夏川賀央

1968年、東京生まれ。大手出版社など数社を経て独立。会社経営のかたわら作家として活躍…

夏川賀央

1968年、東京生まれ。大手出版社など数社を経て独立。会社経営のかたわら作家として活躍中。人材プロデューサーとして各分野の才能を発掘しつつ、ネットワークを通じた“非組織プロジェクト”で多くの企画を手がける。ライター、プロデューサーとして本の編集・制作に携わっている。

最近の記事

賢者の言葉52 「未来を託してくれた人」へ感謝!

「現在は彼らのものかもしれないが、 未来は私のものだ」 こちらの言葉は私の本 『君はこの言葉を知っているか?』(主婦の友社)で 取り上げています。 クロアチア生まれのセルビア人科学者であり、発明家。 ニコラ・テスラさんの言葉ですね。 7月10日はその誕生日。 生誕168年になるそうです。 私の本は、成功者たちに刺激を与えた 偉人たちの言葉を紹介したもの。 このテスラさんに刺激された方といえば、 会社名にもしていますね。 テスラ社のCEOであり、 宇宙ロケットを飛ばし続

    • 歴史入門49 表参道でできる「善光寺参り」

      画像の、こちら。 久しぶりですが、「善光寺参り」をしてきました! ……といって、 長野県にある善光寺ではありません。 表参道の交差点のすぐそばにある 「青山善光寺」というお寺。 「まさかそんなお洒落な場所に善光寺があるの?」と、 思うでしょうが、 れっきとした長野県の善光寺の 「東京支店」のような位置付けになる場所。 そもそもは江戸開闢後、 すぐ谷中に創建されたお寺が火事で焼けたあと、 今の表参道に再建されたわけです。1705年のことでした。 お寺はそれほど大きくはあ

      • 武士道入門37 なぜ武士たちは切腹をしたのか?

        新渡戸稲造さんは『武士道』の第12章には、かなりのページを割いています。 それだけ説明が必要な項目だと感じたのでしょうが、何かと言えば「切腹と仇討ち」です。 仇討ちはともかく、「切腹」と言えば、海外から見れば、いちばん「異常」 な武士の慣習。まさに当時の日本人を「アイツらおかしいんじゃないか?」と野蛮人扱いする、最大の要因になっていました。 だからこそ、新渡戸稲造さんは西洋人向けに書いた本で重視したのですが、そもそも、なぜ武士たちは切腹をしたのか? 彼は、明確に答えています

        • 賢者の言葉51 アメリカの偉人と『自助論』の偉人

          7月4日といえば、 アメリカの独立記念日でしたね。 1776年、 イギリスに統治されていたアメリカにあって、 「独立宣言」が議会で採択された日。 イギリスとの独立戦争を経たのち、 1783年のパリ条約をもって アメリカは正式な独立国家となりました。 そこで久々に紐解いたのが、 私が現代語訳している サミュエル・スマイルズの『自助論』です。 この本はあまりかの独立から76年後の 1859年にイギリスで出版された本。 世界中の「自助精神によって 成功をつかんだ人物」たちの

        賢者の言葉52 「未来を託してくれた人」へ感謝!

          歴史入門48 出来損ないで構わないから「自分の頭」で考える

          6月27日というのは、 「メディア・リテラシーの日」だったそうです。 つまり、メディアにとっては 「自分たちが発信する情報を見つめ直しましょう」 という日。 私たちの側では、「情報を鵜呑みにするのでなく、 正しく判断するように努力しましょう」という日です。 出版界で仕事をしている私には、重要な日ですよね。 そもそもどうして この日がそうなってくれるかといえば、 今からちょうど30年前、 あの松本サリン事件が起こっているんです。 もう記憶から飛んでいる人も多いのでしょう。

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          ブログ240630 傷ついても負けないアゲハの物語

          朝、ウォーキングをしているときですが、 目の前をヒラヒラ飛ぶ物体がよぎりました。 蝶かな……? 見ると、アゲハチョウのようです。 もう夏も近いな……なんて思うのですが、 よく見ると、どうもおかしい。 近くをヒラヒラ飛びながら、一向に遠くに行かない。 やけにスピードも遅く、 「飛翔している」というよりは、 落ち葉が舞っているように見える……。 試しにスマホを掲げたら、 写真も簡単に撮れてしまいました。 通常はこんな簡単に撮れないですよね。 写真には「保育者募集」のポスタ

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          武士道入門36 武士は「歌」でも勝負した

          武士たちは感情を押し殺し、悲しみや喜びをこらえ、どうしようもない絶望時にだけ、大笑いしたりした......。 ただ、どこかで自身の感情は、やはり発露したい。そこで『武士道』には、 こうあります。 「感情を抑えることが強く求められましたから、いにしえの日本人は、その安全弁として、詩歌の創作を見出しました」 そう、感情を表に出さない代わりに、和歌をつくって、その思いを詠んだわけです。 武士の人生を見れば、これから死ぬというときや、刀が体に刺さっていたり、 城が燃えてい

          武士道入門36 武士は「歌」でも勝負した

          歴史入門47 勝鬨橋の完成……決して「負の遺産」ばかりではないのかも

          6月14日は、墨田川にかかっている こちらの「橋」ができた日なんだそうです。 勝鬨橋……ですね。 日本にはほとんどない、下に船が通るときに 真ん中から割れて上に開く「跳開橋」。 ですが、その格好いい開閉の様子を 私は見たことがありません。 1970年に閉じてからずっと、 開いたことがない……とのこと。 貴重な開く様子のスライドショーは、 土木学会附属土木図書館のHPで再現されていますので、 そちらを参照してくださいませ。 この勝鬨橋に私は縁があり、 かつて渡った先に、

