Ricca

はじめまして。 備忘録としてnoteに勝手気ままに感想文を書いています。 私の文章を気…

Ricca

はじめまして。 備忘録としてnoteに勝手気ままに感想文を書いています。 私の文章を気に入って下さる方がいたらとってもうれしいです。

最近の記事

映画『せかいのおきく』

モノクロ映像の中にふと映るカラーの世界がとても印象的でした。 最初から最後まで”うんち”が人の繋がりの中心となり、淡々とストーリーが進んでいきます。 主演の黒木華さんが途中声を失うこともあり、映像の色味だけでなく音もわずかになり、とても不思議なものを見ているような気になる映画です。なにせうんちを軸として進んでいくので、なかなかすごいものを見た気分です。 臭い!汚い!の嫌われモノ“うんち”が生々しく描かれながらも美しい映画に仕上がっていることに驚きました。 幕末、江戸で下

    • 今再び目を向けたいアフガニスタン 映画『THE Breadwinner ブレッドウィナー』

      監督:ノラ・トゥーミー 脚本:アニータ・ドロン 原作:デボラ・エリス 「生きのびるために」(さ・え・ら書房) 原題:THE BREADWINNER 2017年/93分/カナダ・アイルランド・ルクセンブルグ breadwinnerという単語の意味をご存じでしょうか? 「稼ぎ手・大黒柱」という意味です。 本作のタイトルであるbreadwinner、この作品の中では11歳の女の子のパヴァーナが一家の大黒柱となり、その日自分と家族が食べる食料を得るために命がけの生活を送る

      • 賢さとたくましさに憧れる『劇場版 アーヤと魔女』

        ネタバレはしていないつもりですが、楽しみにされている方は観てからお読み下さい♡ ~感想文~ 公開初日の本日、観終わって思わず口から出そうになったのが 「ぐぁああ、もう少し見せてくれ~~~」でした笑 それくらい、この先が気になるー!!!という終わり方で非常に悶々としております笑 少しばかりハラハラもしますが、そこはジブリ!安心して見ていられます♡ 原作はイギリス人作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる『アーヤと魔女』。彼女の作品『魔法使いハウルと火の悪魔』も同じくスタジ

        • 東ドイツの複雑さが辛い映画『グンダ―マン 優しき裏切り者の歌』

          監督:アンドレアス・ドレーゼン 脚本:ライラ・シュティーラー 音楽:イェンス・クヴァント 出演:アレクサンダー・シェーア アンナ・ウンターベルガー 提供:太秦/マクザム/シンカ 原題:GUNDERMANN 字幕・資料監修:山根恵子 2018年/128分/ドイツ ~感想文~ 映画とは直接関係はないのですが、今年初めに読了した小説『革命前夜』の下地がなかったら、私にはなかなか理解するのが難しい映画だったかもしれません。 セリフはあるのですが、全体的に説明が少な

        映画『せかいのおきく』

        • 今再び目を向けたいアフガニスタン 映画『THE Breadwinner ブレッドウィナー』

        • 賢さとたくましさに憧れる『劇場版 アーヤと魔女』

        • 東ドイツの複雑さが辛い映画『グンダ―マン 優しき裏切り者の歌』

          SNSの怖さを露わにした映画『SNS 少女たちの10日間』

          監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサーク 原案:ヴィート・クルサーク 出演:テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトヴァー、サビナ・ドロウハー 字幕翻訳:小山美穂 字幕監修:牧野ズザナ 配給:ハーク 配給協力:EACH TIME 2020年/チェコ/チェコ語/ビスタ/原題:V síti/104分 ~感想文~ いろんな意味を込めて、気持ちの悪い映画でした・・・。 そこらのホラー映画よりある意味怖い。(いや、ホラー映画見ないんだけどね) 日本で言うと

          SNSの怖さを露わにした映画『SNS 少女たちの10日間』

          世界で最も有名な日本人を描いた映画『HOKUSAI 北斎』

          映画の冒頭は、少年が砂に木の棒っきれで絵を描いている。 この少年が、後に世界で最も有名な日本人となる北斎。 ゴッホやモネなど海を越え多くの表現者に影響を与え、日本人の誰もが「北斎」という名を知っているだろう。 平民出身だった北斎は当時の記録がほとんどないようで、徹底的に調べた資料や作品などから創り出されたオリジナルストーリーだそうです。 壱の章・弐の章・参の章・四の章という構成で、北斎の青年期を柳楽優弥、老年期を田中泯が演じています。 https://www.hokusai

          世界で最も有名な日本人を描いた映画『HOKUSAI 北斎』

          本への愛が溢れまくる映画『ブックセラーズ』

          原題:THE BOOKSELLERS アメリカ映画/2019年/99分/ 監督:D・W・ヤング 製作総指揮&ナレーション:パーカー・ポージー 字幕翻訳:齋藤敦子 配給・宣伝:ムヴィオラ、ミモザフィルムズ ~以下感想文~ ブックセラーズはハンターでありエンジェルまず、「bookseller」という単語をCambridge Dictionaryで検索してみると a person or company that sells books とあります。まさしく「本を売

