NAOTO@TOKYO

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最近の記事

DISTANCE.mediaのトークイベント「記憶のデザイン」~記憶が消えないうちの記録

2024年3月17日(日)に開催されたDISTANCE.mediaのトークイベント「記憶のデザイン」。記憶が消えないうちの記録を残す。 【第1部】「記憶と場所」 柴崎友香×山本貴光会場のミラーボールがいつ回るか。 『記憶とデザイン』の出版。SNSを日々使うが、翌日には内容を忘れる。白昼夢を見る感覚で、覚えていない。 記憶を助けるようにできないか、情報を見晴らせないか、という問題意識。 岸政彦さんとの共著エッセイ『大阪』。こどものころの記憶は、比較的覚えているほう。 時系列に

    • TAKRAM RADIO|Vol.207 会話のなかでの引用のかたち〜他者の言葉・自分の言葉

      IntroductionJ-WAVEのTAKRAM RADIO。引用をテーマとした、渡邉康太郎さんのひとり語り回の第1週目のメモ。 振り返り哲学研究者・永井玲衣さんの「対話のための三つの約束」の話は、『DESIGN AND PEOPLE』にも記載があり興味があったところ。 偉い人の言葉を使うことで、あたかもそれが正解であるかのように思考停止してしまうことは、よろしくない。ただ、自分なりの解釈や実感のズレを追加できることがよいのはもちろん、事例として紹介するだけでも十分に意

      • 『DESIGN AND PEOPLE|Issue No. 1』刊行記念 ABC CROSS TALK 01 のメモランダム

        『DESIGN AND PEOPLE』株式会社コンセント発行の『DESIGN AND PEOPLE』。刊行記念として青山ブックセンター本店で開催されたトークイベントの内容をもとに、気づきや問いを書き残す。 トークイベントでは、「デザインと教育」という切り口のもと、寄稿者の中から教育者としての顔を持つ方々(渡邉康太郎さん・佐賀一郎さん・ 脇田あすかさん・ 赤羽太郎さん)をスピーカーに迎え、『DESIGN AND PEOPLE』の編集長を務めるコンセントの吉田知哉さんをモデレー

        • TAKRAM RADIO|Vol.193 要約で広がる本の世界〜タイパに抗うためのタイパ

          IntroductionJ-WAVEのTAKRAM RADIO。株式会社フライヤーから代表取締役CEOの大賀康史さんと執行役員の久保彩さんを迎えた、第1週目のPodcastのメモ。 AIによる音声の自動文字起こしや要約が進化を遂げる中で、人間がPodcastのメモをとる行為の意味に思いを巡らせる。 たとえば、印象に残った箇所を太字で記載することで、鑑賞後の映画のように他者との着眼点の違いを面白がれること? または、自身の脳内で台詞を反芻して言葉を整理・選択することで、既

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          『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第二回「硬い柔らかい」』からの脱線

          Introduction2023年7月23日(日)に青山ブックセンター本店で開催された、『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜』シリーズ。第2回のテーマは「硬い柔らかい」。「脱線」と称して、連想されたPodcast・曲・本などのコンテンツとともに振り返る。 ※第一回「長い短い」のnote記事はこちら。 今回の選書今回は、互いに3冊ずつの選書。 嶋浩一郎さん 川上和人『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 北尾トロ・えのきどいちろう『愛

          『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第二回「硬い柔らかい」』からの脱線

          TAKRAM RADIO|Vol.184 「学びの成長痛」との向き合い方

          IntroductionJ-WAVEのTAKRAM RADIO。株式会社学びデザイン代表取締役の荒木博行さんをゲストに迎えた、第2週目のPodcastのメモ。 Podcastで公開されたフル尺の会話により、荒木さんの以下のツイートへの納得がさらに深まった。後半の畳みかける展開が、非常に刺激的。 「下手の楽しみ方」からの思考のジャンプは、ゲストに和田夏美さんを迎えた、超相対性理論の 「人はいかにして主人公になれるのか」回の延長戦を聴いているような感覚でもあった。 メモ学び

