ジョーカーとバットマンについて【映画JOKER・ネタバレと考察】
この映画を観たあと、しばらく興奮が収まらなかった。暴力的なシーンは少し怖かったけれど、JOKERはダークナイトファンとしては絶対に見逃せない映画だ。
以下、ネタバレと個人的な考察です。
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映画を観た感想をまとめるなら、ジョーカーはバットマンだった。本当に、その一言に尽きる気がしている。
ジョーカー=バットマン
ダークナイトで、ジョーカーはバットマンに向かってこう言っている。
「俺はお前がいないと生きられない。お前も俺がいないと生きられない」
そう、この時点でジョーカーとバットマンは表裏一体の存在だったと言うこと。
JOKERでもそれを示唆するシーンがあった。
アーサーがピエロのメイクをしたまま、地下鉄でウェイン社の社員3人(社会的地位が高い富裕層)を銃殺したとき。
ピエロは富裕層からは殺人者と言われていたが、貧困層の市民からは、支持を集めていた。貧困層の不満を一斉に集め、のちに起こるデモのシンボルとなり、「ピエロは私刑団か?」と言われるほどとなった。
私刑団と言えば、そう、法に基づかずに悪人を裁く、バットマンのことだろう。(バットマンは自警団と言われているので、少し違いはあるかもしれないけれど)
物語のラストでは、警察に連行されるジョーカーを、ピエロのマスクをつけた集団が助け出し、立ち上がったジョーカーのもとにたくさんのピエロたちが集まっていた。まるでジョーカーがヒーローであるかのように。
そう、狂気として描かれているジョーカーも、元を辿ればバットマンと同じ存在だったのだ。
ジョーカーとバットマンの誕生
ジョーカーが覚醒し、誕生した裏で、同時にバットマンも誕生していた。
ブルースは両親を殺害されたことがきっかけでバットマンになった。殺害したのは、ピエロのマスクを被ったジョーカーの支持者。
つまり、ブルースの両親を殺害したのはジョーカーで、バットマンを生んだのはジョーカーだということ。
そしてアーサーがジョーカーになったきっかけのひとつにも、ブルースの父の存在がある。
ブルースの父はジョーカーの父でこそなかったものの、社会的地位が高い富裕層という意味では、ジョーカーを生み出す一因となった存在であることは間違いなくて。
実際、ジョーカーの最初の殺人の被害者も、ブルースの父の会社の人間だ。
「俺はお前がいないと生きられない。お前も俺がいないと生きられない」
ジョーカーとバットマンは、お互いがいなければ生まれることがなかったかもしれない存在だったのだ。
ダークナイトの最後に、こんなセリフがある。ゴートンがバットマンに向かって呟いたセリフだ。
「彼は街に必要な人間だ。だが今は時が違う」
時代によって、正義は変わる。大衆が求めるものも変わる。
ジョーカーもバットマンも、街に必要とされる存在には変わりないのだと思う。時代と、大衆に翻弄されているだけで。
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以上、わたしがJOKERを観ての感想と考察でした。
わたしはバットマンのファンというよりは、ダークナイトのファンだし、JOKERを観る前に久しぶりにダークナイトを見直した程度のファンなので、色々と間違いはあるかもしれないし、けっこう薄っぺらい感想だな、とは自分でも思います。
JOKERを観たのも今日が初めてだし、前述したように暴力的なシーンが苦手なので今後また観るか、というのも怪しい。
ジョーカーとバットマンは同じ存在だと言っておきながら、ふたりの唯一の決定的な違い「殺す・殺さない」に関しての結論は出せないし。
ただ、JOKERを観たあと、これを書かずにはいられなくて。ジョーカーとバットマンが同じ存在だとしたら、ふたりが戦うダークナイトは・・・。と考えると、いても経ってもいられなかった。
またこれから、ダークナイトを見直そうと思います。
混沌としているようで、シンプル。相反するようで矛盾しない、ジョーカーとバットマンというキャラクター。
まるでふたつの月のようなその関係性に、わたしは魅力されてしまったみたいです。
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