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【逆ソクラテス】伊坂幸太郎さんから学ぶ

今日は伊坂幸太郎さんの作品をご紹介します。
伊坂さんは私の読書人生を変えた一番最初の推し作家で、ミステリー小説の面白さ、複線回収の爽快さを教えてくれた作家さんです。

簡単にご紹介すると、日本の小説家(主にミステリー)、在住の宮城県仙台市が舞台の作品が多い、複線回収が圧巻、別の作品で登場人物がリンクしていることもある、などなど。
下記の写真にも写りこんでいますが、私と伊坂作品との出会いは確か2008年ごろ。第5回本屋大賞受賞作の「ゴールデンスランバー」を読んで、あまりの面白さに衝撃を受けたのがきっかけです。(当時は本屋大賞という存在すら知らなかった頃です)
その後映画化され、主演を演じた俳優の堺雅人さんを劇場で初めて知りましたw 

私の読了済み伊坂作品は、オーデュボンの祈り、ラッシュライフ、重力ピエロ、アヒルと鴨のコインロッカー、チルドレン、グラスホッパー、死神の精度、週末のフール、フィッシュストーリー、ゴールデンスランバー、オー!ファーザー、マリアビートル、首折り男のための協奏曲、アイネクライネナハトムジーク、サブマリン、AX、ホワイトラビット、逆ソクラテス、マイクロスパイアンサンブルの19作です。きっと。
残念な事に、若いころ断捨離でいっきに本を売却した時期があり、何冊か手元にありません…(泣) いつか買い戻したいです…

話が脱線してしまいましたが、今日紹介したいのは伊坂作品の中でも残虐なシーンゼロ、子どもにもオススメな『逆ソクラテス』です!

逆境にもめげず、簡単ではない現実に立ち向かい、非日常的な出来事に巻き込まれながらも、アンハッピーな展開を乗り越え、僕たちは逆転する!(帯紹介より引用)

ずっと文庫化を待っていたんですが、なかなかされず、しびれを切らして購入したとたんに文庫化されました…
5つの短編からなる、全276ページ(単行本の場合)です。
舞台の中心は小学校。そういう点でも、小学生、その保護者、教師、みんなにオススメしたい1冊です。なんなら、図書室に置いてほしいくらいです。

※下記、本書より引用

「『この生徒は駄目な子だ』って思い込んで接していたら、その生徒が良いことをしても『たまたまだな』って思うだろうし、悪いことをしたら『やっぱりな』って感じるかもりれない。予言が当たる理屈も、これに近いんだって。それくらい先生の接し方には影響力があるってことかも。」
ーーー「敵は、先入観だよ」
ーーー「決めつけ、のことだよ」

P.24【逆ソクラテス】

「学校で習うことは、教科書やテストのための勉強じゃないんだ。それとは違う、答えのはっきりしないことについて学んでほしい。だから、みんなにも考えてほしい。わざと、周りの人に迷惑をかける誰かがいたら、どうやってやめさせればいいんだろう」

P.157【非オプティマス】

上記の問について、先生が参観日で子どもと保護者の前で話した内容が、本当に的を得ていて、私が今まで教わってきたことの中で、一番納得のいく内容だと感じました。
暴力が良くない理由、本当に分かりやすかった!そんな視点で考えたこと無かったです。

「相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない」

P.159【非オプティマス】

「評判がみんなを助けてくれる。もしくは邪魔してくる。大きくなっても関係してくる。
ーーー先生にばれなかったとしても、他の同級生はそのことを知っている。
ーーーもし平気で他人に迷惑をかける人がいたら、心の中でそっと思っておくといい。可哀想に、って。」

P.160【非オプティマス】

「どんな相手だろうと、親切に、丁寧に接している人が一番いいんだよ。じゃないと、相手が自分の思っているような人でないと分かった時、困るし、気まずくなる」

P.163【非オプティマス】


この作品は本当に読んで良かったです。大切な1冊になりました。
特に【非オプティマス】の章は、読後、素晴らしい講演を聞いた後のような感覚になりました。
あまりにもオススメしたくて(本好きあるある…)、当時小学6年生だった娘に激推しして読んでもらい、「めっちゃ面白かった!」をいただきました(笑)


そして、昨年初めて参加した『ブックサンタ2023』で、自分のお小遣いで逆ソクラテスの文庫本を寄付していました!

※『ブックサンタ』とは…
NPO法人チャリティーサンタが全国の様々な困難によって体験格差を抱える子ども達に本を贈るため、2017年に書店と連携してスタートした社会貢献プロジェクト。
本を贈りたいと思った人が本を買うと、チャリティーサンタをはじめとした全国数百のNPOを通じて、子ども達への本のプレゼントが届きます。

ブックサンタ公式HPより引用

書店レジで贈りたい本を購入→「ブックサンタでお願いします」と伝える→書店員さんが本を預かり、事務局に送られるシステムです。
※加盟店や期間、その他の寄付方法など詳しくは公式HPへ


娘が選んで贈ったこの本が、届いた子どもの未来を明るくしてくれていると嬉しいです。



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