          TAKRAM RADIO|Vol.184 「学びの成長痛」との向き合い方

          『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第一回「長い短い」』の走馬灯

          Introduction2023年5月20日(土)に青山ブックセンターで開催された、『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第一回「長い短い」』。 死の間際、きわめて"短い"刹那の間に、"長い"人生が思い返されるという走馬灯のように、イベントを振り返る──。 "走馬灯"という振り返りの手法とその実践は、以下のPodcastの渡邉康太郎さんの語りを参照。 課題図書今回選書された課題図書は、以下の6冊。 嶋浩一郎さん 『君のクイズ』 -

          『嶋浩一郎&渡邉康太郎の、一見役に立たない、けれども大事な読書会2023〜第一回「長い短い」』の走馬灯

          TAKRAM RADIO|Vol.182『「時間の奪い合い」時代の「鈍さ」のススメ』

          IntroductionJ-WAVEのTAKRAM RADIO。有限会社BACH代表/ブックディレクターの幅允孝さんをゲストに迎えた、第2週目のPodcastのメモ。 メモ先週の振り返り 幅:だらだら喋ってしまった。考え続けることが重要。とても楽しかった。 渡邉:ゆっくり歩くことで、道端の大事なものを見つけられる、と寺田寅彦もいう。 京都の私設図書室「鈍考」 幅:私設図書室兼喫茶店である、「鈍考」をオープン予定。手回しで1kgしか焙煎できないコーヒーをネルドリップと

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          荒木博行『独学の地図』

          荒木博行さんの『独学の地図』の感想を記す。再読して言葉に出会い直すたびに、また違った感想を得られるものと想像するが、まずは初読でのメモ。 本書を通して、学びはきわめて日常的なものであることが強調される。その中で、「実用的な知的欲求」だけがモーターだった人に対して、「純粋知的欲求」の駆動法をはやいうちに体感として知っておいたほうがいい、と説くことが荒木さんからの強いメッセージであると解釈した。 安易な「それっぽい一般論」に逃げず、いったん経験を描写するだけにとどめる 経歴

          荒木博行『独学の地図』

          若松英輔『生きる哲学』からの引用 ~志村ふくみ~

          上記の記事に続き、批評家・若松英輔さんの『生きる哲学』からの引用。 第五章「聴く 志村ふくみと呼びかける色」より。 染織家・随筆家の志村ふくみさんの『一色一生』にて、彼女が引いたという十八世紀のドイツの作家・ノヴァーリスの一節が印象的。 顕在した表現は、その裏にある潜在した表現と隣り合わせである。 表現されたコトバと表現されなかったコトバの「あわい」は、分離されているのではなく、緩やかにつながっているのかもしれない。 以下は、志村ふくみさんが『色を奏でる』にて紡いだ言葉

          若松英輔『生きる哲学』からの引用 ~志村ふくみ~

          TAKRAM RADIO|Vol.179『聴く力〜居心地の悪さを分かち合う』

          IntroductionJ-WAVEのTAKRAM RADIO。エール株式会社取締役の篠田真貴子さんをゲストに迎えた、第1週目のPodcastのメモ。 メモ「聴く力を高める」エール株式会社の取組み エール株式会社取締役の篠田真貴子さん 渡邉:気恥ずかしくなり、TAKRAM RADIOがカタカナ読みに。 渡邉:お互いの独り占めタイム。 篠田:組織開発を手伝う。外部の人が企業の人に1on1を実施する。聞く力を高めることで、企業の打ち手のラストワンマイルをつなぐ。 エー

