ならきち

1993年生まれ。長年の抑うつが治りかけな最近。趣味は読書とPodcastを聴くこと。…

ならきち

1993年生まれ。長年の抑うつが治りかけな最近。趣味は読書とPodcastを聴くこと。ソフトウェアベンダで広報の仕事をしています。ヨガがマイブーム

マガジン

  • ならきちのPMDD/抑うつ闘病記

    2017年秋から続くPMDD(月経前不快気分障害)の症状と、2020年11月に診断された抑うつ、2022年7月に診断された適応障害との闘いの記録です。

  • ならきちのゆる読書感想文

    本の内容に少し触れたりしつつ、基本的には極めて個人的な心のうちを吐露する読書感想文です。

  • 敏腕広報コンサルタントと新卒ドタバタ広報の二人三脚珍道中

    新卒ドタバタ広報だったならきちが、敏腕広報コンサルタントの石川慶子氏と共に一人前の広報担当者を目指して奮闘した日々を振り返る連載です。広報の仕事について体験談を交えて紹介していきます。

  • ならきちの泣き虫妊婦生活記

    2018年6月の妊娠発覚から2019年1月の出産に至るまでの出来事を、ゆるいイラストや写真と共にまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

もううまれたくない

店頭でせっせとTシャツを畳んでいたら白髪のショートカットが上品なマダムがじいっとこちらを見ていて、目が合った。 「いらっしゃいませ、こんにちは」 私がマスクの中で口角を上げて挨拶をすると、彼女も目尻を下げて 「こんにちは、いいわねぇ」 と応じた。 「若いっていいわねぇ。それだけでいいわね。あなたくらいの人を見るといつも思うわ」 シースルーの長袖シャツには薄いオレンジや黄色のポピーの花がプリントされ、中には白のタンクトップを合わせている。ベージュのチノパンに、革靴っ

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      火曜の夜の雨の新宿

      • YouTube musicでシャッフルのおすすめプレイリストを聴いていたらジャスティンビーバーの『What Do You Mean?』が流れてきた。これを日本語にして「どゆ意味〜?」って歌ってキャッキャ笑っていたころを思い出した。そういう思い出の積み重ねが心のお守りになっている

        • このnoteのアカウントは6年も前に作ったものらしく、久しぶりに読み返してみたら非常にむず痒い。日記や読書感想文などをまたぼちぼちと再開しようかなと思うなどする

        • 固定された記事

        もううまれたくない

        • 火曜の夜の雨の新宿

        • YouTube musicでシャッフルのおすすめプレイリストを聴いていたらジャスティンビーバーの『What Do You Mean?』が流れてきた。これを日本語にして「どゆ意味〜?」って歌ってキャッキャ笑っていたころを思い出した。そういう思い出の積み重ねが心のお守りになっている

        • このnoteのアカウントは6年も前に作ったものらしく、久しぶりに読み返してみたら非常にむず痒い。日記や読書感想文などをまたぼちぼちと再開しようかなと思うなどする

        マガジン

        • ならきちのPMDD/抑うつ闘病記
          8本
        • ならきちのゆる読書感想文
          31本
        • 敏腕広報コンサルタントと新卒ドタバタ広報の二人三脚珍道中
          7本
        • ならきちの泣き虫妊婦生活記
          11本

        記事

          何度も何度も、今後読み返すであろう本に出会えた。小説も大好きだけれどエッセイもいい。私も日記をつけようと思うようになって、最近ちょこちょこ書いている。早く山本文緒先生の他のエッセイも読みたいけれど、積読が溜まっているのでもう少し先になりそう

          何度も何度も、今後読み返すであろう本に出会えた。小説も大好きだけれどエッセイもいい。私も日記をつけようと思うようになって、最近ちょこちょこ書いている。早く山本文緒先生の他のエッセイも読みたいけれど、積読が溜まっているのでもう少し先になりそう

          ナナメの自分を愛してあげよう。定まらない自分を受け入れてあげよう。矛盾をたくさん抱えた自分のまま生きてみよう。若林さんってこんなに優しい人なんだなぁ

          ナナメの自分を愛してあげよう。定まらない自分を受け入れてあげよう。矛盾をたくさん抱えた自分のまま生きてみよう。若林さんってこんなに優しい人なんだなぁ

          私は人見知りではないけれど、若林さんの生きづらさには共感の嵐であった。「考えすぎだよ」「気にしすぎだよ」何度言われてもそれは私の性格で性質だから直らない。それが私なんだ、と、受け入れて生きていけばいいんだなと思った。若林さんのような大人が自分の先を歩いているんだと思うと、心強い

          私は人見知りではないけれど、若林さんの生きづらさには共感の嵐であった。「考えすぎだよ」「気にしすぎだよ」何度言われてもそれは私の性格で性質だから直らない。それが私なんだ、と、受け入れて生きていけばいいんだなと思った。若林さんのような大人が自分の先を歩いているんだと思うと、心強い

          天使だったなら

          「天使」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、どんな存在だろうか。 天使とはあくまで私のイメージだが、子どもの姿をしていて、髪の毛はブロンド、真っ白い肌で、布で下半身を覆っている。弓矢を持っていて、頭上には黄色だか金色だか分からないけれど輪っかが浮いている。そして白い羽が背中から生えている。 書き出しながら、もしかしたら私のイメージする天使はキューピッドと呼ばれるものと混同しているかもそれないと思った。 少し調べてみる。 画像検索もしてみる。 これが天使の検索結果である

