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スキーマ療法について②
読んでくださってありがとうございます。
自分は機能不全家族のもとで育ち
精神疾患(うつ病、AC、DESNOSなど)で苦しみ
そこから回復した経験があります。
今回はスキーマ療法のさわりを紹介します。
自分はスキーマ療法をやってはいませんが
回復過程において、スキーマ療法と似たことを
様々な知識を組み合わせて行いました。
スキーマ療法は役に立つ人が多いのでは?
と思っているので少し紹介します。
今回の記事は自分が見たくなかったことに
気づくことになるかもしれません。
気分が悪くなった場合は
ブラウザバック推奨します。
前回の記事はこちら
こんな記事も書いてます。
良ければ読んでください。
スキーマとは
スキーマ療法では、
無意識の領域を「スキーマ」という概念を用いて説明しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1697182577255-qSQk2QMjXI.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1697182577263-ixEJa5ElCr.png?width=1200)
少し、例をあげます。
友達とすれ違った時、挨拶をした。
けれども返事が返ってこなかった。
こういった場面を想定します。
「私は嫌われてしまったかも」
というようにふとセリフのように
浮かぶのが自動思考です。
このように自動思考が浮かんだ人は
もしかしたら無意識的に
「自分は人から見捨てられる存在だ」
という信念を持っているかもしれません。
早期不適応スキーマとは
![](https://assets.st-note.com/img/1697182577311-uVznKnTFwG.png?width=1200)
いじめられた経験がある人の例をあげます。
この人は以下のようなスキーマを持つと考えられます。
「人は信用できないスキーマ」
そのいじめの最中にいる時
周囲の人間は本当に信用できない人ばかりなので、そう思っていることは自分を守ることになります。「人は信用できないスキーマ」は適応的に働きます。
しかし、大人になってその環境を抜け出した時
「人は信用できないスキーマ」は不適応的に働きます。
「信用しない方がいい」人も確かにいます。
しかし、人間は自分にとって信じられる人、
互いに信じあえる人と繋がって
共に助け合いながら生きる存在です。
「人は信用できないスキーマ」を持っている人はそのスキーマを持つことによって、人と関わることが難しくなっています。
早期不適応スキーマは
自分の身を守る鎧や仮面のようなものです。
その鎧や仮面があったお陰で
辛い環境を生き抜くことが出来ました。
しかし、鎧を付けたままだと生きづらいです。
鎧を身に纏ったままだと
重くて疲弊してしまいます。
世界が狭く見えて、暗いものに映ります。
感情を遠ざけることで喜びもわからなくなり
人の温もりが感じられなかったり
自分から人を遠ざけてしまったりしまいます。
人から認められる為に仮面をつけて
振る舞っていたはずの自分。
けれど、仮面の下の本当の自分は
どんな顔だったか思い出せません。
仮面をつけた取り繕った自分でないと
人から認められないような気がします。
仮面を外したいけれど
外し方を忘れてしまいました。
スキーマ療法は生きづらさの根幹を成している
鎧や仮面の外す為の治療法になります。
鎧や仮面を外す為にはまず自分が
身に着けているものに気づく必要があります。
ここから早期不適応スキーマの成り立ち
について説明します。
早期不適応スキーマの成り立ち
早期不適応スキーマは幼少期に
人間が持つ5つの根本的な感情欲求(中核的感情欲求)が満たされなかった結果現れるとされています。
![](https://assets.st-note.com/img/1695621325315-PbTOJr7t3M.png?width=1200)
どれもすべての子どもが養育者に
対して持つ「当たり前の欲求」です。
中核的感情欲求が満たされなかったことが
「傷つき体験」となります。
中核的感情欲求が満たされないことは
実は誰にでもあることです。子どもの欲求が100%満たされることはありません。
一方で欲求が満たされることに満足しつつ
もう一方で満たされない欲求に
折り合いをつけることを学びながら
人間は成長していきます。
しかし問題なのは、
一回の傷つき体験が大きかった場合と、
小さな傷つき体験が繰り返された場合です。
![](https://assets.st-note.com/img/1695621325177-Cvj1MDF5GQ.png?width=1200)
