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ウンブリア州の州都ペルージャの大聖堂(Duomo/ Cattedrale)

ウンブリア州の州都であるペルージャ。

小高い丘の上に立つこの都市の中心に、大聖堂がある。

ミラノやフィレンツェの大聖堂のように見上げるほど高く聳え立っているわけではなく、外観もシンプルであるが、中には様々な美術品が詰まっている。

この大聖堂には、もともと258年に殉教した聖ラウレンティウス(Saint Laurentius)の教会が建っていたという。

この教会の跡地に、大聖堂が建てられたのが、11世紀から12世紀の間。

当時は、トップに主席司祭、その下に司教座聖堂参事会員、さらにその下に式部官や収入役が続き、彼らが都市政治・行政の一翼を担っていた。

その後、何度か改築がなされつつ、15世紀には、今の形の大聖堂が完成した。

16世紀に入ると、教皇ユリウス2世の政策により、組織の変革が迫られたものの、依然として力を持っていたのは、ペルージャの貴族家系出身の司教座聖堂参事会員であった。

そして18世紀には、聖堂の中にそびえ立つ8角形の柱に、装飾が施された。

中央の至聖所のステンドグラスも見事であるが、側面を飾るテンペラはどれも目を見張るものばかりである。

天井画。

ゴンファローレの礼拝堂(Cappella del Gonfalone)の祭壇画(ベル・ディ・ジョヴァンニ(Berto di Giovanni)作(1526))や半月窓に設置された絵(ジャンニコラ・ディ・パオロ(Giannicola di Paolo)作(1515))。


サンタンジェロ礼拝堂(Cappella del Sant'Angelo)に設置された「聖マリアの結婚」(Sposalizio della vergine)(Jean Baptiste Dicar(1825)作)。

聖ベルナルディーノ・ダ・シエナの礼拝堂(Cappella di San Bernardino di Siena)に設置された「キリスト降架」(Deposizione della Croce)(フェデリーコ・バロッチ・ダ・ウルビーノ(Federico Barocci da Urbino)(1567-69)作)。

聖フランチェスコの礼拝堂(Cappella di San Francesco)の「聖母マリアの被昇天」(Assunzione della Vergine)(イッポリート・ボルゲーゼ・ダ・シジッロ(Ippolito Borghese da Sigllo)作(1620))。


大聖堂の奥にある天井画や壁画が豪華な天井画聖具室(Sagresita Grande)。

ミラノの大聖堂(ドゥオーモ)と違って、無料で入れるペルージャの大聖堂。

正式な祈りの場やミサに参加することは難しいが、聖堂の中に入ると、賑やかな広場とは打って変わって厳かな雰囲気である。

キリスト教徒でなくとも、先人たちが作り上げてきた神聖な場に足を踏み入れ、歴史を感じてみたい。

大聖堂(Duomo/ Cattedrale)

開館時間:7:30-12:30/ 16:00-19:30


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