天気だったので面白い写真が撮れたように思う。ここでは最近はまっている「レンズフィルターのようなもの」をかけて撮ったシリーズをまとめた。 いい香りのするピンク色のバラを見ると必ず思い出すひとがいる。 東京で暮らしていたとき、なにもわからない小娘のわたしにいつも優しくしてくれた大切なひと。

          万博記念公園 ローズフェスタ #01 - 起きながら見る夢

          うつくしいこども

          友だちのお子たち、みんなすぐに大きくなってしまうので 会えた日はいつも宝物のような一瞬。 ああ今日が満開だなぁと思う花と小さなきみを重ねる瞬間があり、心から尊いと思った。 わたしは子どもがほしいと思ったことはないのだけれど (大好きな友だちのお子たちに会ってもほしいと思わないので、きっとこれからも思わないだろう) 「いいカメラで子どもを撮りたくなる気持ち」というのをこの日初めて理解した。あまりにも可愛くてあまりにも尊い一瞬の連続。 次に会えるのは1ヶ月後だろうか、半年後だ

          うつくしいこども