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いい加減が”良い加減”な人生を導く

5月5日(日)NHKスペシャルで山口一郎 ”うつ”と生きる 〜サカナクション復活への日々〜をみた。

昔、なんかの番組でサカナクションのライブ映像を見た時に、すごくしっかりと作り上げられたコンサートで私が好きなタイプだなと漠然と思った記憶がある。とにかくしっかり、綺麗に、完璧に練り上げてボーカルの人がきっちりしてる印象だけ残っていたのだけど、その後、体調を崩されたという報道を見て、少しNHKなどの再放送のトークやライブをチェックしたことがあった。そこからの久しぶりの山口一郎さんだった。

私はたまに、細かすぎるとか気にしすぎるとか一人で全部頑張りすぎると、親や夫に言われることがあるんだけど、そういう人は人一倍疲れやすい、、というか、ある意味損をしてることが多い。他の人の分も頑張っちゃうから。「損して得取れ」という言葉があるけど、あれはビジネスシーンの主にお金回りに使われて、人生ではやっぱり損をした人はそのまま損は積み重なっていくのでなるべく損しない生き方の方が楽だと最近つくづく思う。何が言いたいかというと、頑張りすぎるとやっぱりいつかパリンと割れたりヒビが入るっていうこと。私の場合はそこを回避しなきゃと「食事は手抜きをする」とか「掃除も適当にする」とか「子供は適当に距離を取ると自立する」と物は言いようを実践して、、、またそこで、”わざわざそうすると決めてから”行動するので手抜きも細かく段取りしてるじゃん!と思われそうだけど、そうすることでバランスを取って今では立派な適当な生活ができている。(笑)「いい加減」が実は「良い加減」な人生を運んでくるんですね。

私のことは置いといて

山口さんの番組を見ていて最初に驚いたのは、

「東京に行くなら変わらないといけない」(というような意味の発言)だった。

東京生まれ東京育ちなのでその辺はわからないのだけど、やはり「東京に出てくる」人たちは東京に対して何か鎧を必要とするのかなと思った。番組の中で、山口さんの友人で仲間の原さんの発言で「マントを纏う」とあるけどそうなんだろう。

次に、やはり、山口さんはストイックでとても真面目でやり尽くさないと不安になるタイプ(よくわかる気がする)であるということ。真面目な人ほど陥りやすい。そしてこれは表に立つ人間だからか、広報の立場でもあるので自分自身を思い込ませて(自分を騙して)パフォーマンス、トーク、人を笑わせ、楽しませ、、をしていたこと。

あと、「音楽は僕にとって仕事ではない、人生、それしかない」という発言の通り朝から朝まで音楽をやり続けられる(晩じゃないんだよ、朝だよ)、、やり続けなきゃ、、という感覚でずっと活動されてたこと。言い換えて趣味か、という発言の意味も理解できる。

が、これは倒れる!

そこからのパンデミック(コロナ禍)で”決壊”が起きてしまった。
実は、私の周りでも演劇や音楽の友達が多くいるが、同じようになってしまった人やそこが原因で芸術関係の仕事を辞めた人がいる。つまり、ギリギリの綱渡りを延々と続けていたが、コロナ禍の一瞬でギリギリのローテーションをストップせざる終えなくなり、空回りしてしまったんだ。自転車のチェーンが外れてなおも漕ぎ続けてぐちゃぐちゃになるように。

きっと山口一郎さんは全部を一人で背負って頑張ってきたという自負もあったのだろうけど、ドラムの江島さんの涙に、全てをみんなに委ねてやっていいんだ、一人じゃないんだと再スタートで感じたりもしたんじゃないかと思った。真面目な人ほど、弱いところを人に見せたり頼るのが下手だけど、メンバーにもスタッフにもファンにもどんどんそんなところを見せて、長く音楽活動を続けて欲しいな。

あと、テレビのクルーが程よい距離感で撮影して同行してる感じが良かった。カメラマンとしては良いところを抑えたいという仕事的な観点もあるだろうけど、しっかり距離をとりつつ寄り添ってる感じがした。考えさせられることの多い番組だった。


明けない夜はない


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