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映画『パリの調香師』

監督・脚本:グレゴリー・マーニュ

製作:フレデリック・ジュ―ヴ

音楽:ガエタン・ルーセル

出演:エマニュエル・ドゥヴォス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタヴ・ケルヴェン、ゼリー・リクソン

2019年/フランス/フランス語/101分/

原題:Les Parfums

配給:アットエンタテイメント ©LES FILMS VELVET-FRANCE 3 CINÉMA


~以下感想文~

朝イチで観に行った映画なのですが、なんだかとてもほっこりしました。


「調香師」という仕事があるのは存じていましたが、まさか‟香り”で企業が抱える問題なども解決しているなんて全く知らず、目から鱗でした。

香水などの製作が主な仕事なのかと思いきや、その‟場”の香りの再現や、製品の売れ行きにまで影響を及ぼす匂い対策、はたまた住環境へ与える影響を香りで抑えるなど、香りの仕事をしている人への理解も深まる映画です。


また、調香師の世界は狭く嫉妬が渦巻いている・・・といったようなセリフがありましたが、ずば抜けた嗅覚を持つ人のみが生き残れる世界なのだろうな・・と遠い目で見てしまいました。

華やかな世界には必ず影もあります。むしろ光が強い分影も濃いかもしれません。才能はさることながら、強い荒波を越えていく胆力みたいなものも必要なのだな、大変やな~と、これまた遠い目で見てしまいました。


私はごく平凡な人間なので、突出した才能を持つ人に強い憧れがあります。

けれど、突出した才能は素晴らしいギフトであると同時に、それを失うと人生のバランスを失ってしまうかもしれない諸刃の剣でもあるという点を感じました。

特にこの映画の主人公であるアンヌのように、嗅覚が鋭過ぎるということは、日常生活にも大きく関わってきます。その才能に見合った高い報酬や地位名声が得られるだけではなく、全てのものに匂いを感じるというのはなかなか大変です。劇中、彼女は匂いが気になるからと、ホテルのシーツを全て取り換えて持参した自前のシーツに交換するという不便な生活を送っていました。多少感覚が鈍感な方が幸せだったりもするな~とそのシーンを見ていて思いました。

人は凸凹しているものだと思うので、一部が突き抜けていたら、やはり一部は大きくへこんでいるものなのかもしれません。

そのへこんだ部分を他人が補ってくれてマルに近くなるんだな~とこの映画を観ていて感じました。


と、こんな真面目そうに語っていますが、安ドーナツをかじりながらこれを書いています。映画でスクリーン越しに感じたトップメゾンの香水の香りが台無し(笑)!!


肝心の映画の中身はというと、安心して観られます。血や銃が苦手な私は最後まで安心して見ていられました。

映画のフライヤーの触れ込み通りに書くと「嗅覚を失くしたわがまま天才調香師」と「仕事も親権も取り上げられそうな崖っぷち運転手」が中心となり物語が展開していきますが、アンヌの強いキャラクターとは裏腹にどこかほのぼのとしています。

香りの世界を覗きたい方や、ほっこりしたいな~という時におすすめの映画です♡



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