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【1分間でスペイン旅行】#54 スペイン版ロミオとジュリエットの街『テルエル』(2020年10月訪問)。

スペイン東部のアラゴン州に位置する人口3万5千人程の街『テルエル』。
テルエルは悲しい恋人達の物語が残る街として有名です。
13世紀初頭に金持ちの家の女性イサベルと貧乏な男性ディエゴが愛し合っていましたが、イサベルの親は貧乏なディエゴを娘の結婚相手として認めませんでした。
ディエゴはきっとお金持ちになって帰るので5年間待っていてほしいとイサベルに告げ、テルエルの町を
後にします。
そして、キリスト教徒軍に入り国土再征服のためにイスラム教徒軍との戦いに明け暮れ、
5年間で大金を手にしました。
一方のイサベルは、早く娘を嫁がせたい父親をかわしているうちに
5年間が過ぎ、とうとう縁談を受け入れることになってしまいました。
イサベルが結婚してまもなく、ディエゴがテルエルに帰ってきました。イサベルが結婚した事を聞き、落胆しますが、諦めきれずにこっそりと会いに行くことに成功します。
そしてイザベルに口づけを求めるも、既に人妻となったイサベルはそれに応じることができません。
ディエゴは悲しみのあまりにその場で亡くなってしまいます。
イサベルは夫にそれを打ち明け、困った夫は他人に知れると自分が殺したと思われかねないので、こっそりと亡骸をディエゴの家に運びました。自分が口づけを断ったばかりにディエゴが亡くなったのでイサベルはひどく後悔し、悲しみに暮れ、せめて埋葬される前に口づけをしに行こうと決心します。亡骸が安置されていた教会に向かい、そこでディエゴに口づけをした後に彼女も息を引き取ってしまいました。イサベルを亡くした
夫は人々に何が起きたかを話し、2人は二度と離れることがないようにと一緒に埋葬されました。
現在はその二人のミイラが隣り合った柩の中で保管されています。

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