なるくる

日々のことを書いています。たまに写真とイラスト。

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マガジン

  • 描く。えがく

    クレヨン、色鉛筆、サインペン、水性ボールペンを使っています。

  • 某月某日

    日記。記憶を記録に変える場所。

  • ゴールのないエッセイ修行

    考え練った文章。エッセイってなんでしょうか。

  • とりあえず残しておきたくて

    日記よりは長く頭のなかに留めていたもの。文章と写真。

  • わたしの宝箱

    いいなあと思う服飾、インテリア、雑貨、本、まちなど紹介。

最近の記事

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そばかす/蘇畑佳純(三浦透子)

    • 一生懸命、粛々と

      某月某日 朝、目覚めたら8時だった。 7時にセットした目覚ましに気づかなかったことに動揺する。 年度末に向けて細々とした対応事項があって、それらを終えていくためにいつもなら一息つくところを省いたり、ちょっと就業時間を伸ばしたりして、やりくりする日々が続いている。 ひとつひとつはたいしたことないし、一過性のことなのでまあ大丈夫なのだけど、疲れるものは疲れる。 私はそこそこ早起きできるけど、心身のスイッチがオンになるまでたっぷりと時間をつかいたい派。在宅ワークかつ9時半始業

      • 知らない「ユミさん」

        「知っているよ?だってお母さん、瀬尾まいこの本は全部読んでるもの」 もういいでしょう?と言わんばかりの調子で、これぞと思っていた話題はさっさと切り上げられてしまった。いつも話が長い人なのに。呆気にとられる。 ・ 母から「スマホのアプリについて聞きたいので、電話の時間をつくってください」とLINEがきた。50歳を過ぎてからスマホ(というか携帯電話。それまで携帯をもっていなかった)デビューした母。私に「教えてくれ」という内容が少しずつ高度になっていくのを見て、適応能力が高い

        • 、の後

          涙が溢れてくる。 今日の予定にソワソワしながら洗濯機を回し、掃除をする。出かけるのは昼ころだから、まだ時間に余裕がある。しばらく続いていた肌荒れも落ち着いてきたし、シートマスクをつかおう。マスクをとった肌はこころなしか元気に見える。どんなメイクにしようかわくわくしながら、いつもより丁寧に肌に色をのせる。 時間をかけて、気が済むまで迷いながら身支度をするのが好きだ。行き先や会う相手、やることを思い浮かべていると、準備をしているときから「お出かけ」が始まっているような気分にな

        そばかす/蘇畑佳純(三浦透子)

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        • 描く。えがく
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          10本
        • 想像力を総動員
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        記事

          西早稲田・雑司が谷、およびその周辺

          半分青い金柑や、落ちてしまいそうな柚子、見頃を逃した椿、早咲きの梅。自分に関心が集中していた間にも季節は進んでいて、2月も目前だと気づく。 最寄り駅に着いた。電車に乗って降りたことのない駅で降りるのが、今日の私の予定。 ・ 焼きりんごを、おそらく初めて食べた。ベイクドチーズケーキの気分だったけど、売り切れとのこと。せっかくならと未知のものを注文した。 上にかかる「白」がじゅわっと溶けていくさまが、きれいだった。「白」はアイスクリームかと思ったら、生クリームかメレンゲか

          西早稲田・雑司が谷、およびその周辺

          欠片を集める 息が止まる

          某月某日 美容院始めをしに行く。 2年半ほど担当してもらい続けているタカハシさんの施術は、いつも手さばきに無駄がなく美しい。「お任せで」のオーダーに対して毎回、必ず印象が変化するよう応えてくれる。 人といると緊張しがちだけれど、タカハシさん相手にはリラックスできる。疲れているときこそ、ある種の助けを求めて美容院に行く。 前回の施術でおすすめしてもらったのが毛先カラー。ランダムに毛束をとり、毛先のみブリーチして、そこにカラーを入れるデザインだ。お客さんの写真を見せてもら

          欠片を集める 息が止まる

          2024年1月

          2024年1月1日 例年ならテレビっ子な弟が遅くまで起きているのが恒例の大晦日。その弟は老舗菓子屋の仕事が忙しいらしく、不在だった。父と兄は早々に床に就き、初日の出に備えている。母と二人で静かに話しながら新年を迎えた。気恥ずかしさと嬉しさが入り交じる年越し。 翌朝、弟がいないこと以外はいつも通りの正月。習慣で8時には目が覚め、皆で雑煮を食べ、何をすることもなく過ごし、お節をつつく。昼過ぎに恋人が迎えに来ることになっていたので「いつも通り」を装っていただけとも言えるけど。で

          粘る晩秋、ないし初冬

          ほんの少しなのだけど、確実に疲れが溜まっていく。 楽しみなこともやりたいこともたくさんある。 寝ている場合じゃなかった。 自分を癒やしたり喜ばせて粘った晩秋、ないし初冬の記録。 ・ 某月某日 平日に1日、ぽっかり仕事休みができた。 なんの予定もなく、なにをしてもいい休日。こういう休みのとり方はめったにしないけど、一番気分の上がる設定かもしれない。 ファッション雑誌を読みながら「服に合わせてメイクも楽しめるようになりたいな」と思い至った。最近コスメショップでおすすめし

