ナツノアメ

漫画原作者 | 『サテライト・コインランドリー』連載中・単行本①②発売中です🛰️ 外資 …

ナツノアメ

漫画原作者 | 『サテライト・コインランドリー』連載中・単行本①②発売中です🛰️ 外資 IT 企業で働きながら、少し不思議なSF日常物語を描いています。 ✉️:ame.ame.natsuno@gmail.com

記事一覧

固定された記事

薄明研究所 第1話 氷河期

《あらすじ》 舞台は氷河期の地球。 生き残った人類はコールドスリープをしながら、地球が再び目覚めるまで電脳世界 "テラ" で暮らしていた。 主人公シグマはそんな電脳世…

11

薄明研究所 第3話 ノアとシグマ

薄明研究所 第1話 薄明研究所 第2話 「い、今なんて…」 寒く薄暗い氷河期の世界で、シグマは久しぶりに冷や汗をかいていた。 絞り出すように出てきたその声は、冷たく…

1

薄明研究所 第2話 アップデート

薄明研究所 第1話 薄明研究所 第3話 「くそ…なんでこう毎回毎回…」 その日シグマは苛立っていた。 そんなシグマの様子を見た室長のファイは、「眉間にシワ寄ってるよこ…

4

ぶんぶんとスターダスト・ガスステーション

とある宇宙の片隅に ぶんぶんという宇宙人がいました。 ぶーんぶーん。 「ぼくは 宇宙の 端の端まで 誰よりも 早く遠くとぶんだ」 ぶんぶんは 自慢の宇宙船をはしら…

ナツノアメ
5か月前
8
薄明研究所 第1話 氷河期

薄明研究所 第1話 氷河期

《あらすじ》
舞台は氷河期の地球。
生き残った人類はコールドスリープをしながら、地球が再び目覚めるまで電脳世界 "テラ" で暮らしていた。

主人公シグマはそんな電脳世界 "テラ" を運営する薄明研究所の研究員。
彼の仕事は氷河期が終わるまで、電脳世界に住む人類を守ることだった。
日夜起こる予期せぬ電脳世界でのバグの解決に取り組む、研究員たちのSF (少し不思議) な日々を描いた物語。

薄明研究

もっとみる
薄明研究所 第3話 ノアとシグマ

薄明研究所 第3話 ノアとシグマ

薄明研究所 第1話
薄明研究所 第2話

「い、今なんて…」
寒く薄暗い氷河期の世界で、シグマは久しぶりに冷や汗をかいていた。
絞り出すように出てきたその声は、冷たく無機質な薄明研究所内にかき消えていく。

=

つい先程、シグマはテラ開発室所属の同僚、ノアの部屋を訪れていた。

何度かドアをノックしても反応がなかったため、シグマは一言断りをいれ室内へ入る。そこで目に入ってきたのは手をだらんと垂ら

もっとみる
薄明研究所 第2話 アップデート

薄明研究所 第2話 アップデート

薄明研究所 第1話
薄明研究所 第3話

「くそ…なんでこう毎回毎回…」
その日シグマは苛立っていた。
そんなシグマの様子を見た室長のファイは、「眉間にシワ寄ってるよこぐまちゃん」と
言って両手の人差し指を上に向ける。

「ほーら、笑顔笑顔。スマーイル」
「はぁ…」

シグマはこの日最大のため息をついた。

=

宇宙からやってきた巨大生物との衝突により、地球は氷河期に突入していた。
ここ「薄明研

もっとみる
ぶんぶんとスターダスト・ガスステーション

ぶんぶんとスターダスト・ガスステーション

とある宇宙の片隅に
ぶんぶんという宇宙人がいました。

ぶーんぶーん。
「ぼくは 宇宙の 端の端まで 誰よりも 早く遠くとぶんだ」
ぶんぶんは 自慢の宇宙船をはしらせ 今日も宇宙を飛び回ります。

ぶーんぶーん。
ぶーんぶーん。

「誰も僕に追いつくことはできないんだぞ」
ぶんぶんは 自慢の宇宙船をはしらせ 今日も宇宙を飛び回ります。

ぶーんぶーん。
とある日のこと。いつものようにぶんぶんは宇宙

もっとみる