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あまり役に立たないカリ観光ガイド

8月の終わりから9月にかけて4日間ほど、コロンビアのサンティアゴ・デ・カリ(通称カリ)に滞在しました。コロンビアは太平洋と大西洋(カリブ海)の両方に面しており、それが文化の区分にもつながっているようで、カリは太平洋に面しています。標高は1000メートルと比較的高いものの、過ごしやすい気候のボゴタ(2600m)に比べるとだいぶ低く、滞在時は30度近く蒸し暑い日が続きました。

暗いですが、有名なディスコ「ラ・トパ・トロンドラ」のダンスフロアです

カリといえばサルサ発祥の地で、代表曲「カリ・パチャンゲロ」からとってパーティ好きのことを「パチャンゲロ」と呼ぶようです。写真は暗くなってしまいましたが、有名なサルサのディスコ「ラ・トパ・トロンドラ」にも行きました。サルサの本場の中でも有名なクラブということで猛者が集まるそうで実際に熟練のダンサーが集まっていましたが、後述のように大学の友達らと来ていたのであまりサルサのステップのことは気にせず、いつもクラブでやるように適当にヴォーギングとポッピングをまねしたような踊りをして楽しみました。邪道な気もしましたが、一緒に踊っていた子も「私もサルサはちゃんと踊れないパーティ・ダンサーだけど、適当に踊れて楽しかった」そうです。私はシャイなので友達らとしか踊りませんでしたが、陽気なダンサーの友達はダンス・フロアの全員と踊ったのではないかというくらい積極的でした。余談ですが、南米人の友達はダンサーではなくてもバッチリ踊れる人が多いのに対してヨーロッパではそこまで堂々と踊れる人は少ない気がします。照明を落として、ステップなどを気にしなくても踊れる単調なテクノ系のクラブやレイヴがヨーロッパで主流なのはその表れなのかなと思いました。

日産のディーゼルのジープ。こちらともう一台の二台で30人ほど参加

今回滞在していた理由は地元の大学のパフォーミング・アーツ学科の卒業発表があったためで、私の交換留学先のコロンビア国立大学のパフォーミング・アーツ学科の学生らとともにカリに来ました。とはいえ、渡航費や滞在費は自費のため必修ではないことや、子どもがいて旅行できないなどの理由で来ていない学生も数人いました(修士課程のプログラムなので、学士をあがってすぐの学生から私のようにギャップをあけて入学した人などさまざまです)。パフォーマンスの会場はさまざまで地元のシアターがメインですが、中には一時間ちょっとの間ジープに乗り、カリ市街を流れるカリ側の源流近くまでハイキングをする参加型のパフォーマンスもありました。日産のジープはおそらく1950年代のものを修理しながら使っているもので、荷台に12人詰め込まれました。危ないのではと思っていましたが、市街で対向車のジープを見ると荷台の後ろにしがみついて乗っている人たちもいたのでそれに比べればなんということはなかったです。それでも山奥では舗装がないので、バンピーな道を荷台のフレームにしがみついて進んでいくのはスリル満点、着いた時にはくたくたに疲れていました。

ハイキングははじめはこのように平坦でしたが、途中から崖の隣を歩いていくような危険な道も
滝でのパフォーマンス
白人系は自然の中で泳ぐのが好きな印象

途中に滝と水のたまりの二か所チェックポイントがあり、花を流す儀式的なパフォーマンスの後に水浴びをしました。ヨーロッパでも湖で泳ぐことがときどきあったので抵抗はなかったのですが、水が冷たすぎたので私は滝に打たれる体験だけをしました。一瞬だけ滝に入ったのですが、やはり冷たすぎて終始叫んでいました。

会場の一つのシアター

もちろん普通のシアターでもパフォーマンスがあり、コンタクトマイクなどを使ったニュー・ミュージック的なものや地元のおばあさんを呼んで苦労した体験を語った後に特産のサトウキビのジュースを振舞ってくれたものなどテーマはさまざまでしたが、共通点を上げればどの作品も Ableton Live などを使ってサウンド・デザインを凝らしていました。

