夏川賀央

1968年、東京生まれ。大手出版社など数社を経て独立。会社経営のかたわら作家として活躍…

夏川賀央

1968年、東京生まれ。大手出版社など数社を経て独立。会社経営のかたわら作家として活躍中。人材プロデューサーとして各分野の才能を発掘しつつ、ネットワークを通じた“非組織プロジェクト”で多くの企画を手がける。ライター、プロデューサーとして本の編集・制作に携わっている。

記事一覧

本の紹介37 「勝っているとき」こそ、最も危険なとき

画像は私が現代語訳した クラウゼヴィッツの『戦争論』ですが、 ウクライナの戦争が始まった2022年に 考察する意味を込めて出版した本。 悲しいことにその戦争がいま…

夏川賀央
1日前

賢者の言葉53 「自分のためでなく人のため」は、正しいのか?

「医療の道を志すものは、 人のために生きるべきである。 自分の利益のために生きてはならない」 こちら幕末の医師であり、蘭学者、 緒方洪庵さんの言葉ですね。 天然痘の…

夏川賀央
1日前

本の紹介36 世阿弥の教え……「咲いては散り続ける花」となる

こちら私が現代語訳した 『風姿花伝』(致知出版社)ですが、 8月8日(新暦では9月)は世阿弥の命日だったそうです。 1960年のこと、彼の菩提寺だった 奈良県の補巌…

夏川賀央
12日前

ブログ240811 「小玉スイカ」の仕事術

画像は、少し前にいただいた 「小玉スイカ」。 普通より小さいスイカですが、 800〜1000円で買えますが、 結構スーパーとかで売っていますよね。 久しぶりに食べてみると…

夏川賀央
12日前

本の紹介35 江戸のプロデューサーから学べる「たくさんのこと」

夏川賀央の公式ブログ→https://www.kenjabook.com/ 新しく発売される お友だちの本の紹介です。 車浮代さんの 『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人』 (PHP文庫、990円…

夏川賀央
2週間前
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歴史入門50 久しぶりに原点回帰をしてみた!?

夏川賀央の公式ブログ→https://www.kenjabook.com/ 久々に訪れた、こちらの場所です。 以前、ここを訪ねた後で、 ベストセラーが出た!……なんてことがありました。 そ…

夏川賀央
2週間前

本の紹介34 世阿弥にとっての「黄金の島」

「素晴らしいではないか、 私のような逸れ者でも気ままに住ませておき、 人の生きる道から外れることもなく、 山はそのままで高く聳え立ち、 海はそのままで深く水を湛えて…

夏川賀央
3週間前
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ブログ240730 「日本昔ばなし」のイラスト集

紹介しているのはかなり 「ゆるい」画像ですが(笑)、 イラストレーターのWatanabeが久しぶりに インスタグラムで紹介を始めている作品群。 なんでも公募用の風呂敷のデ…

夏川賀央
3週間前
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賢者の言葉52 「未来を託してくれた人」へ感謝!

「現在は彼らのものかもしれないが、 未来は私のものだ」 こちらの言葉は私の本 『君はこの言葉を知っているか?』(主婦の友社)で 取り上げています。 クロアチア生ま…

夏川賀央
1か月前
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歴史入門49 表参道でできる「善光寺参り」

画像の、こちら。 久しぶりですが、「善光寺参り」をしてきました! ……といって、 長野県にある善光寺ではありません。 表参道の交差点のすぐそばにある 「青山善光寺」…

夏川賀央
1か月前
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武士道入門37 なぜ武士たちは切腹をしたのか?

新渡戸稲造さんは『武士道』の第12章には、かなりのページを割いています。 それだけ説明が必要な項目だと感じたのでしょうが、何かと言えば「切腹と仇討ち」です。 仇討ち…

夏川賀央
1か月前
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賢者の言葉51 アメリカの偉人と『自助論』の偉人

7月4日といえば、 アメリカの独立記念日でしたね。 1776年、 イギリスに統治されていたアメリカにあって、 「独立宣言」が議会で採択された日。 イギリスとの独立戦争…

夏川賀央
1か月前
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歴史入門48 出来損ないで構わないから「自分の頭」で考える

6月27日というのは、 「メディア・リテラシーの日」だったそうです。 つまり、メディアにとっては 「自分たちが発信する情報を見つめ直しましょう」 という日。 私たちの…

夏川賀央
1か月前
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ブログ240630 傷ついても負けないアゲハの物語

朝、ウォーキングをしているときですが、 目の前をヒラヒラ飛ぶ物体がよぎりました。 蝶かな……? 見ると、アゲハチョウのようです。 もう夏も近いな……なんて思うので…

夏川賀央
1か月前

武士道入門36 武士は「歌」でも勝負した

武士たちは感情を押し殺し、悲しみや喜びをこらえ、どうしようもない絶望時にだけ、大笑いしたりした......。 ただ、どこかで自身の感情は、やはり発露したい。そこで『武…

