若松英輔『生きる哲学』からの引用 ~志村ふくみ~
上記の記事に続き、批評家・若松英輔さんの『生きる哲学』からの引用。
第五章「聴く 志村ふくみと呼びかける色」より。
染織家・随筆家の志村ふくみさんの『一色一生』にて、彼女が引いたという十八世紀のドイツの作家・ノヴァーリスの一節が印象的。
顕在した表現は、その裏にある潜在した表現と隣り合わせである。
表現されたコトバと表現されなかったコトバの「あわい」は、分離されているのではなく、緩やかにつながっているのかもしれない。
以下は、志村ふくみさんが『色を奏でる』にて紡いだ言葉。
人間がコミュニケーションの上で他者と"編む"・"織る"行為においても、ともすると、色や糸のように、個人そのものは決して交わらないのかもしれない。ただし、それぞれの持つ色の濃淡や糸の太さのグラデーションにより、そこに模様が浮かび上がる。
また、この一連の流れで想起された思考は、自発的に芽生えたものではなく、他者からの影響を受けたものである。ただし、以下の表現を借りて、それは自分の内面と向き合う行為なのだと解釈したい。
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