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それは だれにも わからない

 わたしのことを、愛してくれますか?

 なんて、そんなこと、口にしたところで意味のないことはわかっています。

 求めても、求められても、それがたとえ、本当でも、真実であったとしても、嘘でも、虚妄であったとしても、たいして変わりはありません。変わりがないことは、わかっています。

 わたしは、あなたから、そんなこと、求めてなんて、いません。

 ……ううん。

 求めたって、仕方ないのです。

 あなたがわたしを愛していないことなんて、知っています。

 そんなくだらない言葉で穢してほしくもありません。

 口から、どんな言葉を聞いたって、どんな声色であったって、そんなものに価値なんてない。

 そんなことでしか確かめられないものであれば、それはないに等しいもの。

 そんなことは、わかっています。

 それでも、それでも……。

 あぁ、わたしは、どうしたらいいのでしょう。

 そんなくだらない言葉で、あなたを穢してしまいそうで、嫌になります。

 わたしは、どうしたら、いいのでしょう。

 だれか、おしえて。たすけて。

 ……なんて、そんなこと。

 そんなこと、思っているなんて。

 やっぱり、わたしには、その資格はないのでしょう。

 さようなら、あなた。

 さようなら、わたし。

 そうして、身勝手に、目の前から消えてしまいそう。

 あぁ、わたしは、どうしたら、いいので、しょう、か。


いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。