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予防運動関連まとめ

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予防医学を運動の側面から実現するのが予防運動療法です。予防運動の考え方や啓蒙のための記事を集めました。
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2021年8月の記事一覧

【日記】駆け込み寺としての予防運動の場

本日は年に数回きていただいている方が来店されました。 外反母趾が痛く病院に行ったら医師からは、「良くはならないから、悪化しますからいつでも手術しますよ。」と言われ、生活で注意すべきことなどあれば教えて欲しいと伝えると、「自分は外科なのでそういう予防的なことは知りませんので、他になければお帰りください。」と言われたそうです。 ショックだったそうです。 突き放された感じがしたと。態度も横柄だったそうです。忙しいのは分かるけど、手術以外の説明はなし。予防すべきこと注意点もない

【日記】「外傷」と「障害」の違い

大きな力がかかって起こる骨折や脱臼、捻挫などは「外傷」といい、整形外科の疾患の多くを占めます。 外傷に対して、小さなストレスの積み重ねで徐々に変形するような変形性関節症や関節のルーズニングなどは「障害」と言われています。 この「外傷」と「障害」という分類から、整形外科疾患の有病率を見てみましょう。 2012年の日本整形外科学会の調査では「外傷」と「疾患」とされています。 ※報告のPDFより見やすいように修正 診断小分類というのも提示されています。 その中で、疾患とい

【ピラティス日記】なぜピラティス指導はフォームローラーでいいという結論に行き着いたのか?

僕は現在ファンクショナルローラーピラティスというメソッドを作って、予防医学の実現のために全国に広めています。 元々ピラティスの勉強はポールスターピラティスという団体で取得しました。取得したのは2007年ですから、今から14年前ですね。その当時は、まだ理学療法士でピラティスを実践しているという人は少なかったので未知の世界でしたが、直感でこれはきっと役に立つだろうと思っていましたので、今ではあの時に決断して良かったなと思っています。 さてピラティスの指導には、マットエクササイ

【日記】真実に気づく者は、いつもマイノリティである

いつぞやのテレビドラマで伝えていたテーマです。 ときにその気づいた真実は、ある者たちにとっては不都合な真実であり、それに気づいたものは迫害されるという物語です。 そのドラマでは、温泉だったと思いますが、村の売りである温泉に毒物が入っていることに気づいた人が、その事実を村人に伝えると、村人たちから変人扱いされて迫害されるというストーリーでした。 予防医学は、ある意味でそういう部分もあるかもしれません。 変性疾患の多い障害を予防してしまうと困る人たちもいます。障害の発生メ

【日記】指導者を広めると同時に「店舗・場」を増やさないといけない

今日は京都からパーソナルレッスンを受けに来て頂いた方がいてとても嬉しかったです。北海道から定期的にいらっしゃる方もいます。 何故か? 僕のように予防運動の視点で体のメカニズムを見てくれるところがないからです。僕にとっては当たり前のことなのですが、まだ日本の医療や運動指導の中では当たり前ではなく、珍しいのです。 ですから意識の高い方は検索して、わざわざ遠方であっても足を運んでくれるのです。とても嬉しいです。 そう言う僕も歯科の治療に京都まで行ったり、勉強ならインド、オー

【日記】ナッジ理論から予防運動を考える

「ナッジ理論」とはもともと行動経済学から出てきたもので、「背中を押す」的な意味で、人が何かを選択するときに一押しすることで、その選択を実行しやすいというものですね。意図的に、他者に選択や行動を行ってもらうための工夫ということですね。 健康・体力づくり事業財団さんの雑誌「健康づくり」で特集されていますので、こちらは是非目を通して下さい。 また、厚労省の受信率向上施策ハンドブックもおすすめです。こちらからダウンロードできます。 EASTのフレームワークもとてもわかりやすいで

【臨床日記】脚長差からのPF障害

外科医から手術を告げられていらっしゃった方です。遺伝性の関節のルーズがあるから手術しかないと。 みさせて頂いたところ9ミリの脚長差がありました。脚長差の中ではかなり高い方です。 痛いのは左で、見ると膝に伸展制限(屈曲拘縮)がありました。短いのは右なので、長さを補填するために左膝を曲げて対応していたのです。ですから立位で骨盤の高さには差がありませんでした。上手に代償されていたんですね。本人も気づいていませんでした。 PF障害というのは、膝蓋骨と大腿骨の関節で、膝が曲がると