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[実践編] 長年、体内に停滞しているトラウマ(心の傷)を解放してみる

しばらく多忙な日々が続き、何も書けなかった。何か、実践的なことを書きたい、と思いつつも、何もできず3週間くらいズルズルと経過してしまった。

また、心理セラピーをはじめてから、1年以上経過した。やっと、自分が苦しんでいるものが何なのか、ぼんやりと見えてきた。

  1. 幼年期からのトラウマ(心の傷)

  2. 受け継いでしまった世代間トラウマ

  3. 両親への怒り

  4. 怒りの裏にある悲しみと絶望感

  5. 自分自身の思考回路にとどまり続ける両親の声

もうひとつ、わかってきたのは、これらについては、いつまで語っても語りきれない、ということだった。いつもセラピーの際、これらの話はぐるぐると輪を描いた。そして、一時的に、話を全く別のところにもっていったとしても、いつも最後にはこれらのひとつに戻ってくる。そしてまた輪を描く。

このフラストレーションの波にぶつかり、やっと明確になってきたのは、私の苦しみはほとんどは過去のものだ、ということだった。つまり、「トラウマ」=過去に負った心の傷。私の感情は、いつも過去に停滞していた。

セラピストのビアンカ曰く、怒りとトラウマは、感情だけでなく、私たちの体の中にもとどまり続けるらしい。これは、オランダのトラウマ研究と著書「身体はトラウマを記録する」などで知られる心理学者ベッセル・ヴァン・デア・コークによっても立証されている。また、後にも触れるが、ベトナムの禅僧、ティク・ナット・ハン師による「幼年期の心の傷」にまつわる記事の一部にもこうある。

『傷ついたインナー・チャイルドは、私たちの体の細胞のすべての中にいる。また、その傷ついた存在がいない細胞が体にひとつもない、とも言える・・・』。

そこで、実践編。最近、このヴァン・デア・コーク氏も奨励するトラウマ解放のためのヨガ・ポーズをはじめてみることにした。

下の動画、トラウマ・フォーカス・ヨガ・ポーズがちょっと効いた・・・、のでシェアさせていただく。

このビデオ、40分以上で英語のみ・・・。ご心配なく。ビデオを観ていただかなくても、下のポーズのみ、じっくりと5分くらいためしてみていただきたい、と思う。何と言っても、トラウマ解放、つまりはリラックスのためなので、「頑張る」ことは逆効果・・・。

頑張るのはやめて、じっくりと大腰筋が体内で伸びる感覚を味合うのみ

一部のみ、その方法を下に伝授しておく。トラウマ解放のポーズなので、ご自分で行う場合は自己責任でお願いさせていただく。もし、気分が悪くなったり、嫌な思い出がよみがってきたりする場合は、エクササイズをすぐにやめて、専門家に相談していただくことをお勧めしたい。

  1. まず、始める前に、上向けになって横になり、複式呼吸を何度か繰り返す。

  2. リラックスできたら、上の写真のように、お尻の下に枕をおく。(注意:腰の触れない箇所)。

  3. ゆっくりと、曲げた左足を、両手で胸の方に引き寄せる。

  4. じっくりと、大腰筋が体内で伸びる感覚を味合う。(注意:身体の許容負担以内で、絶対に無理をしないようにする)。

  5. しばらく、時間をかけたあと、膝が外側を向いていたら、少し矯正するように内側に寄せてみる。ここで、足が震えたら、これはトラウマ解放がおこっている証拠、だそう。

  6. 同じ動作を右足でも行う。

これをゆっくりと繰り返してみる。40分以上のビデオなので、他のポーズもあるが、これが一番大腰筋に効いた。

ちなみに、なぜ大腰筋を伸ばすことがトラウマ解放につながるのか。このビデオがその点について語っていることのまとめを下に貼っておく。

『このポーズで、ゆっくりと腰の緊張を解放する。特に大腰筋。大腰筋は闘争逃走筋としても知られていて、私たちが神経質になったり、過警戒になるたびに、身体は本能的に反応して、体を守るために体幹に向かって内側に収縮する。深部股関節屈筋である大腰筋は、内側への保護収縮を可能にするコア筋肉のひとつ。そのため、私たちがストレスを感じたり、緊張するたびに腰筋が収縮し、ここに多くの緊張とトラウマが蓄積されることになる。定期的にこの部分をリラックスさせたり、伸ばしたりして、この蓄積されたトラウマを解放する必要がある。』

もし、痛みがあったら、どうするか。それは、過去に傷ついたインナー・チャイルドの痛みかもしれない。ここでまた、上記の禅僧、ティク・ナット・ハン師の言葉をお借りする。

『自分の中にいる傷ついたインナー・チャイルドの存在に気づくと、それに対して、深い慈悲の気持ちを育んでいくことが必要だ。それは、ただその存在に気づき、その声を聞いてあげること、だけでもいい。それまでは、ひとりぼっちで辛かった存在。じっくりと「気づき」(マインドフルネス)とともに、慈しみの心を自分のために育くんでいくこと。』

その痛みに対して、つまりは自分自身に対して、慈しみの心を持つようにする。その痛みへの「気づき」だけでもいい。インナー・チャイルドをイメージし、それを優しく癒してあげよう、と・・・。このゆっくりとしたエクササイズをしたあと、腰の痛みと首の痛みが即効で緩んだ。そうか、やはりあの長年の首の痛みはトラウマだったか、と思った。瞑想のようなエクササイズだ。

「トラウマ」というとなんだか大袈裟だが、要は過去に負った心理的な傷。英国のNHS(国民保健サービス)の定義でいうと、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、災害や犯罪などの極端なケースだけでなく、人間が「極度のストレスを感じていながら、その状態から逃げることができず、抑制された」状態に長期間さらされた後にも起こり得るらしい。70年代に生まれ、80年代のあの狂気の沙汰の偏差値教育、親や教師による過度なプレッシャーを経験したことのある日本人であれば、この闘争逃走筋を少しリラックスさせてみる必要があるのでは・・・。私は、長年カチカチだった。世代間トラウマの蓄積も、もしかしたら大腰筋にあるのかもしれない。

このエクササイズをはじめてから、なぜか昔の夢をたくさん見るようになった。また、一時的に涙もろくもなった。もしかしたら、ちょっと効いたのかも?・・と思ったり。腰と首の痛みがおさまったのが一番驚きだった。

これからしばらく、記事を書く暇がありそうにない。子供の夏休みや、仕事(本業)の締め切りに追われる予定・・・。さっくりとこのヨガとセラピーをなんとか続けて、秋くらいにまたポストを書こうと思っている。ビアンカが「怒り」についても相談にのってくれたので、それについても書きたいと思う。

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