大きな傷つき体験とは、
「児童虐待」に代表される酷い暴行や性的虐待などが伴った極端なケースで比較的わかりやすいかと思います。
では小さな傷つき体験とは、何でしょうか。
小さな傷つき体験の例として
マルトリートメントの一例を挙げます。
心理的マルトリートメント
□子どもを兄弟(姉妹)と比較して批判したり、親戚などの前で笑いものにする
□子どもの苦手なところが気になり
「あなたは何をやっても出来ない」などと言う
□頭に血が上って、大声で怒鳴ってしまう
□「あなたは、女の子だから~」などと、
性別で子どもの行動を制限する
□親の気分によって同じ行動でも、
子どもを叱るときと叱らないときがある
□どんなことでも基本的には
子どもの意見を聞かずに親が決めてしまう
□子どもが失敗したことを責めたり
失敗した理由を問い詰めたりする
●面前DV(心理的マルトリートメントの一種)
□子どもの前で夫婦喧嘩をする
□子どもに夫(妻)への文句を話す
□夫婦間での暴力がある
□夫婦間に支配関係があり「誰のお陰で暮らせ
ているんだ」などと言ったりする
□人前で妻(夫)を「ダメなやつで・・・」
などとバカにする
□大切にしている物を、夫(妻)が壊す
□夫(妻)が妻(夫)の交友関係を制限する
□子どもに夫(妻)への文句などを言わせる
●身体的マルトリートメント
□子どもが言っても分からないときに、
手加減をしてたたく
□子どもは、言葉だけで理解できないため、
体罰は必要だと考えている
□子どもが約束を守れなかったときなど
罰として食事を抜く
□食べ残しは禁止しているため、
子どもが「おなかいっぱい」だと
言っても無理やり食べさせる
□子どもが体調不良を訴えても
無理やり学校や塾に行かせる
●性的マルトリートメント
□子どもが嫌がっているにもかかわらず、
お風呂のあとなどに裸で過ごす
□嫌がる子どもと一緒にお風呂に入る
□夫婦の性的な関係を子どもに話す
□性的な映像や雑誌などが、
子どもの目に触れるところに置いてある
□子どもの裸の写真を撮る
□親の性器を子どもに触らせる
□子どもを性的な対象として扱う
●ネグレクト
□仕事や家事が忙しく、
子どもと触れ合う機会がほとんどない
□子どもが泣いても、さまざまな理由で無視する
□子どもにスマートフォンを渡して、
おとなしくしてもらうことが多い
□子どもを家に残して、数時間外出する
□忙しくて食事を作れないことが多く、
子ども自身でカップ麺やレトルトなどで
済ませることが多い
□子どもが体調不良を訴えても、
病院や薬局へ連れて行けない
□子どもに必要な予防接種を受けさせない
このように、一見虐待に見えない場合でも
それが継続的に行われていると傷つき体験となり早期不適応スキーマが形成されます。
5つの領域に広がる早期不適応スキーマのパターン
幼少期に人間が持つ5つの根本的な
感情欲求が満たされなかった結果
それぞれに応じて5つの領域でスキーマが形成されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1695621325633-yduZMKarkM.png?width=1200)
今回の記事では、第一領域の5項目について説明します。
第一領域 人との関わりが断絶されること
① 「見捨てられスキーマ」
「人は自分を見捨てていく存在だ」
「自分はいつも人に見捨てられる」
というスキーマ。
自分が他人と安定した関わりを
継続して持つことがイメージできない。
自分にとって大切な人をいつか
失ってしまうのではないかと常に考えている。
「今一緒にいたとしても、何かあったら
大切な人は私の元を去っていくだろう」
「人はみんな、私を見捨てていく」
「見捨てられスキーマ」を持つ人に共通してみられる感情は大切な人を失うのではないかという不安(恐怖)、失ったと思いこんだ時に生じる悲しみ(悲嘆)や抑うつ、自分のもとを去った人に対して怒り(激怒)などがある。
ちょっとした出来事(パートナーから返信が返ってこない等)が誇張され、過度な喪失感や見捨てられ感のきっかけとなる。
このスキーマを持つ人の特徴
・見捨てられるのが怖くて、相手にしがみつく
・見捨てられる前に、自分から相手との関係
を切ってしまう。
・「見捨てられて傷つくなら、人と関係を
持たない」と考えはじめから人と関わらない
ようにして、大切な人を作らない。
② 「不信・虐待スキーマ」
「この人は嘘をついているのではないか」
「この人は何らかの方法で自分を利用しようとするだろう」など他者に対して「不信」の目を向けるスキーマ。
このスキーマを持つ人は、他人は自分を虐待し
恥をかかせ、不当に扱う存在だと考えている。
相手が自分に好意的に接してきた場合でも
