Nao Masunaga

美術館やカフェについてのマガジン『スカラ座の夜』はQueenをもじっています。 ローマ…

Nao Masunaga

美術館やカフェについてのマガジン『スカラ座の夜』はQueenをもじっています。 ローマ第一大学サピエンツァ博士課程在学。ルネサンス期イタリア史専攻。 Instagram: @nao_masunaga

マガジン

  • スカラ座の夜

    このマガジンでは、主にミラノ、たまにパリや東京の街の情報と歴史、文化について書いていきます。 現地のカフェや美術館、食文化などなど、私が見た・食べたものに写真を添えてお届けします。

  • モードの小部屋

    このマガジンではファッションの美術館や特別展・展覧会についてのnoteをまとめています。 写真も豊富に掲載していますので、フォトブック+日本語の解説を楽しむつもりでご覧ください。(※写真の無断転載厳禁)

  • 私が物語をつづるとき

    エッセイはこちらにポストしていきます

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『スカラ座の夜』:改めましての自己紹介

0. はじめに2020年1月、今回のnoteは、改めましての自己紹介です。 というのも2019年大晦日、ついにnoteのフォロワーが1万人を越え、色々な方に読んでいただいていることにびっくり、自己紹介と今後のnoteの方向性を綴りたいと思ったからです。 いつもは、一人称は「筆者」で、イタリアや日本のカフェ、美術館、お店などなどを淡々と紹介する文調で書いていますが、今回のnoteでは、一人称は「私」、「です・ます」調で書いていきます。 1. 自己紹介:京都から東京、東京か

    • ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.19:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

      今回もミラノの美味しいお店5つを紹介していく。 1. アルテ(Arté Pasticceria Milano)こちらはリマ駅(Lima)とポルタ・ヴェネツィア駅(Porta Venezia)の中間くらいにある2023年オープンのパスティチェリア(お菓子屋さん)。 店内はこじんまりとしているのだが、外にテラス席があるのでその場でお菓子を食べることも可能。 店内では生菓子のほか、持ち帰りやプレゼント向けの焼き菓子も販売されている。 ブレてしまったがショーケースの様子。

      • エルンスト・フックス美術館/ヴィラ・オットー・ワグナー:ウィーン分離派の建築家オットー・ワーグナーの邸宅

        1. 建築家オットー・ワーグナーが家族のために建てた白亜の邸宅ウィーン分離派・ユーゲントシュティール様式の建築家として有名なオットー・ワーグナー(Otto Wagner;1841-1918)。 ウィーン分離派とは、歴史主義的な建築・美術様式が主流であった当時の流れから分離を目指すグスタフ・クリムトを中心に、1897年に結成された芸術家たちのグループである。 オットー・ワーグナー自身もウィーン分離派の建築家として、アール・ヌーヴォーの影響を受けつつも、よりシンプルかつモダン

        • マッシモ・デ・カルロ ギャラリー(Galleria Massimo De Carlo):ミラノが誇るポルタルッピ建築を利用したギャラリーがここに

          ミラノのポルタルッピ建築といえば、ヴィラ・ネッキ・カンピリオ(Villa Necchi Campiglio)が有名であるが、このヴィラと同時期にポルタルッピによって建てられた邸宅が、チッタ・ストゥディ地区にある。 それは、カーザ・コルベリーニ=ワッセルマン(Casa Corbellini-Wassermann)であり、ドイツの製薬企業家アウグスト・フォン・ワッセルマン(August von Wassermann)の邸宅として、建築家ピエロ・ポルタルッピ(Piero Port

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        『スカラ座の夜』:改めましての自己紹介

        • ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.19:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

        • エルンスト・フックス美術館/ヴィラ・オットー・ワグナー:ウィーン分離派の建築家オットー・ワーグナーの邸宅

        • マッシモ・デ・カルロ ギャラリー(Galleria Massimo De Carlo):ミラノが誇るポルタルッピ建築を利用したギャラリーがここに

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        • スカラ座の夜
          407本
        • モードの小部屋
          74本
        • 私が物語をつづるとき
          10本

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          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 18

          このシリーズも18回目になったが、今回も美味しいパリのカフェレストランを紹介していく。 また筆者の個人的な理由であるが、2024年は特に私生活が慌ただしいことに加え、博士論文の執筆があったためにパリに行く機会も2022年、2023年に比べてだいぶ減ってしまった。 このシリーズの更新ものんびりペースになるがお付き合いいただければ幸いである。 1. カフェ・カルーゼル(Café Carrousel)こちらはピラミッド広場とテュイルリー庭園に面したところにあるカフェ。 ルー