アイコニックな印刷店「ラ・リンテルナ」

観光情報としては、ファサードにポスターが敷き詰めるように貼ってありよく目立つ印刷店「ラ・リンテルナ」がおすすめということで立ち寄りました。カラフルなポスターやポストカードなど多くのセレクションがあり、後から気づいたのですが泊めてもらっていた友達(正確には友達の友達の友達)の家にもいくつかポスターがかけてありました。

ラ・テルトゥリア美術館の Luz Lizarazo の展示

コンテンポラリー・アートの美術館、ラ・テルトゥリアではテキスタイル系がメインの特別展がいくつもあり、中でも Luz Lizarazo のストッキングを敷き詰めた部屋は圧巻でした(個人的にスケールの大きいアートにはまっていることもありこちらが気に入りました)。

美術館のショップで見つけた地元のブランド「ラ・カハ・デ・パンドラ」

美術館のショップでは地元のハンドメイドのグッズなどもあり、中でも「ラ・カハ・デ・パンドラ」のウエスト・ポーチはシンプルながらポップなデザインで人気でほかにも買っている学生がいました。私はホログラフィックなグッズに目がないので左上のものを購入。およそ2000円と安くてうれしい反面、もう少し高くてもよかったのにと思います。残念ながらカリの外では手に入りませんが、 Instagram もかわいいのでぜひチェックしてください(こちらの90年代インスパイアのカラー・パレットのものがあったら、ホログラフィックとどっちにしようか迷っていたと思います)。

カリでも人気のアレパ

食べ物はヒップなレストラン「ゼア・マイス」のアレパのサンドウィッチがおすすめです。私は鶏肉やキノコの入ったものを注文しましたが、ベジタリアンやビーガン・メニューも充実。また、ジュースは砂糖を追加していないナチュラルなもので、タマリンドのジュースを頼んだところ口がゆがむ酸っぱさでした。ただ、サトウキビのシロップもついてくるので好みで甘さを調節できます。

パン・コン・ケソとパンデボーノ

地元のパン屋でのおすすめはパン・コン・ケソとパンデボーノ。パン・コン・ケソはその名の通りチーズの入ったパンですが、クロワッサンのような見た目に対してパイ生地のようなサクサクとした食感。パンデボーノはチーズが練りこんであり、塩味ですが食感はミスタードーナツのポン・デ・リングのような感じ( Wikipedia によるとポン・デ・リングのもととなったブラジルのポン・デ・ケイジョもチーズが練りこんであるので、恐らくそのカリ版なのでしょう)。

街のようす。道端に穴が開いてふさがれていなかったり、生活水準はボゴタとはだいぶ違うことを実感

4日間で自然、(ナイト・ライフも含めた)文化、食とカリを満喫しましたが、ボゴタと比べて治安や生活水準が大きく違うことも実感しました。道端に穴が開いていたり何気なく歩いていると高い段差があることに気づいたりしましたが、実際にボゴタから来ていた先生の一人は転んでしまい腕を折ってしまったそうです。また、泊まっていた家の隣では始終工事があり、騒音はともかくとしてベランダの窓を開けっぱなしにしていると粉塵が入ってくることも。朝からモップをかける羽目になってしまいました。レストランも老舗の食堂のようなところでは食べ物はともかく衛生状況に問題があったり(詳細はご想像にお任せします)、ここに住んで実際に生活するのは難しいなと思いました。

最後に、旅行ブログらしく空港のようす。カリ空港は市街からタクシーで一時間ほど。コロンビアではタクシーが安いのでホテルのシャトルなどがある場合は別として、宿との行き来はタクシーがおすすめです(片道2000円ほど)。日本でもそうですが、地方空港では特に保安検査の後に店がほとんどないことがあるので、検査を通過する前に念のため調べてみたところやはりそのパターンでした。なので先に写真に写っているモールのエリアにあるレストランで昼食を済ませました。ボゴタ行きはほぼ満員でしたが、飛行時間は三十分ほど、乗ってからの待ち時間含めても一時間ほどで着くのでストレスはありませんでした。

これまでの記事にご反応やご支援いただいた皆さま、ありがとうございます!ボゴタに戻ってからもまた適当な頻度で note を更新するつもりなので、💗やチップをいただけたらモチベーション維持につながるのでよろしくお願いします🙇‍♀️また、コロンビアの気になるテーマ、試してほしいことなどあればコメントいただければ参考にしますのでお気軽にどうぞ!!

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