          粘る晩秋、ないし初冬

          ととのわない

          某月某日 身の回りや自分自身が全くととのわない。 部屋がしょっちゅう散らかる。掃除も片付けもしてるのだけど、持ち物の出入りが激しいのか、気がつくとゴチャッとしている。 毎日食事も睡眠もとっているけれど、家の中でもパタパタ忙しなく、休まらない。なんとなく身体に疲れが溜まっている感じもある。 長く続けられない「ととのわない」生活。ただ、このととのわなさの根っこには「色々なことを変えようとしている自分」がいて、だからなんとか耐えている。悪くない気さえしている。この期間を終え

          ととのわない

          はれの日

          扉が開く瞬間、ふと静けさが訪れた。 ふたりの姿が見えると同時に、あたたかくて、凛とした空気に包まれる。わあっと歓声が上がった。お腹と胸が熱くなった。 ・ 初めて結婚式にお呼ばれした。大学で本当にお世話になった先輩の式。奥さまとの面識はなかったけれど、柔らかくしなやかな女性だということが写真からも伝わってくるような、素敵な方だった。 ふたりの門出をお祝いできることが心から楽しみだった。ただ、今思うと当日まであまり現実味を伴っていなかったように思う。 式の時間が近付くに

          parfaitと持ち寄りパーティー

          本当に久しぶりだった。前に会ったときは学生で、住んでいるところが違くって、髪型や服の趣味も今とちょっと違った。一緒にわいわいするのも、ダラダラするのも心地よかったことは鮮明に覚えているんだけど、何をしたかの記憶は断片的だ。 ・ 5、6年ぶりの再会だった。タイミングとか、電車で2時間の微妙な距離に暮らしているとか、そういういくつかの小さな理由で会っていなかった。そのまま疎遠になってしまう関係も多いものだけど、彼は何ともないときにふと思い出すような、そういう人だ。 再会は全

          parfaitと持ち寄りパーティー

          わたしの「ももちゃん」

          くどうれいんの作品が気に入っている。気に入っているというか、惹かれている、多分。なんにせよ、最近手に取ることが多い。 エッセイ集の「虎のたましい人魚の涙」を読んだ。くどうれいんのエッセイでは恋愛の話がよく出てくる。私は自分の恋愛話をよく知った友人にさえするのが苦手なので、赤裸々に恋愛のことを書けるのがすごいな、こんなこと書いちゃうんだ、と驚いたり戸惑ったりしながら読み進めた。 ・ 「陶器のような恋」という話がある。 高校時代からの友人の「ももちゃん」が、長年付き合って

          わたしの「ももちゃん」

          「静」の時間

          某月某日 秋の到来とともに、身体のリズムが徐々に変化している感覚がある。 「静」の時間を欲している。春から夏にかけて、特段忙しくしていたつもりはないのだけれど、新生活の始まりや、暑くて仕様がない毎日を乗り越え、一息つきたいタイミングなのかもしれない。 以前の自分であれば「静」を求めるこころに気づくと「疲れてしまったんだろうか?自分大丈夫だろうか?」とひどく不安になった。今は環境と自分のリズムのひとつなんだな、と少し落ち着いている。 まだ腹の底まで落ちた感覚ではないけれ

          「静」の時間

          ひとのきもち

          某月某日 8月に入ると「夏真っ盛り」と「夏の終わり」がいっぺんにくるような気がするのは私だけなんだろうか。 お盆を過ぎたいまは「もう夏の終わりっぽいぞ」「こんなに暑いのに、夏は終わっちゃうんだね」という声が街中に充満している。暑かろうと秋はきっちりやって来る。そのことをみんな、わかっている。 あっという間に過ぎてしまう季節が恋しくて、少しでも気持ちを盛り上げようと、レモンイエローのシャツを纏って家をあとにした。 ・ 某月某日 「きっと私が悪いこと言っちゃったんだよ

          ひとのきもち

          底だったはずなのに

          「最悪」なんて滅多につかうもんじゃない。そんな悪いこと、そうそうないんだから――。 昔聞いた、誰かのことばが頭をよぎる。たしかにそうだと思うし、実際「最悪」と口にしないようにしていた。でも「最も悪いか」なんて、何を基準に判断したらいいんだろう。この気分を「最悪」と言ったらダメなんだろうか。考えがまとまる気配はなく、重苦しい思考から逃げるように布団を頭までかぶった。 ・ 調子が上がらない。むしろ日に日に身体は沈んでいく。たった数日、家にこもっているだけなのに、すっかり外の

          底だったはずなのに

          半年遅れのSLAM DUNK

          2023年8月。漫画「SLAM DUNK」を読み返した。映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観た。特別本「THE FIRST SLUM DUNK re:SOURCE」を一気読みした。わかってはいたけれどすごい作品で。漫画も映画も特別本もそれぞれに面白くて。私にとってのSLAM DUNKを書きたくなった。 バスケと私中高6年間、部活でバスケをしていた。 進学した中学はミニバス(小学生バスケ)のチームがない学区。初心者だらけの環境でバスケを始めた。練習はしていたけ

          半年遅れのSLAM DUNK