3.11を心に秘めて、日常を生きる
「栗の実と 人の子同じ 実るほど 遠くに飛ぶと 祖母は教える」
コロナが流行る前、実家に帰ると母が短歌を詠んでいた。栗の実も、ひとも、実るものほど遠くに飛ぶという意味だそうだ。私たち兄弟のことを詠んでいるのだと気づいた。私たちがふるさとを離れて暮らしていることを、前向きに捉えようとしている気持ちが伝わった。
大学卒業後、私も弟も関東で暮らしている。2人ともそれぞれの夢がある。私は社会の役に立つ事業をすること。弟は医療従事者として多くの人を救うこと。いつか、それぞれの経験を気