マガジンのカバー画像

今日の一言 4冊目

100
今日の一言 4冊目
運営しているクリエイター

2016年12月の記事一覧

「何事も要因は自分」君子求諸己

君子は諸を己に求む
―君子求諸己―

[原文](論語 衛霊公第十五)
子曰、君子求諸己、小人求諸人。

[書き下し文]
子曰く、君子は諸(こ)れを己に求め、小人(しょうじん)は諸れを人に求む。

[原文の語訳]
孔子が言う、君子は事の要因を自分に求め、小人は要因を他人に求める。

[解釈]
君子は何事も受け入れて責任を持つとともに反省するということです。

できる人は、良いことも悪いことも一旦受け

もっとみる

「窮地での釈明は悪化のもと」尚口乃窮也

口を尚べば乃ち窮するなり
―尚口乃窮也―

[原文](易経)
有言不信、尚口乃窮也。

[書き下し文]
言うこと有るも信ぜられず、口を尚(たっと)べば乃ち窮(きゅう)するなり。

[原文の語訳]
言っても信じてもらえず、口先に頼ることは困窮することになる。。

[解釈]
苦し紛れに言ったことが逆に追い打ちをかけることになるということです。言い訳や釈明に受け取られるだけということです。

窮地を脱し

もっとみる

「乗る準備をしておく」附驥尾

驥尾に付す
―附驥尾―

[原文](史記 伯夷伝)
顏淵雖篤學、附驥尾而行益顯。

[書き下し文]
顔淵は篤学なりと雖も、驥尾に付して行い益々顕る。

[原文の語訳]
顔淵は学問に励んだが、駿馬の尻尾に付くことで益々名を世に広めた。

[解釈]
駿馬の尻尾に付くといいうことで、優れたものに付き従い自分の力以上の事を成し遂げることです。

顔淵は学問に励んでいたが、それだけでなく孔子に学んだことによ

もっとみる

「風を読んで準備する」樹堅不怕風吹動

樹堅ければ風の吹き動かすも怕れず
―樹堅不怕風吹動―

[原文](北風吹)
樹堅不怕風吹動、節操稜稜還自持。

[書き下し文]
樹堅ければ風の吹き動かすも怕(おそ)れず、節操稜稜たればまた自ら持す。

[原文の語訳]
しっかりした樹は風に吹かれてもおそれない、しっかりとした意志があれば自分を維持できる。

[解釈]
しっかりと根付き幹がしっかりとしている木は風に吹かれてもびくともしない、人も軸がし

もっとみる

「軽視しない」欲刮目視之

欲く刮目して之を視る
―欲刮目視之―

[原文](北史)
欲刮目視之。

[書き下し文]
欲く刮目して之を視る。

[原文の語訳]
よく目をこすってこれを視る。

[解釈]
物事を観察にするには固定概念を外さなければいけないということです。

普段、目をこすって見るには驚いて二度見するときくらいでしょうか。

人は3日会わなければ大きく成長するものです。三国志でも呂蒙は魯粛に「士別れて三日ならば、

もっとみる

「まず学ぶことから」一則明、明則有功

一なれば則ち明、明なれば則ち功有あり
―一則明、明則有功―

[原文](二程粋言)
君子之學貴乎一。一則明、明則有功。

[書き下し文]
君子は学を第一と貴ぶ。一は則ち明、明は則ち功有り。

[原文の語訳]
君子は学ぶことを第一に大事にする、学びを第一にすれば聡明となり、聡明になれば功績につながる。

[解釈]
何事も学ぶことを優先すれば理解できるようになり、理解できれば成果は上がるということです

もっとみる

「最前線には立たない」吾不敢為主而為客

吾敢えて主と為らずして客と為る
―吾不敢為主而為客―

[原文](老子)
用兵有言、吾不敢為主而為客、不敢進寸而退尺。

[書き下し文]
兵を用うるに言あり、吾敢えて主と為らずして客と為る、敢えて寸を進まずして尺を退く。

[原文の語訳]
用兵にある言葉に、自分から敢えて主体とならずに受け身となり、敢えてちょっとでも進もうとはせず後退せよ。

