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第2章レイプ事件直後の精神状態

(事件の時の出来事は書いていたのだけど、その後について書いていなかった。というのも私の人生は本当に色濃過ぎて、書き終わったころにはシーズンいくつまでになるんだ?と思って。
ちょうど最近インタビューを受けることがあった。それで事件後の精神状態やトラウマについて詳しく述べなければいけないので、ここを活用させていただく。)


もしこれを読む方々がいるとしたら、「レイプされた」ってどういう精神状態になるとお思いでしょうか?



「男の人が怖く感じてしまう」

「家から出られなくなる」

「頭がおかしくなってしまう」

「されたことがないから想像できない」

こうお思いになりますでしょうか?

もちろんこのようなこともありますが、これ以上はご自身の想像の範疇を超えてしまうと思うともし思う人がいるということは、

それだけ「被害者の声が届かない」、「声を出せない環境である」、
「声を出すということですらかなりのハードルがある」ということ

でもあります。

今では自分の経験を人様にお話しすることが出来るようになった私ですが、
これを書いているのも事件から20年も経った今の事です。

そのことを踏まえてお読みになって頂けたら幸いです。


※↓事件当日の事はこちら↓
https://note.com/natsu_pearl/n/nab506becbde3?magazine_key=m6210fca3dbef


事件直後のわたし

は一言でいえば、

「放心状態」でした。

警察の事情聴取を終え、自宅に帰ったときも1日があまりに長く感じました。

いつも通りに宿題をやって、家に帰って次の日また学校に行く予定が、
自分の身に何が起こったのかわからず、警察に連れていかれ、バタバタとした1日ただただ放心状態でなすがまま。

次の日は
さすがに同じ道を歩かせるのも心配だったのか、私が嫌がったのか定かではありませんが、母が車で学校まで送迎してくれました。

意外にも不登校になってしまうということは私の場合ありませんでした。
いきなり何もなかったかのように普通の日常に戻されたような感じ。

家族も特に変わりなく事件の事についてはその時から今の今まで触れられたことはありません。いつも通りでした。
内情は知りませんが、きっとできるだけその話題を避け日常を壊さないようにしてくれたのだと思います。

学校にいくといつも通り、体育館で全校朝会がありました。
その前に担任の男の先生と、女の先生から「ちょっといいかな」と個別に廊下の片隅に呼び出されました。

「今から全校朝会でみんなの前でそのことについて話すけど、大丈夫?辛そうなら出席しなくても大丈夫だけど。」

いつも明るい先生がこんな悲しそうな複雑な表情を見たのは初めてでした。

「なんと言ったらいいのかわからない」、「私の事が心配という気持ち」、それに少し「許せないという隠しきれていない込み上げてくる怒り」の表情も見えました。

それでも、皆に変に思われたりするのが嫌で出席することにしました。
正直、次から次へ普段と違うことが飛び込んできて、自分でどうこう考える余裕がなかったので、なすがままでした。

「体調悪くなったりしたら無理しないで先生に言ってね。」

全校朝会校長先生「昨日近くで不審者がいました。皆さん登下校は気を付けて一人で帰らないように。~~~」

私「あ、私も事だ。ああ、だから先生たち私に言ってきたんか。」

一瞬自分のことが全校生徒の前で話されびっくりしましたが、
割と冷静でした。

私「ああ、、よく全校朝会で不審者の話でるよね。
まさか、それが自分の話なんだ。不審者捕まってないんだ。友達が同じ目に遭ったらどうしよう。怖い。」

この時は「犯人」という概念はありませんでした。
「変な男の人」「そこらへんにいるひと」「男の人」というだけで。
事件の「犯人」という認識を持てたのは事件から1年程かかったと思います。

だって、

「何が犯罪で、どこまでやったら犯罪で、やってはいけないことなのか知らなかったから。」

「人を殺したら犯人」、「ものを盗んだら犯人」「黒ずくめの男は犯人」
くらいの認識しか持ち合わせていなかったんです。

こう書いてみるとなぜ小さい時から包括的性教育が必要だと言われているのかが見えてきますね。(包括的性教育は防犯も含まれます)