          本への愛が溢れまくる映画『ブックセラーズ』

          本『ライオンのおやつ』

          2019年10月7日 第1刷発行 著者:小川 糸 発行所:ポプラ社 ~ゆるゆる読書感想文~ なんだか分からないけどとにかく泣いてデトックスしたい!!という方におススメいたします(笑) 特に、近しい方の最期を見守った方(まだ動ける段階から徐々に弱っていく姿を見守り続けた方)は、だーだー泣けると思います。 私は祖父がちょうど主人公雫と似たような段階を経て逝く様子を見ていたので、泣きすぎてデトックスされたのか肌艶が若干良くなった気がします・・・笑 この本は、死の間際に

          本『ライオンのおやつ』

          映画『ノマドランド』

          監督・製作・脚色・編集:クロエ・ジャオ 出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン 原作:「ノマド 漂流する高齢労働者たち」 メディアパートナー:朝日新聞 2020年/アメリカ 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2020 20th Century Studios. ~以下感想文~ 自分の中の幸せの概念がぐらつくようなそんな作品でした。 定住地を持たずRVで走り続けながら季節労働者としてお金を稼ぐ。 一見ノマドというと「究極の自由人」という

          映画『ノマドランド』

          原作『風の谷のナウシカ』

          映画の風の谷のナウシカしか見たことがないという人ももしかしたら多いかもしれません。私も昨年までその一人でしたが、原作を読んで映画とはまた違う印象を受け取りました。 原作は全7巻で、どこから書いてよいかわからず上手くまとめられない気がしますが思ったコト・感じたコトを書き綴ります。 私は今30代ですが、少し上の世代の方々はおそらく最初に漫画で読まれたのではないでしょうか。 つくづく宮崎駿さんは未来を読んでいるのかな・・・と思わざるを得ません。これが昭和の時代に発表されていた

          原作『風の谷のナウシカ』

          映画『パリの調香師』

          監督・脚本:グレゴリー・マーニュ 製作:フレデリック・ジュ―ヴ 音楽:ガエタン・ルーセル 出演:エマニュエル・ドゥヴォス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタヴ・ケルヴェン、ゼリー・リクソン 2019年/フランス/フランス語/101分/ 原題:Les Parfums 配給:アットエンタテイメント ©LES FILMS VELVET-FRANCE 3 CINÉMA ~以下感想文~ 朝イチで観に行った映画なのですが、なんだかとてもほっこりしました。 「

          映画『パリの調香師』

          本『希望の糸』東野圭吾

          『希望の糸』 2019年7月5日 第一刷発行 著者 東野圭吾 発行所 講談社 ~ゆるゆる読書感想文~ ネタバレしてますのでおゆるしを。 しまった。。。図書館で借りて読了してから2週間経ってしまった。 すぐに書いた方が記憶が鮮明なのにーーー! というわけで、本当の意味でゆるゆる読書感想文です。 2週間経った今でも私の記憶に鮮烈に残っているのは、物語の展開を進めていく男性の登場人物よりもむしろ女性たち。 私は東野圭吾さんの著書は数えるほどしか読んだことがないの

          本『希望の糸』東野圭吾

          映画『燃ゆる女の肖像』

          監督・脚本:セリーヌ・シアマ 出演:アデル・エネル、ノエミ・メルラン 原題:Portrait de la jeune fille en feu 英題:Portrait of a lady on fire フランス/122分 字幕翻訳:横井和子 配給:ギャガ GAGA ~以下感想文~ いつものようになんとなく気になったので予備知識なしで観賞。 これが大当たりでした!素晴らしい映画です。 冒頭はノエミ・エルラン演じるマリアンヌが小型の船でどこかへ送り届けてもら

          映画『燃ゆる女の肖像』

          絵本『うさこちゃんのたんじょうび』

          ディック・ブルーナ ぶん/え いしい ももこ やく 1982年5月31日発行 発行所 株式会社福音館書店 ~ゆるゆる読書感想文~ 初の絵本感想文は、私の大好きなキャラクター、ミッフィーの絵本にしました♡ いつかディック・ブルーナさんが愛用していたという自転車がほしい・・・(完全にひとり言) この絵本の最初のページをめくって、もうわくわくする小さな心配りがあります。 ミッフィーのイラストとともに、「なまえ」を書くスペースが! この時点で、なんだか自分の本!とい

          絵本『うさこちゃんのたんじょうび』

          本『わたしが芸術について語るなら』千住博

          『わたしが芸術について語るならー未来のおとなへ語る』 2011年1月19日 第一刷発行 著者 千住博 発行所 株式会社ポプラ社 ~ゆるゆる読書感想文~ 図書館で借りた本で、そもそもなぜこの本を手に取ったのかからお話ししたいと思います。 私が”千住博”という名前に初めて出合ったのは、2018年夏に富山県美術館で行われていた「千住博展」に行ったことがきっかけです。 当時は恥ずかしながら千住博さんのお名前を存じ上げず、ただただ富山県美術館に行ってみたいという理由で出掛

          本『わたしが芸術について語るなら』千住博

          映画『ウォーリー』

          『ウォーリー』(原題: WALL-E) 2008年公開/アメリカ ピクサー・アニメーション・スタジオ、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ ~以下感想文~ 全体的にセリフが少なく、またセリフと言えるような言葉も電子音なので 正直眠くなるかもな~と思ったが全然違った。 気づくととても引き込まれていて、限られた電子音や目の表情・動きなどから、どういう気持ちを表現しているのか読み解こうと必死になっていた。 設定は人類がいなくなり廃墟と化した地球。 そこにいるのは増え過ぎたゴ

          映画『ウォーリー』