[解釈]
自分が中心となって行動しようとせず、受け身に

もっとみる

「邪悪に負けないように」妖不勝徳

妖は徳に勝てず
―妖不勝徳―

[原文](十八史略)
妖不勝徳。

[書き下し文]
妖は徳に勝てず。

[原文の語訳]
妖しさは徳には勝てない。

[解釈]
邪悪さは徳には勝てない。正しい徳を身につけていれば、怪しい現象に負かさせることはないということです。

素直な人が詐欺に引っかかってしまうのは、残念ながら徳が足りてないということになるのかもしれません。徳があればそういう時に周りから自然と適切

もっとみる

「一歩一歩着実に」不躓於山、而躓於垤

山に於いて躓ずかず、垤に於いて躓ずく
―不躓於山、而躓於垤―

[原文](韓非子 六反)
不躓於山、而躓於垤。

[書き下し文]
山に於いて躓(つま)ずかず、垤(てつ)に於いて躓ずく。

[原文の語訳]
山に躓かないが、蟻塚に躓く。

[解釈]
大きなことや目立つことには注意するが、小さなことは見落として失敗しがちということです。

灯台下暗し、足元の注意を怠ってしまいがちです。

きれいに盛り付

もっとみる

「手抜きしない」道雖邇、不行不至

道は邇しといえども、行かざれば至らず
―道雖邇、不行不至―

[原文](荀子)
道雖邇、不行不至。

[書き下し文]
道は邇(ちか)しと雖(いえど)も、行かざれば至らず。

[原文の語訳]
道は近いといっても、行かなければ到着しない。

[解釈]
近いといっても行かなければ到着しない。簡単だからといってもやらなければ結果は出ないということです。

「いつでもやれる」といって放置しておいては、いつま

もっとみる

「再再考までは必要ない」三思而後行

三たび思いて後これを行う
―三思而後行―

[原文](論語 公冶長第五)
三思而後行。子聞之曰。再斯可矣。

[書き下し文]
三たび思いて後これを行う。子之を聞きて曰く、再びせば斯れ可なり。

[原文の語訳]
何度も思い描いてからこれを行なう。孔子はこれを聞いて言う、二度繰り返せばよい。

[解釈]
「三」は「たくさん」という意味があることから、何度も思い描いてから実行に移すということです。ただし

もっとみる

「素直に無知を認める」迷者不問路

迷える者は路を問わず
―迷者不問路―

[原文](荀子 大略編 五十四)
迷者不問路。

[書き下し文]
迷える者は路を問わず。

[原文の語訳]
迷う者は道を尋ねない。

[解釈]
道に迷うような人は、知る人に道を聞かずに進んでしまうということです。

知っている人に尋ねることをしないで結局迷ってしまっては無駄が増幅されるだけです。

無知の知を自己認識し、周りに対して素直に助けを求めることも必

もっとみる

「勢いはいつか止まるもの」兵驕者滅

兵の驕る者は滅ぶ
―兵驕者滅―

[原文](漢書)
兵驕者滅。

[書き下し文]
兵の驕る者は滅ぶ。

[原文の語訳]
兵に驕る者は滅びる。

[解釈]
兵の勢力に驕っている者は滅びるということです。

数の力に任せたり、世間の風まかせに乗じているような勢力にはやがて衰退していきます。

圧倒的な支援者は失言や誤った言動によって一瞬にして反対勢力へと変貌するのです。

業績が良いからと多角経営に乗

もっとみる

「繰り返しの大切さ」日習則学不忘

日に習えば則ち学忘れず
―日習則学不忘―

[原文](中論)
日習則学不忘。

[書き下し文]
日に習えば則ち学忘れず。

[原文の語訳]
毎日習えば学んだことは忘れない。

[解釈]
毎日学習していれば基本となる学問を忘れることはないということです。

学んだことは繰り返し復習することで血肉となっていくのです。

失敗したことを折りに触れ思い出していれば、そこから学んだことを忘れることはありませ

もっとみる