夏川賀央
2か月前

歴史入門47 勝鬨橋の完成……決して「負の遺産」ばかりではないのかも

6月14日は、墨田川にかかっている こちらの「橋」ができた日なんだそうです。 勝鬨橋……ですね。 日本にはほとんどない、下に船が通るときに 真ん中から割れて上に開く「…

夏川賀央
2か月前
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本の紹介37 「勝っているとき」こそ、最も危険なとき

本の紹介37 「勝っているとき」こそ、最も危険なとき

画像は私が現代語訳した
クラウゼヴィッツの『戦争論』ですが、
ウクライナの戦争が始まった2022年に
考察する意味を込めて出版した本。

悲しいことにその戦争がいまだ終結せずに
続いているわけですが、
先日、新しい局面を迎えたようです。

ウクライナ側がロシアの国境の街に逆侵入し、
いくつかの拠点を制圧したというんですね。

十数名とはいえ、民間人の犠牲者も出ている戦況です。
賛否あるだろうし、喜

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賢者の言葉53 「自分のためでなく人のため」は、正しいのか?

賢者の言葉53 「自分のためでなく人のため」は、正しいのか?

「医療の道を志すものは、
人のために生きるべきである。
自分の利益のために生きてはならない」

こちら幕末の医師であり、蘭学者、
緒方洪庵さんの言葉ですね。
天然痘のワクチン治療、つまり「種痘」を
日本で初めて実施した医師として知られています。

8月13日は、その緒方洪庵さんの
生まれた日(正確には新暦7月14日)。
今から214年前のことになります。

夏川賀央の公式ブログ→https://w

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本の紹介36 世阿弥の教え……「咲いては散り続ける花」となる

本の紹介36 世阿弥の教え……「咲いては散り続ける花」となる

こちら私が現代語訳した
『風姿花伝』(致知出版社)ですが、
8月8日(新暦では9月)は世阿弥の命日だったそうです。

1960年のこと、彼の菩提寺だった
奈良県の補巌寺で、
命日を8月8日と記した納帳が発見されたとのこと。
年号の記述はありません。

以前にも書きましたが、晩年、政争に巻き込まれ、
佐渡島に流刑になっていた世阿弥。
その納帳が奈良で見つかったとなると、
あるいは都に戻れたのか?

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ブログ240811 「小玉スイカ」の仕事術

ブログ240811 「小玉スイカ」の仕事術

画像は、少し前にいただいた
「小玉スイカ」。

普通より小さいスイカですが、
800〜1000円で買えますが、
結構スーパーとかで売っていますよね。

久しぶりに食べてみると、
「あれっ? こんなに甘かったっけ?」です。
種も少ないし、非常に食べやすい。
人気も出るのはよくわかる。

でも、小玉スイカって、こんなに普通に
スーパーで売っているものだったっけ?

あまり子供の頃に食べた記憶はありませ

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本の紹介35 江戸のプロデューサーから学べる「たくさんのこと」

本の紹介35 江戸のプロデューサーから学べる「たくさんのこと」

夏川賀央の公式ブログ→https://www.kenjabook.com/

新しく発売される
お友だちの本の紹介です。

車浮代さんの
『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人』
(PHP文庫、990円)
8月5日の発売ですね。→こちらアマゾン

蔦屋重三郎といえば、江戸で出版社を興し、
成功した人物。

著名な作家たちのほか、
絵師の喜多川歌麿や写楽を大成させた
名プロデューサーとして知られていま

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歴史入門50 久しぶりに原点回帰をしてみた!?

歴史入門50 久しぶりに原点回帰をしてみた!?

夏川賀央の公式ブログ→https://www.kenjabook.com/

久々に訪れた、こちらの場所です。

以前、ここを訪ねた後で、
ベストセラーが出た!……なんてことがありました。
その意味ではお利益ある場所ですが、
埼玉県にある「鷲宮神社」ですね。

さほど大きな神社ではありませんが、
じつは「関東最古の神社」と呼ばれる場所。
東京に多くある、同名の神社や、
大鳥神社の本家にあたるような

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本の紹介34 世阿弥にとっての「黄金の島」

本の紹介34 世阿弥にとっての「黄金の島」

「素晴らしいではないか、
私のような逸れ者でも気ままに住ませておき、
人の生きる道から外れることもなく、
山はそのままで高く聳え立ち、
海はそのままで深く水を湛えている。
山雲海月の心というように、
海は情緒深く、山は見渡す限り、青々としている。
その名を問えば、佐渡という。
この黄金の島は神秘的な場所である」

こちらは、『金島書』という詩ですが、
『風姿花伝』の著者である
世阿弥が書いたとされ

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ブログ240730 「日本昔ばなし」のイラスト集

ブログ240730 「日本昔ばなし」のイラスト集

紹介しているのはかなり
「ゆるい」画像ですが(笑)、
イラストレーターのWatanabeが久しぶりに
インスタグラムで紹介を始めている作品群。

なんでも公募用の風呂敷のデザインとして
描いたものだそうですが、
7つの昔話作品をモチーフにした絵柄です。

描くと同時に作品を深掘りするため、
物語の背景なども軽く調べたりしたので、
そちらも含めて順次紹介していく……とのことでした。

物語は、
・一

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賢者の言葉52 「未来を託してくれた人」へ感謝!

