【小説】 ブランコ
「ブランコで一回転したことあるよ!」
そう彼女は大見栄を切って私に言い放った。
「すごいねー!」
「でも今日はうまくできないから、ただ漕ぐだけにしとく」
そう言って、彼女はブランコを1回転しそうなほど漕いだ。振り幅が120度くらい行っていた気がする。ちょうど、この前数学の授業でもらった分度器を透かせて空と公園の木々が映った。
「とうッ!」
掛け声と共に彼女は手を振り解き、ブランコの周りを囲う柵よりも遠くへとジャンプした。まるで、少年ジャンプの表紙絵のようなジャンピング。カンマ