そしてこれは、性被害に遭ったことのある大人の女性もわかるかもしれませんね。

私は偶然にも小学生で、見知らぬ人で、親が犯罪の認識を持っていたという「恵まれていた」ケースだったからこそ、警察に繋がることにもなったし、
世間にこのことを話しても「色目を使ったんだろ」「服装が派手だったんだろ」「そいつと会った自分が悪いだろ」なんて言葉は降ってこないけど、
大人になって経験した性被害は今でもまだうまく話せないし、警察にいくことも出来ませんでした。今も野放しです。
それは警察にいくことが怖かったのも少しありますが、



それ以上に「犯人」という認識がなかったからです。


「話したことがある知人や、仲いい人」が=「犯人」になる
ということは、
私含め、加害者、被害者、多くの人が勘違いしている部分なのではないでしょうか。

自分の認識が違えば犯罪をする側にも、被害に遭う側にも容易になりえます。

大人になってからの性被害は、知人からの犯行が多く検挙に繋がらないのもこの部分が大きいでしょう。


この部分は自分を含めた、自分の大切な人を守ることに繋がるので是非知っておいていただけたと思います。

話を戻すと、

事件直後の精神状態ではいくつか普通と違うなということがありました。


①男性の目が黒く塗りつぶされて見えるようになった

これは性被害に遭った人が皆こうなるというわけではありませんが、
このような不思議なことがおこりました。

母と近くのショッピングモールを訪れたとき、店員のお兄さんの目が黒く塗りつぶされて見えたのです。じーっとこっちを獲物を狙うかのように見ていて、白目がないんです。
お母さんに「あの人みて。怖い。目が。。」と言いましたが、
母には「え?何が?普通だよ?」と言われ、

「わたしだけが見えてるんだ。」とWで怖くなりました。

私にはその男の店員さんは普通の人ではなくて、
「獲物を狙う人間ではない動物のような何か」でした。
大人の男の人は先生も父もこう見えていました。

黒い目は一カ月ほどで見えなくなりましたが、
いつどこで狙われるかわからない恐怖感は、今でも続いています。



②初めての性行為で嘔吐

初めて中学2年生で1個上の彼氏が出来たとき、塾のトイレに誘われて、
事件以来初めてのキスと前戯をされ、フェラもしました。

その時は相手も「早く経験を積みたい」という思いがあったのだと思います。

何のムードも技術もない行為は苦痛でしかありませんでしたが、
相手が満足するまで待って、愛想笑顔でその場を後にしました。

帰り道は痛いまんこを保護するように蟹股で歩きました。

彼氏からメールが来ても返す気になれず、思い出すと、思わず吐き気が体の奥の方からこみあげてきて嘔吐しました。

「なんで、、、なんで私こんなことで嘔吐してるんだろ、、」
「わたしまだ治ってないのかな、、、誰にも相談できないし、こんな症状わかる人なんていないし、、、」
みじめな自分に悔しくて泣きながら吐きました。

「だれか助けて、、おえ、、」

それから、その彼氏も前のように、黒い目と獣が出現し別れた後も廊下で
すれ違うたびに本当に怖かったです。
だし、一生治らないのかもしれないし、
「付き合うたびに相手を傷つけてしまうのではないか」と自分自身が怖くなり、本当に苦しみました。

ほんのつい最近まで、この現象に悩んでいましたが、SNSが発展したのもあって、このような嘔吐症状は性被害に遭った人だけではないことがわかりました。

③分離した自分

分離というのは、よく聞く症状かもしれません。
空中にもう一人の自分が幽体離脱みたいにいて、その場をすごく客観視しているようなそんな感じ。

今調べたら、性被害以外にも、かなり強いストレスがかかったときになりやすいらしい。
私が知っている集団レイプされた女性もこのような症状があった。


性被害に限らず虐待もしかりなのだが、直後の症状、ばかりがフォーカスされがちだが、段階によって苦しむ症状は違う。
何年も経ってから出ることも多い。
ここに列挙したものは一部分の特殊なものであって、中学生の時、高校生の時、大学生の時、社会人の時、恋人が出来たとき、ニュースを見たとき、
地元に帰るとき、事件現場を通るとき、想い出してしまう人やものを見たとき、色んな苦しみがある。

性被害というのは、「魂の殺人」
と言われるくらい一生のものなのだ。

ということをここに記しておく。

https://note.com/natsu_pearl/n/n457f64fb7935


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