🦷母親が自力で歯医者に行ってきた 4/7(金)
まだまだ仕事で忙しい年度はじめ、夕方に実家に行くと、一人暮らしの母親が愚痴ってきた。
「流しが詰まってから、谷口さん(仮)を呼んだとよ。
五千円でいいって言うから、直してもらった。
パイプ外してなんかしよったよ。」
…いや、その人の本業は、外壁塗装では?
三河屋さんのように出入りしているから面識はあるが、裏の怪しげなフェンスもその人だよな?
ある種、専門でもない人に水道工事頼んで不安しかないが、漏れたら本職呼ぶしかない。
今日も母はなかなかボケが進んでいる。
そのあと、突然客間に来て、人に向かって懐紙を突き出した。
「あんた、これ、買っとってくれん。
もう残りが少ないとよ。」
母は茶道などしていない。
懐紙が実家のあちこちに点在しているのは気づいていたが、亡き伯母の家から持ってきた物品類の中にあったらしく、まあ特に注意は払っていなかった。
それが何故突然?
「これが、デイサービスに行って、歯磨きするときに入れ歯外すやろ。
入れ歯置くのにちょうどいいとよ。」
まさかの入れ歯置き。
懐紙の製造会社も入れ歯おきにされているとは思っておるまい。
ついでに、母に頼まれて買い増していたワンタッチパッドを何故か客間に持ってくる。
何かと思ったらおもむろにそこで膝の絆創膏の貼り替えを始めた。
何故ここでする?
自室でしろ。
が、膝を見てちょっと驚く。
結構剥けてた。
そして最後に、鏡を見た母は唐突に歯のことを思い出したらしく,にかっと歯を剥き出してきた。
歯がある。
というかどう見ても左右の歯に接着している。
母はタクシーを呼んで自力で歯医者に行けたらしい。
今後もスパルタで行けば、行きたいところには自力で行くのではないか?と認識したのだった。
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