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「僕らの地球の歩き方」 #マンガ感想文

長らくマンガのレビューをちゃんとしてなかったなぁなんて思ったので、最近面白かった作品をしばらくシェアしていきたいと思います。
BL多めかも。因みに今回は早速BLです。


『僕らの地球の歩き方』作:ソライモネ
※4巻まで発売


ゲイカップルの朝日(あさひ)と深月(みつき)が、「世界一周できたら、結婚しよう」という約束をもとに世界を巡る、旅行記(フィクション)×BL。

真面目で少し後ろ向きな朝日と、爛漫でポジティブな深月の凸凹カップルが本当にかわいい。お互いのことが大好きなのが駄々洩れなところが微笑ましくてたまらない。僕とパートナーの住むマンションの隣の部屋に越してきてくれないかな。

性描写が軽い(当社比)ので、あまりBLを普段読まない人も読みやすい作品かと思います。

現実世界、現代の日本で生まれ育ったふたりという設定なのでもちろん世界一周できても日本では同性婚は出来ません。それでも自分たちの関係性は「結婚」なのだと受け止められるくらい、ふたりの将来に対しお互いが向き合っていくための世界一周旅行。
「世界一周できたら」は「出来なかったら別れる」とも受け取れるけれど、朝日も深月もそう考えるよりも「これから先も一緒にいるために世界一周する」と考えているんだなと感じられるのが、なんともいとおしい作品でした。真っ直ぐな相思相愛は見ていて幸せな気分になりますよね。微笑ましい関係性が好きという方、おすすめですよ。
朝日はカムアウトを深月よりも重く考えていたり、自分が同性のパートナーを選んでしまったことを、お互いの家族に対しても申し訳ないなんて考えています。だから彼にとってこの旅は深月と一緒に人生を歩むために自分を変えるという課題も抱えていて、戸惑ったり悩んだりしながら自分に纏わりついている仄暗さを乗り越えようとするのですがその姿も健気で!そりゃ深月は惚れちゃうよね〜!と応援せずにはいられません!でも深月は深月で素敵なんですよ。悩んだり葛藤に沈む朝日に何度もあたたかく手を差し伸べる姿が、名前は“月”だけど太陽みたいで。あったかくていい子。お調子者だし子供っぽくはしゃぐことが多いけど、朝日と楽しみたい、元気づけたいって気持ちが根底にしっかりあるのがほんと、大型犬みたいで…… あ、ワンコ攻め好きな方にもおすすめです。

朝日と深月を通して、ゆく先々の文化や美しい風景、グルメに触れる旅行記としての楽しさはもちろん、旅の中で特に朝日はこれまで抱えてきたゲイとして生きることや周囲への懸念などとも向き合っていきます。旅先では現地のセクシャルマイノリティとの出会いや、友人や兄弟と再会する回もあり、周囲に対する自分たちの関係性をどう表現するのかふたりで考え、伝えようとしいきます。その伝える様子も巻を重ねるごとに変化していき、当事者としては涙なくして読むことが出来なかった場面もありました。まだ完結していないので、今後の展開も楽しみです。

朝日と深月が、僕とパートナーが結婚出来る日本になってほしいです。



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