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彫刻家・瀬戸優さんのテラコッタ教室に参加してきた話


はじまりは、2020年夏。
応援している彫刻家の瀬戸優さんが、クラウドファンディングで支援を呼びかけたこちらでした。

FireShot Capture 1594 - 美術作家が集う共同アトリエを作りたい! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) - camp-fire.jp

瀬戸さん自身だけではなく、多くの若手作家さんが共同で活動できるようなアトリエを立ち上げる、というもの。
開始からなんと!わずか2週間で!!!目標の100万円を大きく上回って終了しました。

1000円から10万円まで、さまざまなリターンが用意されていましたが、そのうちのひとつが、半日ずつの全2回で行われる、瀬戸さんのテラコッタ教室。参加してきて超絶楽しかったので、その模様をご紹介します。

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そもそも、瀬戸さんってどんな人?

瀬戸 優  /  YU SETO
彫刻家。1994年神奈川県小田原市生まれ。自然科学を考察し、主に野生動物をモチーフとした彫刻作品を制作する。
彫刻の素材であるテラコッタ(土器)は作家の触覚や軌跡がダイレクトに表面に現れ、躍動感のある作品となっている。
​画廊での展示販売を中心に国内外へ幅広く作品を提供。
( 公式サイトから引用 )


素敵すぎる瀬戸さんの作品は、ぜひご本人のInstagramからたっぷりどうぞ!!!

FireShot Capture 1597 - Yu Seto 瀬戸優(@yu_seto1222) • Instagram写真と動画 - www.instagram.com


ちなみに、先月5月には作品集が刊行されました!!!
彫刻も素敵ですが、クロッキーやペン画といった素描もとても素敵なんですよ。それぞれの魅力があって、同じくらい好きです。

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わたしは とてもありがたいことに、ご縁あってアートのWebメディア・OBIKAKEさんでインタビューさせていただき、作品の制作もお願いしました。

◎別記事でご紹介してますので、よろしければこちらもぜひ。


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テラコッタ教室 1日目:粘土でかたちを作る

夏を思わせるような、とーっても気持ちの良いお天気となった4月の日曜午後。葛飾区を流れる中川沿いを歩いて、共同アトリエ「OKUDO STUDIO」へ向かいました。

事前にいただいていたメールでは、持ち物や作品のだいたいのサイズ感、題材は何を作ってもOK、などの案内があったので、なに作ろうかなー!と、当日まであれこれ考えている時間も楽しかったです。

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アトリエには、リターンにテラコッタ教室を選んだ10名全員が集まりました。
わたしは参加される皆さん全員と初対面でしたが、みんな瀬戸さん作品のファンなんだなぁと思うと、なんかそれだけで勝手に親近感w

定刻になると、最初に瀬戸さんからクラファンへのお礼のお言葉があり、今日と次回の2回に渡る教室の流れについて説明いただきました。

で、まずはみんなで、完成した3階建ての各フロアをぐるぐると見学。
クラファンが終了した後、瀬戸さんや作家の皆さんが総出でコツコツと改装を続け、2021年4月にお披露目会も兼ねたオープンスタジオ展!と相成りました。
その展示に伺えなかったわたしは、みんなの支援が、こんな風にかたちになったのかー!と、とても感慨深かったです。

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そして、瀬戸さんの制作スペースで、ご本人による造形の解説や、使う道具の紹介が。

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そもそもテラコッタとは、土(粘土)からできた やきものです。縄文土器とか弥生土器とかの、土器。埴輪もですね。
わたしにとって粘土といえば、紙粘土の工作か、陶芸の体験教室で手びねりのうつわを作った程度。
へー!そんな風に作っているのかー!!!と思うことばかりで、改めて瀬戸さんのすごさを実感しました。

とりあえずやってみましょう!なんでも聞いてください!ということで、さっそくアトリエ1階のスペースで、みんなで粘土をこねこねし始めます。

わたしは作りたいなぁと思ったもののミニチュアを持参したので、机に置いて、手で大まかな形を作ってから、ヘラで少しずつ削ったり足したりを繰り返します。
ところどころで先生にアドバイスをもらいつつ、本当に黙々と取り組みました。

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ふと気づけば、なんと3時間が経過。没頭してるとあっという間でした。
そして何とか形になりました!!!ちなみに両足の間の空間は 最後に瀬戸さんに うりゃっと開けてもらいました。

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これ、何かといいますと、フクロウです。
イギリスの大英博物館にある、アテナ神のフクロウさんなんですよ。

ちなみにモデルにしたミニチュアが、どんな経緯で我が家に来たかは、こちらの記事につらつら書いてます。よろしければ。

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参加した皆さんの作品は、いい意味でバラバラ、そして個性的。瀬戸さんの作品がお好きな方ばかりなのもあってか、どれもとても魅力的でした。

次回は1ヶ月後。色を塗って仕上げる工程です。
それまでに瀬戸さんが、作品の中に詰まってる余分な粘土をかき出し、乾燥させて、素焼きの状態にしてくれます。

すでに夕暮れどき、解散前にみんなで屋上へ上がると、そこには絶景が!!!
とっても心地よい風が吹き抜けていて、気持ち良かったです。

このインスタレーションも、4月のオープンスタジオに合わせて作家の皆さんで制作したそう。やぐら、すごいー!!!

