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賢者の言葉51 アメリカの偉人と『自助論』の偉人

7月4日といえば、
アメリカの独立記念日でしたね。

1776年、
イギリスに統治されていたアメリカにあって、
「独立宣言」が議会で採択された日。
イギリスとの独立戦争を経たのち、
1783年のパリ条約をもって
アメリカは正式な独立国家となりました。

そこで久々に紐解いたのが、
私が現代語訳している
サミュエル・スマイルズの『自助論』です。

この本はあまりかの独立から76年後の
1859年にイギリスで出版された本。

世界中の「自助精神によって
成功をつかんだ人物」たちのエピソードを
集めた内容ですが、
その中にアメリカ人はほとんどいません。

そりゃそうですよね。
イギリスにとっては自分たちの国に逆らって、
勝手に独立した国。
おまけにイギリスでは20年くらい前に
廃止している奴隷制度を、
今なお残している野蛮な国でもありました。
(アメリカの奴隷解放は1863年)

そんな国の著名人を偉人扱いして、
読者のイギリス人が喜ぶわけもありません。

にもかかわらず、
じつは「独立宣言」の起草メンバーであり、
独立の立役者でありながら、
「アメリカの偉人」として何度も紹介されている
1人の人物がいるんです。

それは初代大統領のワシントンではなく、
「ベンジャミン・フランクリン」という人物です。
どうしてかといえば、その評判からでしょう。

政治家であり、印刷業で成功した経営者であり、
「雷が電気であること」を解明した科学者であり、
世界的ベストセラーの自己啓発書の
著者でもあった人物。

不屈の精神で科学的な大発見をし、
不屈の努力で経営者として身を立て、
イギリスとの交渉を根気よく繰り返しきたことは
周知の事実でした。

だからイギリス人を読者対象にした「自助論」でも、
フランクリンは最高にリスペクトされて
その考え方が紹介されているんですね。

なんといってもフランクリンで有名なのは、
「13徳目」と呼ばれるもの。
Wikiから紹介すると、次の要素ですね。

1 節制……飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ
2 沈黙……自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ
3 規律……物はすべてところを定めて置くべし。仕事はすべてときを定めてなすべし。
4 決断……なすべきをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
5 節約……自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
6 勤勉……時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行ないはすべて断つべし。
7 誠実……詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出すこともまた然るべし。
8 正義……他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
9 中庸……極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
10 清潔……身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
11 平静……小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
12 純潔……性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行ない、これにふけりて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
13 謙譲……イエスおよびソクラテスに見習うべし。

ぜひ参考にしてみてください!

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