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「俺(私)の周りにLGBTなんていない!」について/職場でのカムアウトの話

年末ですね。いかがお過ごしでしょうか。
先週、冬季賞与の査定結果として、直属の上司との面談がありました。その際に上司にもカムアウトしたので今日はその話を。


今まで上司にはカムアウトしていませんでしたが、日頃から仲がよく、可愛がってもらっていると思っています。性別や年齢関係なく、対等に仕事をこなす必要がある部署だからかもしれませんが、業務上でもそれ以外でも話がしやすい信用の置ける男性上司です。

「この人なら、カムアウトしても良いかもしれない」
いつからかそう思うようになりました。
この上司からはあまり言われませんが、ずっと同じチームで仕事をしていく上で、女性の部下が結婚や出産をする予定があるか否かは上席として気になるのが当たり前だと思います。実際、仕事も気配りも出来る方なので、チーム全体のことを考えたらそういうことに対して、“備え”をしたいタイプの人であると感じます。(チームのマネージャーとしては当たり前だとも思いますが。)
特に所謂適齢期のアラサーに差し掛かった頃から、「僕もいつか言わなくてはなぁ」と考えるように。

そして年齢的に、今言うのが一番良いと思いこの日の面談でカムアウトすることに決めました。
友人間では割とオープンにしているし、社内でも仲の良い同期等の三人にカムアウトしていたので、仲の良い上司に対してなら緊張もしないだろうと思いました。実際、賞与の度に行われるこの面談で緊張することは今までなかったので。

そして面談の日。
半年間の業務の振り返りと、今後目指したいポジションや上司、先輩像などを話しながら頭の中の大半は「いつカムアウトするか」で占められていました。

「最後に話したいことはある?」

その問に、カムアウトを返した。
「私はLGBT当事者で、性自認は男女共に決めていません。2年前に彼女と結婚式を挙げています。」

流石に驚いた様子だったし、その後の会話はとても言葉を選んでくれているのがわかって、その気遣いが嬉しかった。

「で、どうしているの?困ってはいない?」と聞かれた時に、瞬時に親のことかなと思った。
「親はなんて言っているの?」という意味かな?と。
実際そう聞いてくる人も中にはいるので。(別に聞かれるのが嫌というわけではない。)

「え?どうって何をですか?親のこととかですか?」
そう当たり前のように返すと、上司は続けた。
「いや、親はどうでも良い。社会保障とか、そういう事。」
その時、「あ、この人の部下で良かったな。」と思った。この人は世間体ではなく、僕個人を見て、心配してくれている。

僕が一通り話したあと、上司は「大変な道を選んだね。」と少なからず僕を労う様に話すと、
「色んな人がいるな…」
とポツリとこぼした。

違いますよ、上司。

恐らく、あなたがこういう、他者を解しようとしてくれる人だからこそ、あなたの周りには「色んな人」がいるんです。

色んな人は「色んな」部分を隠して生きています。
「色んな」部分を見せても良いかなと思える、信用の置ける人にだけ、その部分を見せているだけなんです。

僕がカムアウトをしていない人が、少し前に「俺の周りにLGBTはいない」と言っていました。

すぐ側にいますよ。

あなたが私にとって話したくなる、信用の置ける人間ではないと言うだけのことです。

私の周りにも、色々な人がいます。

色々な人がいて、良かったと思えます。

₍ᐢꙬᐢ₎サポートいただけたらめちゃくちゃモチベーションが上がります! 良ければ一緒になにか面白いこととか出来たらうれしいです。