無心になって手を動かしていた数時間。本当にとってもいいリフレッシュになりました。

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テラコッタ教室 2日目:アクリル絵の具などで彩色する

ずーっと雨続きだったのが噓のように、またもや夏を思わせるお天気となった、5月の日曜午後。
再び、葛飾区を流れる中川沿いを歩いて、共同アトリエ「OKUDO STUDIO」へ向かいました。

前回から約1か月。その間もずっと頭の片隅で、どんな感じで色を塗って仕上げたら素敵になるかなぁ、と、あれこれ考えているのもやっぱり楽しかったです。

そして、アトリエで、カラっと素焼きされたフクロウさんと再会。
かわいい・・・これはこれでかわいいですね。

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参加する皆さんが集まってスタート。
まずは色の塗り方について、瀬戸さんから解説がありました。

なんと、テラコッタなのにブロンズのような色と質感になる方法や、霧吹きで土に水をたっぷり含ませながら絵の具をのせていく方法など、本当にいろんな手法がある様子。
作家さん自身も、常にいろいろと実験して、試行錯誤しながら取り組まれているんだなぁ、と感じました。

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正解がないというか、本当にどんな色を使ってもいいし、塗り方そのものも自由。
これは・・・とっても奥が深い・・・!

わたしは、どちらかというとクリアで明るいトーンにしたくて、まずは平筆で全体を真っ白に塗りました。白フクロウです。(これもこれで良かった)

次にいろんな色の絵の具の中から、塗りたい色をいくつかピックアップ。微妙な違いの“青”と”緑”を何色も並べました。
そして水分をたっぷり含ませた細めの筆を使って、水彩画や点描っぽい感じで、少しずつ色を重ねていきました。

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この日も、黙々と筆を動かしているうち、あっという間に2時間半。
そして、無事に参加している全員が完成!しました。

最後はみんなで、机と作品を並べて、できたての作品を楽しむ鑑賞会✨
色がつくとまたガラッと作品の雰囲気が変わったし、やっぱりどれも、より一層魅力的になっていました。

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ずらっと並んでいる様子を眺めていたら、本当にみんないきいきして見えてきます。
これはわたしの感覚ですが、なんか、技術的な上手い・下手っていうものさしではなく、作り手が楽しんでつくっていたり、その想いがこもっていたりすると、確実に作品からにじみ出てくるし、味があるし、それぞれがそれぞれで良いんだなぁ、と思いました。


ちなみに、わたしがつくりかったイメージは、スイスとか日本アルプスとか富士山とか、どこかの夏山と 青々とした濃く深い森の景色。

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羽と足元のあたりの、青と緑のグラデーションの感じが、お気に入りポイント。そしてくちばしと足の黄色は、差し色にすべく、ぱきっとした色を選びました。

ちなみに色を塗っている途中、瀬戸さんにそのものずばりなひと言を言われてびっくりしました(笑) 作家さんはすごいなぁほんとに。

完成したフクロウさんは、緩衝材にくるんで梱包してもらって、そのまま大切に我が家まで持ち帰りました。
そして、ここに置こう!と決めていた玄関に飾っています。
毎日視界に入るフクロウさん。とても気に入っております✨

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まとめ:また参加したいくらい楽しかったです

今回のクラファンのリターンの中で、わたしがテラコッタ教室を選んだ理由は、そもそも瀬戸さんの彫刻作品と同じ素材だから、ということも大きかったですが、それ以上に、やってみたいけど他ではなかなかチャレンジできないことだと思ったからでした。

うつわをつくる陶芸教室って探すと結構ありますが、こんな風に何かのモチーフを自由につくるテラコッタ教室って、結構少ないのでは。

また、美大受験のための予備校に通ったりしていなければ、ある程度大人になってから、粘土で彫刻する機会も、それに色を塗る機会も、ほぼないと思うんです。

それが!なんと瀬戸さんが教えてくれるお教室でできるんですよ!!!
機会があれば、絶対またやりたいし、通いたい!と感じました。

このnoteを読んでいただいて、いいないいな!参加したいぞ!!!と思われた方も、きっと多いはず。


そんなあなたに朗報です
今回の教室、ゆくゆくは定例で行うための、プレ開催的なものだったそうなんです!!!

とはいえ、瀬戸さんはこの先もまだまだ個展が控えていて(!)予定が盛りだくさん。
今は、ご本人のSNSでの発信や、各地の展示、ペン画集などを楽しみながら、今後の具体的なお知らせを、心待ちにしておりましょう✨

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瀬戸さんの個展  絶賛開催中です!

瀬戸さんの作品、まだ観たことなかった!ぜひ観たい!!!という方、今まさに、東京・京橋のギャラリー  四季彩舎さんで観られますよ!!!


FireShot Capture 1606 - 瀬戸優ペン画集 PROGRESS 刊行記念展 - www.shikisaisha.com

会期はたっぷり6月19日(土)まで。月〜土曜の12:00−18:30(予約不要)日休
最寄りは銀座線 京橋駅か、都営浅草線 宝町駅です。


えー ギャラリーって一人で入ったことないよー
なんか緊張するし、どうしたらいいかわかんないし、作品なんて全然買えそうにないけど入っていいの?観るだけでもいいの?
なんて、不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
わたしも最初は本当に、一人で入るのに勇気がいりました。

でも、四季彩舎さんは全くもって心配無用です。むしろギャラリー巡りデビューにはぴったりかと。
ギャラリストの方も、とても穏やかで紳士的なので、ぜひえいっと階段を上がっていただいて、思う存分、実物の作品を楽しんでください!


わたしも先日、さっそくお邪魔して、じっくり観てきました。
(テンションがあがって、会期の日付を間違えてつぶやいてます汗)


そうなんです、記念すべき瀬戸さん初画集の刊行記念展のDM、という貴重な機会に!ステートメントの文章を書かせていただきました!!!
(本当にありがとうございました。)

DMそのものも素敵に作られていますので、ぜひ四季彩舎さんでお手に取っていただけると嬉しいです。


あと、瀬戸さん、地上波のテレビ番組に出演されます✨


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