北野武さん著書 「新しい道徳」を読んで!

北野さん作品は色々好きなのたが、映画ではアウトレイジの爽快さ人間の裏側など北野さんらしい視点で映画が作られている。

今回、北野武さん著書の「新しい道徳」を読ませていただいた。

話の切り込み方が面白く、考え方がストレートに伝わるので読みやすかった。

道徳に関しては、人それぞれ色々な考え方がある為、正解がない。

そのためこの本を手に取り面白いと思う方もいれば、この考えはないだろうと思う方もいるかもしれない。

ただ、それでもいいと感じている。
道徳とは十人いれば十人の答えがあるからだ。

☆☆☆

この本で、私が面白い(興味を引いた)と感じた箇所は、小学生が読んでいる道徳の本箇所だ。

○電車で年配の方が立っていました。貴方は席に座っています。どうしますか?
→大抵の子どもたちは、席を譲ると回答する。

そのように誘導するかのような教科書の書き方だ。
次になぜ席を譲りますか?となる。

長く立っていると、疲れるから。交代してあげる。相手に優しくしてあげると気持ちがいいから。

理想的な解答だ。

数学で言えば、
A=B B=C だからA=Cとなると言ったわかりやすい解答だ。

☆☆☆

年配=疲れていそう。足腰弱そう。
優しい事をする=気持ちいい。

これが見事にリンクして席を譲ることになる。

では、全ての年配の方が疲れているのか、足腰が弱いのか!
もしかしたら、フルマラソン完走した超人的な年配者かもしれない。また、登山家で足腰の強さは20代レベルの人かもしれない。

ただひとくくりに「年配」とする事が考えるべきポイントになってくる。
この教科書を作られた方の伝えたい気持ち、とってもらい教え、行動はわからなくはないが、あらゆるケースがあることも伝えなければならない。

伝える先生、親がそれを理解した上で子どもたちに話をするのならばいいのだが、
教科書通りのそのままを伝えてしまったら、子どもたちが教科書通りの解釈をしてしまったらどうだろうか。

☆☆☆

人とのコミニケーションである、挨拶や御礼についても、気持ちがよくなるから挨拶をしましょうとなっている。

確かに間違ってはいない。
しかし挨拶とはそれだけではないはずだ。

嫌な言い方だが、気持ちが良くないと感じれば、挨拶はしなくてよくなる。

もちろん御礼や謝罪もしなくてよい。

なぜ挨拶をするのか、なぜ御礼の「ありがとう」を言うのか。

自分と相手とのコミニケーションをする第一歩。
挨拶。いきなり知らない人から知らない話題を話されてもドキッとして距離を置いてしまう。

自分と相手とスムーズに話ができるように、私は貴方の味方で敵ではないですよと言えるつかみでもある。

元気な挨拶は確かに気持ちがいい!
ただ道徳の教えは、本来の目的を見失うことがある。

時代によって道徳・価値観は大きく変わる。
戦争中、国のために「死ぬ」のは名誉であった。戦争に負け、価値観が変わり国ではなく家族・自分の人生を生きる人が重視される。

自分の軸、価値観をしっかり持って進むべきだと教えてくれた本でした。

興味があれば是非手に取ってみてはどうでしょうか?

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