シェア
静 霧一/小説
2020年10月29日 22:49
カタン。 紅音は塩を煮物に入れ、それを元の場所に戻す。 それが運悪く、隣に置いてあった砂糖に指が当たった。 その拍子に、塩と砂糖の入れ物がガシャンと床へ落ちる。 キッチンに敷かれたカーペットが真白くなり、私は慌てて腰をおろした。 紅音はしゃがみこんだまま、「えっとえっと」と戸惑うように呟く。 口はあわあわと忙しなく動くが、目はじっとその白くなった床をじっと見つめている。