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メンタル不調は、もっとマネジメントにフォーカスされるべきだと思う理由

振り返ればイケてない僕がいる

今、イケてるわけではないが、過去の僕は相当イケてない上司だったし、同僚だった。

新卒で入社した会社で、1年目から僕はものすごく尖ってた。生意気だと言われることも数知れなかった。「生意気で何が悪い、”若い”を武器に生意気で行くんじゃ」と本気で思っていた。

僕は営業だったので、エンジニアがお客様と約束をしたことを約束した通りにやらない人がいれば「なぜやらないのか」を徹底的に追及した。

FiNCへ転職してからは、実は部下に対して僕はやってはいけない1on1の王道をいっていた。数値に対してのレビューをゴリゴリ詰めたり、「俺がこれで成功したんだから、これでやればいいのに」とか「なんで何にも話さないの?」と相手にとっては逃げ出したいような1on1をやっていた。

自分の思い通りの動きができないことに苛立ち、部下への指導を誤り、苦しめメンタル不調に陥らせてしまったこともある。その方からは、「大変な状況の中ご迷惑おかけしてしまい本当に申し訳ございません。」「本当に本当に申し訳ありません。」と連絡をもらった。

なんて最悪なんだ・・・。その人だけではない。僕は部下の話に耳を傾けていなかったし、相手を認めてなかった。信頼もしていなかったし、任せていなかったのだ。

この自分の反省を生かし、より一層「メンタル」、そして組織づくりについても本気で向き合うようになった。また過去の自分のような過ちを犯している「イケてない上司」が他にもいるのではないか、と思っている。

やっぱり、メンタルを左右するのは上司なんじゃないか説

以前のnote「ストレスチェックの義務化以降も、高ストレス者の割合は、上昇傾向が見られ、平成30年には14.4%にまで上昇している」、ことを記載した。

このことについて、先日、大手製薬会社の執行役員人事部長様とお話をさせて頂いている時に、「EAPサービスなどは利用率も低く、事後のケアよりも予防をどうするかが大事だと思っている。もともとストレスチェックは一定数高ストレス者が出る設計になっており、部署別に一定数以上出ているなら、上司によるマネジメント、そして企業としてのカルチャーの問題だと思っている」という話になり、盛り上がりました。

これは、お互いの感覚だけで盛り上がっているわけではありません。厚生労働省の「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果」によると以下のような数値が出ています。

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労働者のストレスの相談先は、上司・同僚が72%。家族・友人が78.5%。事業場が契約した外部機関のカウンセラー等の相談窓口は、4.4%。さらに実際に外部機関を利用した人は、0.8%。

つまり外部機関による相談窓口を設けるよりも上司・同僚との関係性をどうするのか、が重要だ。

加えて、ストレスとなっていると感じる事柄は、「仕事の量」が 42.5%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が 35.0%、「仕事の質」が 30.9%となっている。これらの状態を認識し、マネジメントするのも「上司」の仕事だ。

これらの事実をNIOSHの職業性ストレスモデルにあてはめて、考えると「職場のストレス要因」「緩衝要因」について検討する必要がある。

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※(https://www.kenkou-hataraku.metro.tokyo.lg.jp/mental/about/material/niosh.html)より抜粋

「職場のストレス要因」とは何かを分かりやすくするため、その尺度と尺度を導き出す設問を紐づけてみた。

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この状態を把握できる関係性作りと見えてきた状況から社内を動かし改善する力がマネジメントには求められる。

この状態を把握できる関係性作りに関しては、1on1などを相手を知り、心理的安全性を担保していくことが肝要だ。

相手との関係性をつくる方法

つまり個々と向き合っていくことになるが、ここで相手のタイプを把握することをおすすめしたい。例えばソーシャルスタイル理論ではどのタイプなのか。そのタイプを踏まえて、話を聞く、仕事をする。

「アナリティカル」であれば、感情表現は控えめだし、意見を聞くタイプなのでそれを理解していれば僕が失敗したような「なんで何にも話さないの?」という発言には至らない。

さらに、1on1では、まずは「聞く」「褒める」を徹底する。僕が大変お世話になっている経営者からは、「①それ知らなかった、②それ面白いね③また、話聞かせてね」といったことを根気強く先ず続けることを僕にアドバイスしてくれた。

エリック・シュミットの「 一兆ドルコーチ」でも”スウェーデン・ルンド大学の2003年の研究によれば、従業員の話を聞く、声をかけるといった「ありきたりの何でもないこと」が、すぐれたリーダーシップの重要な側面””そうした行動は従業員に「自分は尊重されていて、目に見えない名もなき存在ではなく、チームワークの一端を担っていると感じ」させることができる”との記載がある。

これらの取り組みを経て、相手との信頼関係を築き、課題解決のために、社内を動かしていくのが「マネージャー」の仕事であり、部下がメンタルでおちる前にしておくべきだと自分の失敗を通じて、痛感しているところです。

健康経営を支援させて頂く中でも、「事後フォロー」について議論になることが多いです。しかし、数値から見ても「上司・同僚」のフォローが求められており、この観点での議論をお客様と深め、FiNCとして何かご支援できないか、検討していきます。

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