賢者の言葉52 「未来を託してくれた人」へ感謝!

「現在は彼らのものかもしれないが、
未来は私のものだ」

こちらの言葉は私の本
『君はこの言葉を知っているか?』(主婦の友社)で
取り上げています。

クロアチア生まれのセルビア人科学者であり、発明家。
ニコラ・テスラさんの言葉ですね。
7月10日はその誕生日。
生誕168年になるそうです。

私の本は、成功者たちに刺激を与えた
偉人たちの言葉を紹介したもの。

このテスラさんに刺激された方といえ

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歴史入門49 表参道でできる「善光寺参り」

歴史入門49 表参道でできる「善光寺参り」

画像の、こちら。
久しぶりですが、「善光寺参り」をしてきました!
……といって、
長野県にある善光寺ではありません。

表参道の交差点のすぐそばにある
「青山善光寺」というお寺。

「まさかそんなお洒落な場所に善光寺があるの?」と、
思うでしょうが、
れっきとした長野県の善光寺の
「東京支店」のような位置付けになる場所。

そもそもは江戸開闢後、
すぐ谷中に創建されたお寺が火事で焼けたあと、
今の

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武士道入門37 なぜ武士たちは切腹をしたのか?

新渡戸稲造さんは『武士道』の第12章には、かなりのページを割いています。
それだけ説明が必要な項目だと感じたのでしょうが、何かと言えば「切腹と仇討ち」です。
仇討ちはともかく、「切腹」と言えば、海外から見れば、いちばん「異常」 な武士の慣習。まさに当時の日本人を「アイツらおかしいんじゃないか?」と野蛮人扱いする、最大の要因になっていました。

だからこそ、新渡戸稲造さんは西洋人向けに書いた本で重視

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賢者の言葉51 アメリカの偉人と『自助論』の偉人

賢者の言葉51 アメリカの偉人と『自助論』の偉人

7月4日といえば、
アメリカの独立記念日でしたね。

1776年、
イギリスに統治されていたアメリカにあって、
「独立宣言」が議会で採択された日。
イギリスとの独立戦争を経たのち、
1783年のパリ条約をもって
アメリカは正式な独立国家となりました。

そこで久々に紐解いたのが、
私が現代語訳している
サミュエル・スマイルズの『自助論』です。

この本はあまりかの独立から76年後の
1859年にイ

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歴史入門48 出来損ないで構わないから「自分の頭」で考える

歴史入門48 出来損ないで構わないから「自分の頭」で考える

6月27日というのは、
「メディア・リテラシーの日」だったそうです。

つまり、メディアにとっては
「自分たちが発信する情報を見つめ直しましょう」
という日。
私たちの側では、「情報を鵜呑みにするのでなく、
正しく判断するように努力しましょう」という日です。
出版界で仕事をしている私には、重要な日ですよね。

そもそもどうして
この日がそうなってくれるかといえば、
今からちょうど30年前、
あの松

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ブログ240630 傷ついても負けないアゲハの物語

ブログ240630 傷ついても負けないアゲハの物語

朝、ウォーキングをしているときですが、
目の前をヒラヒラ飛ぶ物体がよぎりました。

蝶かな……?
見ると、アゲハチョウのようです。
もう夏も近いな……なんて思うのですが、
よく見ると、どうもおかしい。

近くをヒラヒラ飛びながら、一向に遠くに行かない。
やけにスピードも遅く、
「飛翔している」というよりは、
落ち葉が舞っているように見える……。

試しにスマホを掲げたら、
写真も簡単に撮れてしまい

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武士道入門36 武士は「歌」でも勝負した

武士たちは感情を押し殺し、悲しみや喜びをこらえ、どうしようもない絶望時にだけ、大笑いしたりした......。
ただ、どこかで自身の感情は、やはり発露したい。そこで『武士道』には、 こうあります。

「感情を抑えることが強く求められましたから、いにしえの日本人は、その安全弁として、詩歌の創作を見出しました」

そう、感情を表に出さない代わりに、和歌をつくって、その思いを詠んだわけです。

武士

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歴史入門47 勝鬨橋の完成……決して「負の遺産」ばかりではないのかも

歴史入門47 勝鬨橋の完成……決して「負の遺産」ばかりではないのかも

6月14日は、墨田川にかかっている
こちらの「橋」ができた日なんだそうです。
勝鬨橋……ですね。

日本にはほとんどない、下に船が通るときに
真ん中から割れて上に開く「跳開橋」。

ですが、その格好いい開閉の様子を
私は見たことがありません。
1970年に閉じてからずっと、
開いたことがない……とのこと。

貴重な開く様子のスライドショーは、
土木学会附属土木図書館のHPで再現されていますので、

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