見出し画像

早朝の散歩と見せかけてゴミ拾い

  ラジオ体操の時刻はもう過ぎた。早朝とは言えない朝7時、通勤通学の人の中、昨日自分に誓ったごみ拾いを始める。

 晴天の空の下、涼しい風が頬をくすぐる。秋の気配を肌で感じる瞬間が心地良い。まだ、うっすらと金木犀の残り香が辺りを包む。

 エレベーターを降り通りに出るとあるある!タバコの吸い殻が溝の蓋やぺんぺん草の茂みの中に隠れてる。

 可燃ゴミを捨てに来た見知らぬ女性から「あら、すみませんね」と声をかけられる。通りの向こう側には同じマンションに住むおじいちゃんが犬の散歩をしている。

 紙パックのレモンティーのパックが、自動販売機の横に色あせて横たわっている。一昨日あったけどまだ誰にも拾われてなかったのね。手に持ったゴミ袋にそっと入れる。誰が置き去りにしたんだろう、ほんとに。

 黄い帽子をかぶった少年が立ち止まる。私をじっと見て視線を下に向けるとそこには…魚が!何故だろう?小あじの干物がまるまる一匹落ちていた。

 「なんでこんな所にあるのかな?」笑いながら少年と顔を見合わせる。「いってらっしゃい、車に気をつけてね!」少年は元気にランドセルを揺らしながら走っていった。

 家に帰ると勢いそのまま掃除に突入。そしていっきに夕食の準備まで始める。なんだろう、気持ちがいいぞ。

 ひと通りやる事を終えたら、【早起きは3億の徳】という哀川翔の本を手に取ってみる。 押し入れから出てきた5年前に買った本。その名言を紹介。

 《早起きすると、季節の移り変わりに敏感になる。俺たちは自然の一部だから、不自然に生きるより、自然に近い方が心地いいにきまってるよ》

 《旅行に行くとみんな早起きするじゃん。俺たちはこの世に旅行に来てるみたいなもんなんだから、早起きしないのはもったいない話だよ》


 そうだね、この世は壮大な世界旅行。迷い道も失敗も楽しんで笑い飛ばそうか。さあ、明日も早起き、いい日にしてみせましょう。



 

 


 

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?