          天使だったなら

          「親戚」という不思議な人たち

          ゴールデンウィークだったから二泊三日でさいたまに帰省した。 四歳の息子と二人で帰った。 一人暮らしをしている弟も会いにきたり、車で2時間弱かけて茨城の祖母宅に遊びに行ったり、逆に車で2時間ちょっとかけて茨城から叔父と叔母が埼玉まで会いにきたり、 三日間で、両親きょうだい含めると10人くらいの「親戚」に会った。 親戚って不思議な関係だ。 (家庭によるだろうけれど私の親戚付き合いの場合は、)年齢関係なくタメ口をきいたり、たまにしか会わないのにあまり気をつかわなかったり、

          「親戚」という不思議な人たち

          生きる意味を考えてしまうとき・死にたくなってしまうとき(精神科の主治医の先生と話してきたことメモ)

          抗うつ剤を飲み始めてもう2年目? 3年目?  あれもしかして4年目……? とにかく、寛解までの道のりは遠い。 精神科でも心療内科でも必ず「家庭環境はどうでしたか」「子どもの頃の両親との関係はどうでしたか」と聞かれてきて、「私は良好すぎるほど良好な家庭で育ったんだけどなぁ」と不思議な思いだった。 だけど今月主治医の先生と話してみて合点がいったことがあった。私は自分の理想の「お母さん像」「家族像」をとても高いハードルで設定していたということに気付かされた。恵まれた、良好な、家

          生きる意味を考えてしまうとき・死にたくなってしまうとき(精神科の主治医の先生と話してきたことメモ)

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          2022.5.14-11.30 息子撮影(ピントキッズ)

          2022.5.14-11.30 息子撮影(ピントキッズ)

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          村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』を読んで

          小学生の女の子同士の友だちの取り合い、仲間外れ。小学4年生くらいから始まる、初潮が早い子と遅い子の絶妙な隔たり。中学生の第二次性徴で膨らむ胸と、膨らまない胸。真っ白なスポブラをつけている子と、ホックを留めるタイプのレースのブラジャーをつけている子。小学生~中学生の女の子が味わう独特のすべてが詰め込まれた物語に息を呑んだ。 息苦しい街。息苦しい学校。どうして中学時代というのはあんなにも暗くてじっとりとしているのだろうか。そしてその嫌な湿度を感じずにカラッと眩しい太陽のように「

          村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』を読んで

          森絵都『風に舞いあがるビニールシート』を読んで

          私の人生にはなにか"絶対に譲れないもの"はあるだろうか。 もちろん、家族、健康、お金、友情、そういった一般的に大切とされるものは、私も人並みに大切に思っている。 それとはまた別の、自分だけの守り抜きたい価値観――。 ぱっとは思い浮かばないけれど、これだけ日々を生きづらいなぁしんどいなぁと感じているのだから、きっと他人に不思議な顔をされても曲げられない"何か"が私にもあるのだと思う。 あらすじ才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商

          森絵都『風に舞いあがるビニールシート』を読んで

          よしもとばなな『キッチン』を読んで

          この世の誰よりも愛するあなたがいま私の隣にいても、深く触れ合っていても、それでも孤独を感じてしまうことがある。 あなたと私は別々の人間で、すべてを分かり合えることなんて絶対に、永遠に、ない。 そうだ、この世に生を受けた瞬間から私は自由であると同時に天涯孤独であるのだ、 そう実感して、ゆるやかに、静かに、絶望する。 大人になって明確に分かってしまった、いや、子どものころから実はうっすらと気付き始めていた自らに影を落とす”孤独”というものに寄り添い、 あなたの孤独はとて

          よしもとばなな『キッチン』を読んで

          角田光代『くまちゃん』を読んで

          誰かと出会い、惹かれ合い、お互いのことをちょっとずつ知っていって、時には喧嘩をして仲直りして、「これが幸せかぁ」なんて実感したりもして。 そんな、時間をかけて作ってきた二人の大切な関係性も、きっかけがあったり(ときには特にこれといったきっかけがなかったりも)して突然不穏になるわけで。 「このままずっと一緒にいられる相手ではない」とどちらかが(または双方が)悟ってしまったとき、別れが訪れる。 別れたばかりのときは身を引き裂かれんばかりに痛くて、枯れるまで泣いて、「もう恋な

          角田光代『くまちゃん』を読んで

          山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』を読んで

          国道沿いに立ち並ぶ見慣れたチェーン店。 山と田んぼしかないド田舎、というほどではないけれど、だからといって東京みたいに最先端のものが揃うわけではない、ふつうの町。 生活に何も不便はしない、でも、なんだかここは退屈。 変わり映えしない日常から私を連れ出してくれる誰かを、待っている。 あらすじ退屈をぶち壊すのは誰中学生のころ、なぜみんな恋愛なんてするのだろうと不思議でした。 やれ誰がかっこいい、やれ誰が好き、「3組の○○君と7組の△△ちゃんがつき合った」、「▢▢君と✕✕

          山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』を読んで