かっこいい大人は「適当」に生きているみたいだよ。
13歳の私へ
こんにちは。10数年先を生きる私が、13歳の今を生きる君へ手紙を書いてみました。
君はあと10数年生きると、自分が何歳かも分からないような、わけのわからない大人になってしまうんだ。そこだけは先に伝えておくね。
君は今、とても孤独に、でも負けてたまるかという気持ちで自分を奮い立たせて生きているよね。
田舎の片隅の中学校。
クラスの半数以上に突然、露骨な嫌がらせをされるようになって。上下関係だけ押し付けてくる「先輩」と、仲良しごっこをしているだけの「同期」がうっとうしくて、大好きだったはずのバスケ部にも居場所を見いだせなかった。
あんなやつらに負けてたまるかって、昼休みは図書館で本を読むか、一人で体育館の片隅でシュートを打っている君。本当にすごいよ。尊敬するよ。
そんな君にもやっぱり限界はあったみたい。今度は謎の体調不良に悩まされている。
でもさ、頭痛と吐き気が何カ月も続いているのに、学校に通うことをやめていないって、すごいことじゃない?
君のおかげで、私はその後高校や大学、社会で素敵な人たちに出会えた。丸1年、辛かったのに、それでも頑張ってくれてありがとう。こころからの感謝を伝えさせてください。
最後に、20数年生きてみて分かったことを君に伝えるよ。
それは、かっこいい大人はみんな適当でに生きているということ。全力で遊んでいるということ。
何をもって大人なのかは正直、いまだに分からない。でも、私が尊敬する人たちはみんな、適当に生きているんだ。
適当ってなんだか手を抜いているみたいで、13歳の君には許しがたい概念だよね。ただ、漢字をよく見てごらん。適していて、当たっている。それが適当なんだよ。
手を抜くことを忘れると、いつの間にか肩肘はって、身動きがとれなくなってしまうようなんだ。全力でやるべきことを見極めて、適したタイミングで力を発揮する。それこそが適当ってことなんじゃないかな。
君は今、本当に毎日全力で生きている。勉強と、バスケと、生きることで精いっぱい。両親が適当な人たちだったから、周囲の大人の皆さんに支えてもらったから、なんとか生きられている。そしてそのことも理解していて、より一層全力で生きようとしている。
大丈夫だよ。
君は思っている何百倍も強い。ものすごい可能性をもっている。だから適当でいいんだよ。できるだけ早くに、適当な生き方を身につけてね。
あ。ちなみに今の私はだいぶ適当にはなっているけど、まだまだかっこいい大人にはなれてないや。
困ったものだけど仕方ない、一緒に歩んでいこうか。
10数年後の私より
20210926 Written by NARUKURU