          歴史入門47 勝鬨橋の完成……決して「負の遺産」ばかりではないのかも

          歴史入門46 不運だった武士が、聖人になったきっかけ

          あらためてこちら、神奈川県にある 「川崎大師」ですね。 先日お参りに行き、 「久寿餅」を買ってきた話はしました、 この川崎大師、 正確には「平間寺」というお寺で、 平安時代の末の1128年に創建。 平間兼乗という人物が開山したお寺ですが、 その経緯を知っていたでしょうか? この平間さん、2020年には、 「ひらまくん」という 公式キャラにもなりました。 デザインは「せんとくん」で人気になった 籔内佐斗司さん。 自由にコピペできるようなので、 写真に貼り付けておきました(

          歴史入門46 不運だった武士が、聖人になったきっかけ

          ブログ240614 希望があるから……!!

          今日は母親を連れて、 糖尿病の内科に行ってきました。 前に通っていた病院の院長さんが 高齢で引退したため、 新しいお医者さんに変更。 しかも、家の近くのところに 通えることになったので、 非常に連れていく私もラクになりました。 ありがたいですよね。 それで新しくなった若いお医者さん、 真っ先にやろうとしているのが、 「薬の見直し」です。 今日は面談をしたのですが、 なんでも糖尿病の治療というのは、 その昔は 「何がなんでも血糖値を下げる」ということで インスリン注射を

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          歴史入門45 思い出の黒部ダム

          6月5日はこちらの「歴史的建造物」が、 完成した記念日なのだそうですね。 富山県の黒部ダム……です。 できたのは私も生まれる前、 1963年のことですから、 今年で61年目ということになります。 このダムを作ることが、 どれほど困難なことだったのか? 映画にもなっていれば、ドラマにもなっています。 それに何度もドキュメンタリーが放送されました。 7年という長い建設期間で、 たびたびの事故。 171人の死者を出しているそうですから、 今では考えられないことかもしれません

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          ブログ240606 「デザイン&イラスト事業」の再生に向けて

          今日は私たちの会社の事業の話ですが、 画像は、最近、イラスト&デザイン担当のWatanabeが、 気まぐれに描いてみたという 「朝顔の簡略スケッチ」に文字を重ねてみたもの。 絶対にうまくいく!……なんて、 信じられたら本当にいいですけどね(笑) 実は先日、 「夏川の執筆の事業ページを見直した」 という話をしました。 https://www.kenjabook.com/賢者の書店の事業/ 出版社さんからの仕事が少なくなっている現在、 もっと積極的にさまざまな分野に進出し、

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          賢者の言葉50 作家は食わねど高楊枝

           11刷の重版を記念して 『武士道』の第11章、「自制」の中の項目よりです。 「厳しい試練にさらされ、 人間本来の弱さがさらけ出されたとき、 日本人は、笑うことでそれに対処してきた」 私たちは生きていて、 自分の力ではどうにもできないことがある。 そんなときはレット・イット・ビーで、 運命に身を委ねるしかない。 不安ですよね。 これからどうなるか、とても心配になります。 で、そんなときにどうするか? 「笑う」んですね。 楽しいときに笑うのではない。 不安だからこそ笑

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          本の紹介33 武士道が「11刷」になりました!

          ずっとnoteでも紹介している夏川現代語訳の 『武士道』ですが、 なんと今回、11刷になりました。 出版に関してお世話になった 致知出版社さん、アップルシードエージェンシーさん、 本当にありがとうございます! すごいですよね。11回の重版なんて。 2012年から12年間も売れ続けている本。 素晴らしい仕事に、私も携われました。 新渡戸稲造さんが本を書いたころには、 世界にとっては「謎」であった日本人。 そんな武士道的な日本は、 この12年間の間で、かなり失われていったこ

          本の紹介33 武士道が「11刷」になりました!

          武士道入門35 武士が笑うときとは?

          新渡戸稲造『武士道』の「克己」の章では、「武士たちは感情を抑えた」という話を扱っています。 そしてこの慣習は、「日本人が欧米人と比べ感情を人前で発露しない」ことの要因になっているわけです。 そこで、新渡戸稲造さんは、武士たちの「笑い」について、このように言います。 「厳しい試練にさらされ、人間本来の弱さがさらけ出されたとき、日本人は、笑うことでそれに対処してきたのです」 そう、武士は面白いから、楽しいから「笑う」のではありません。 辛いとき、苦しいときこそ、「武士

          武士道入門35 武士が笑うときとは?

          本の紹介32 戦争論より〜なぜ戦争は、いつまでも終わらないのか?

          5月8日は、世界的には 「第二次世界大戦」が終わった日でした。 「ヨーロッパ戦勝記念日」、 「VEデー」と呼ばれる日ですね。 1945年の5月8日、 すでにドイツではヒトラーが自害していましたが、 権限を移譲された最高司令官同士が 「降伏文書」に調印することで、 正式にヨーロッパでの戦争が終わりました。 ただし太平洋方面では、日本はまだ8月まで 戦争を継続していました。 だから日本人から見れば、 この日はあまりピンと来ませんよね。 いずれにしろ「戦争の終わらせ方」という

          本の紹介32 戦争論より〜なぜ戦争は、いつまでも終わらないのか?