          TAKRAM RADIO|Vol.179『聴く力〜居心地の悪さを分かち合う』

          TAKRAM RADIO|Vol.178 メタファーは思考をあさってに跳躍させるか

          IntroductionTAKRAM RADIOの谷川嘉浩さんのゲスト回、非常に面白かった。Podcastが公開されたタイミングで改めて聴き直し、ツイートに収まりきらない感想とともに、メモ書きをnoteに記載しました。 感想渡邉康太郎さんと谷川さんの間で、考えの共振する箇所が多い分、寄り道しながら発散が膨らんだことが何よりも面白かった。 その中で、谷川さんの挟む具体例やエピソードが、これまでに渡邉さんが挙げてきた範囲にはない角度からだったことが印象的。 まさに「どこに辿

          TAKRAM RADIO|Vol.178 メタファーは思考をあさってに跳躍させるか

          関口涼子『カタストロフ前夜――パリで3・11を経験すること』からの引用

          引用による新たな創造関口涼子さんの『カタストロフ前夜――パリで3・11を経験すること』。 この書籍のように、たとえ災害時や緊急事態のタイミングでなくても、日々の記録を残すことや、一回性の人生の中で立ち現れた感情の軌跡を記すこと。 そんな行為を大事にしたいと思いながら、なかなか筆が進まずにいる中、書籍の引用という形を見出してみてもいいのではと考える。 自身の手で新しい文章を生み出さずとも、その時々の琴線に触れた言葉を残すことで、それ自体が新たな創造となればいい。 「声は

          関口涼子『カタストロフ前夜――パリで3・11を経験すること』からの引用

          『ドミニク・チェン『未来をつくる言葉』文庫版感想戦! ドミニク・チェン × 渡邉康太郎 トークイベント』まとめ

          はじめに2022年10月2日(日)、青山ブックセンターで開催された『ドミニク・チェン『未来をつくる言葉』文庫版感想戦!ドミニク・チェン × 渡邉康太郎 トークイベント』の備忘録。 ドミニクさんの著書『未来をつくる言葉』の文庫化にあたり、表紙の装幀と解説文の寄稿を担当した渡邉さんと繰り広げられた感想戦から、印象に残ったエピソードを綴る。 感想戦の幕開け「感想戦」という名づけは、将棋に由来する。そんな渡邉さんからのイントロでイベントは開始する。 一般的に、将棋は全ての情報が

          『ドミニク・チェン『未来をつくる言葉』文庫版感想戦! ドミニク・チェン × 渡邉康太郎 トークイベント』まとめ

          TAKRAM RADIO|Vol.150誰もが取り組む「デザイン」を考える〜祭りから料理まで

          Introduction渡邉康太郎さんがナビゲーターを務める、J-WAVE『Takram Radio』。『誰もが取り組む「デザイン」を考える〜祭りから料理まで』と題し、服飾デザイナーの廣川玉枝さんを迎えて収録された回(2週目)のメモを記載。 文化服装学院の入学式で受けた衝撃番組内でも言及されていたPOLAのwebサイトのインタビューとは、こちらの記事だろうか。廣川さん自身が、文化服装学院の入学式で恐怖に慄いた経験から、2-3年生を経てステップアップしていく過程を語る。 美

          TAKRAM RADIO|Vol.150誰もが取り組む「デザイン」を考える〜祭りから料理まで

          若松英輔『生きる哲学』から考える「読む」と「書く」

          「読む」と「書く」批評家・若松英輔さんの『生きる哲学』。特に、「読む」と「書く」に関する終章の記載の数々から、自身が書き手・作り手になることの後押しを受けるように感じられた。 ここに記す言葉は、もしかしたら、将来の自分に宛てられた手紙となるかもしれない。「コトバとの出会いは、一回的な邂逅である」という記載のとおり、また別の瞬間に自分がこれらの文章を目にしたときにも、想起されるイメージは今とは異なるはずである。 本書内部で、カタカナ表記される「コトバ」とは、広義の意味での言

          若松英輔『生きる哲学』から考える「読む」と「書く」