相手に何か裏の意図があるのではと考える。
他者が自分に対して誠実であったり、
正直であることが信用できず
対人関係において非常に慎重で疑い深い。
このスキーマが活性化すると
主に不安と恐れを経験する。
このスキーマを持つ人の特徴
・他人を疑ってかかり、心を開かず、
本音を明かすことがない。
・他人に心を許さず、人から親切にされても
「何か裏がある?」と警戒する。
・でも、人を信じたい。
特定の人に過度な期待を抱きすぎることも。
・「相手が本当に信じられるかどうか」
「実は騙しているのでは」という
思いに駆られて、相手の情報収集をしたり
相手の些細な言動に意味を見出す。
・「やられる前にやってしまえ」という思いに
駆られ過剰防衛して、相手を攻撃する。
③ 「愛されない、わかってもらえないスキーマ」
「人は自分を愛してくれない」
「私は人に愛される存在ではない」
「人は私を理解してくれない」
「誰も私のことを理解しようとしてくれない」
「私の気持ちは誰にもわかってもらえない」
というスキーマ。
他人が自分を愛したり安心感を与えたりする関わりを与えても自分のことを心から理解したり、愛してくれたり、守ってくれる存在だと感じることが出来ない。
このスキーマを持っていることに気づいてる人は少なく、孤独感、苦痛、抑うつなどを訴えるが、自分に何でそのような感情が湧くか不明瞭なことが多い。
このスキーマを持つ人の特徴
・狂おしいほどに「愛されたい」
「わかってもらいたい」と願っている。
・相手(家族、友人、恋人など)に
「私を愛してほしい、わかってほしい」
という気持ちを強烈に向ける。
そのため周囲から「依存心が強い」
「わがままでどうしようもない」
だと思われてしまうことも。
・「自分は人から愛されない」
「どうせわかってもらえない」と諦め
人とは仲良くしようとせずに、
よそよそしい態度を取る。
④欠陥・恥スキーマ
「自分は人間として欠陥のある存在だ」
「自分は根本的にダメ人間だ」
「自分は欠陥だらけで良いところなんて何もない」
というスキーマに
「そういう自分は人間として恥ずかしい存在だ」
「こんな自分が知られたら恥ずかしくて生きていけない」
という「恥」の感覚が合わさったスキーマ。
このスキーマを持つ人は現実はどうであれ
「自分が自分である」こと、
それ自体を慢性的に恥じている。
自分の言動に欠陥があるということではなく
自分の存在そのものに欠陥があると、どうしても感じてしまう。
このスキーマを持つ人の特徴
・自分の欠陥が他人にばれないように振る舞い他人から拒絶されることにひどく怯えている。
・欠陥がばれないように人と一緒に行動をしない。人と個人的な話は避ける。
・人に評価されるような場所を避ける。
自分のちょっとしたしくじりに過敏に反応し
しくじった場所に二度と行かなかったり、
しくじりを目撃した人との付き合いを避ける。
・自らを過小評価するため、
他人からの過小評価も甘んじて受け止める。
・「自分の欠陥がばれたらまずい」という思いから「完璧に振る舞わなければならない」と自分にルールを課して、物事にやたらと完璧に取り組もうとする。(自己愛的になることも)
⑤孤立スキーマ
「自分は変わり者だ」
「自分は誰とも似ていない」
「自分は世界から孤立している」
「自分は誰とも交われない」と考え
どこにも所属できず周囲から取り残され、
蚊帳の外にいる感覚を持つスキーマ。
このスキーマを持つ人は他者から疎外されていると感じ、自分は孤独で独りぼっちだという思いを持っている。
ある社会的な集団において、
周囲から馴染んでいるように見えても
本人はそのように思うことができない。
このスキーマを持つ人は、
幼少期から違和感を抱きながら育ってきた。
アルコール依存症の親を持つ人
外傷体験を持つ人
際立って容姿が美しい/醜い人
周囲に比べ裕福/貧困な家庭の人
発達障害を持つ人
身体障害を持つ人
同性愛者の人
などがこのスキーマを持ちやすい。
このスキーマを持つ人の特徴
・社会的な場面で孤立していることが多く、
自分から人に話しかけようとしない。
・社会的場面に出ず、引きこもっている場合もある。
・他人と交わる必要のない趣味に没頭する。
・「本当はどこかに属したい」
「居場所がほしい」「自分が中心人物になりたい」と考え
何らかのコミュニティやネットの世界で、
自分が“世界の中心“であるかのように振る舞ったり熱心に他人の面倒を見たりすることもある。
記事が長くなったので、
今回はここまでとします。
第二領域以降の早期不適応スキーマについての
説明は次回の記事で書きます。
ここまで読んでいただき
誠にありがとうございました。
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