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今日の一言

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2016年3月の記事一覧

「軽い気持ちには注意」軽諾必寡信

軽諾は必ず信寡し
―軽諾必寡信―

[原文](老子 徳経 恩始第六十三)
軽諾必寡信。多易必多難。

[書き下し文]
軽諾(けいだく)は必ず信寡(しんすくな)く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。

[原文の語訳]
安請け合いは信用しづらい、容易とされることの多くは実は難儀なことが多い。

[解釈]
「軽諾寡信(けいだくかしん)」の由来です。

なんでも安請け合いしてしまって、後からできなかったで

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「同じ轍を踏まないように」前車覆、後車戒

前車の覆るは後車の戒め
―前車覆、後車戒―

[原文](漢書・賈誼伝)
前車覆、後車戒。

[書き下し文]
前車の覆(くつがえ)るは後車の戒め。

[原文の語訳]
前の車がたおれるのは、後の車への戒めである。

[解釈]
覆車之戒(ふくしゃのかい)の由来。先人の失敗は、後の人の教訓になるということです。

「覆」には倒れる、ひっくり返る意外に、繰り返す、知らせるという意味もあるので、「先人の知らせ

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「千里眼を持てるように」世有伯楽、然後有千里馬

世に伯楽あり、然る後に千里の馬あり
―世有伯楽、然後有千里馬―

[原文](文章軌範 / 韓愈 雑説四)
世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。

[書き下し文]
世に伯楽有りて、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。

[原文の語訳]
世の中には伯楽(馬の鑑定名人)がいてこそ、日に千里を走る馬がいる(のが見出される)。千里の馬となる素質をもった馬はつねにい

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「欲の断捨離を」有欲則無剛

欲あれば即ち剛なし
―有欲則無剛―

[原文](近思録)
有欲則無剛。

[書き下し文]
欲あれば即ち剛なし。

[原文の語訳]
欲があるのは節操を曲げない徳の義がないということ。

[解釈]
欲しい気持ちがあると、断ち切る決断ができないということ。断捨離ができないということですね。

私欲があるとどうしても妥協してしまい、断固たる態度を取ることができなくなります。

「これでやめておこう」という

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「逃げ腰ではいけない」臨難毋苟免

難に臨んでは苟も免れんとするなかれ
―臨難毋苟免―

[原文](礼記 曲礼・上)
臨財毋苟得、臨難毋苟免。

[書き下し文]
財に臨みては苟(いやしく)得んとすることなかれ、難に臨んでは苟も免れんとするなかれ。

[原文の語訳]
金品に対しては軽々しく欲しがってはいけない、困難に対しては簡単に逃げようとしてはいけない。

[解釈]
逃げ腰な姿勢ではいけないということです。

困難の問題解決が次のス

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「制限を知った上で自由と責任を」法三章耳

法は三章のみ
―法三章耳―

[原文](史記 高祖本紀)
法三章耳。

[書き下し文]
法は三章のみ。

[原文の語訳]
法律は三ヵ条のみとする。

[解釈]
前支配国のもとで苛烈だった法律を廃止し、殺人、傷害、窃盗の三罪のみ罰することに定めるとした故事が由来です。

あまりルールや規則が厳しすぎると息が詰まってしまったり、人というのは抜け道を探したくなるものです。

三罪は罰しないという寛容さは

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「言動は大事に」言行君子之枢機

言行は君子の枢機なり
―言行君子之枢機―

[原文](易経 繋辞伝・上)
言行君子之枢機。枢機之発、栄辱之主

[書き下し文]
言行は君子の枢機なり。枢機の発は、栄辱の主なり

[原文の語訳]
言行は君子の要(大切なところ)である。その如何が栄誉と恥辱の主体となる

[解釈]
リーダーにとって言動は重要な資質で、その言動が栄誉と恥辱の要因となるのです。不適切な言動は組織を危機へと向かわせてしまうの

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「驕りは損するだけ」満招損、謙受益

満は損を招き、謙は益を受く
―満招損、謙受益―

[原文](書経 大禹謨)
満招損、謙受益、時乃天道。

[書き下し文]
満は損を招き、謙は益を受く、これ乃ち天の道なり。

[原文の語訳]
驕りは損失を招き、謙虚は利益を受ける、これはつまり天の道理である

[解釈]
満ちてしまうと後は欠けるのみです。戒めとしたいところです。

「慢心を諫め絶え間ない努力こそが会社経営の根本精神」としてカネボウの社

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「恨み返さず寛容に」報怨以徳

怨みに報いるに徳を以ってす
―報怨以徳―

[原文](老子)
報怨以徳。

[書き下し文]
怨みに報いるに徳を以ってす。

[原文の語訳]
怨みに対し仕返しではなくあたたかく接するべきである。

[解釈]
「恨んでいても徳で向き合う」と寛容な心で対応せよということです。確かに「目には目を、歯に歯を」では復讐の繰り返しになってしまうだけです。

野球でも味方の選手が死球を受けると、ぶつけ返して乱闘騒

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「小さな気の緩みが大事に」患生于所忽、禍起于細微

患いは忽せにする所より生じ、禍は細微より起こる
―患生于所忽、禍起于細微―

[原文](説苑(ぜいえん))
患生于所忽、禍起于細微。

[書き下し文]
患いは忽(ゆるが)せにする所より生じ、禍は細微より起こる。

[原文の語訳]
患いはおろそかにするところから生じ、禍は小さいことから起きる。

[解釈]
患いはちょっとした気の緩みから生じて、小さなほころびが大きな事故が引き起こすのです

病気の原

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「小さな富は自己満足から」大富由命、小富由勤

大富は命に由り、小富は勤に由る
―大富由命、小富由勤―

[原文](俚諺)
大富由命、小富由勤。

[書き下し文]
大富(だいふ)は命に由り、小富(しょうふ)は勤に由る。

[原文の語訳]
大きな富は運命によって得るが、小さな富は勤勉や勤労によって得ることができる。

[解釈]
資産家に生まれたのは運命。大きな資産を得ることができるような事業を成す人は天命によるもので、自らが満足できる富は勤勉や勤

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「貧しい気持ちを口外しない」貧而無怨難、富而無驕易

貧しくして怨むなきは難く、富みて驕るなきは易し
―貧而無怨難、富而無驕易―

[原文](論語 憲問第十四)
子日、貧而無怨難、富而無驕易。

[書き下し文]
子日く、貧しくして怨むなきは難く、富みて驕(おご)るなきは易し。

[原文の語訳]
孔子が言う、貧乏を怨まないというのは難しく、富裕でも驕らないのはたやすいことである。

[解釈]
どうしても周りと比較して自分の生活水準が劣っていると思ってし

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「まずは人心一致から」天時不如地利、地利不如人和

天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
―天時不如地利、地利不如人和―

[原文](孟子 公孫丑章句上)
天時不如地利、地利不如人和。

[書き下し文]
天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず。

[原文の語訳]
天からの機会も土地の有利さには及ばず、土地の有利さも人の和合には及ばない。

[解釈]
成功するためにはタイミングや優劣よりも人の調和が最重要ということです。

事業をす

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「この人のためならと言われるくらいに」士為知己者死

士は己を知る者のために死す
―士為知己者死―

[原文](戦国策 / 史記 刺客列伝 豫襄)
士為知己者死。

[書き下し文]
士は己を知る者のために死す。

[原文の語訳]
男子は自分の価値を認めてくれる人のためには命を投げ出してでも応える。

[解釈]
自分を認めてくれる人には「この人のためなら死んでもいい」ということ。ただし憧れなど相手が自分を知らないような一方的な片思いでは無駄死になってし

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