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 18

          リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume):パリ2区、華やかなパサージュにある創業1826年の老舗本屋

          パリ2区にある華やかなパサージュ・クーヴェル(いわゆるアーケード街)として有名なギャルリ・ヴィヴィエンヌ(Galerie Vivienne)。 イタリアのように天気のいい日が少ないパリでは、寒さや雨風をしのぎつつ、人々が食事や買い物を楽しむことができる場所としてパサージュが次々と作られていった。 ギャルリ・ヴィヴィエンヌもそんなパサージュの一つとして1826年に開店。 新古典主義の装飾、モザイクの床、クーポラを備えたパリで最も愛らしい屋根付き通路は、たちまちパリの人々を

          リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume):パリ2区、華やかなパサージュにある創業1826年の老舗本屋

          ビアンネメ(Bienaimé):1935年創業、パリ発 のビューティーブランド、アール・デコ様式の香水瓶

          香水文化が古くから根付く街パリ。 パリには数多くの香水専門店が存在する上に、パリ発のコレクションブランドの香水も免税店や百貨店で買い求めることができる。 今回注目するのは、1935年創業のビューティーブランド、ビアンネメ(Bienaimé)の香水とその他の商品である。 90年近く続くこのブランドは、ブランクを経て、2022年にパリ1区に新たにブティックをオープンさせた。 創業当時のアール・デコ様式を伝えるブティックの内装や商品。 今回のnoteでは、そんなビアンネメ

          ビアンネメ(Bienaimé):1935年創業、パリ発 のビューティーブランド、アール・デコ様式の香水瓶

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 17

          これを書いている2024年夏、筆者にしては珍しく3ヶ月以上もパリに行っていないことに気づいた。 オリンピックの時期にパリに行くことだけは避けたいので、パリはしばらくお預け。 今回の記事は2023年11-12月にかけてパリに訪れた時の記録になるので、もしかしたらオリンピック前後で値段が変わってしまっているかもしれない。 最新の情報を読んで注意されたい。 1. アン・リーヴル・エ・ユヌ・タス・ドゥ・テ(Un livre et une tasse de thé)こちらはアン

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 17

          イタリア・ミラノで訪れたい、こだわりのセンスを感じるセレクトショップ5選

          これまでこのnoteでは、ミラノでおすすめのヴィンテージショップを紹介したこともあるが、今回はセレクトショップを特集したい。 一応、usedの商品を扱っているお店をヴィンテージショップとカテゴライズしたのに対し、新品の商品がそのお店のコンセプトやセンスに従って販売されているお店をセレクトショップとして分類した。 ファッションの街ミラノには、それこそ数多くの服飾店が存在するため、気になるものは一つ一つ足を運んで記事にしていけたらと思っている。 参考:これまでに特集したミラ

          イタリア・ミラノで訪れたい、こだわりのセンスを感じるセレクトショップ5選

          花と珈琲とお菓子と、ミラノのおすすめフラワーカフェ5選

          今回のnoteでは、ミラノで花と珈琲とお菓子を楽しむことができるカフェを特集する。 今回は、お花屋さん併設のカフェと花の販売はないものの店内でのお花のディスプレイが素敵なカフェを「フラワーカフェ」と呼び、紹介することにする。 このようなカフェをコンセプトカフェと呼んでいいのであろうか。 過去にもミラノの別のコンセプトカフェを紹介した記事があるので、気になる方はそちらも参照していただきたい。 1. フィオライオ・ビアンキ・カフェ(Fioraio Bianchi Caff

          花と珈琲とお菓子と、ミラノのおすすめフラワーカフェ5選

          ミラノのスフォルチェスコ城にて、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描を公開:...per Gitar Diverse Linee, "Disegni a pietra rossa da Leonardo alle Accademie al Castello Sforzesco"

          ミラノにゆかりのあるルネサンス期の知の巨人、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo Da Vinci)。 現在、ミラノのスフォルチェスコ城では…per Gitar Diverse Linee, "Disegni a pietra rossa da Leonardo alle Accademie al Castello Sforzesco"(「レオナルドからスフォルツェスコ城アカデミーまでの赤石のデッサン」)と題した特別展が開催されており、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品と

          ミラノのスフォルチェスコ城にて、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描を公開:...per Gitar Diverse Linee, "Disegni a pietra rossa da Leonardo alle Accademie al Castello Sforzesco"

          ヨウジヤマモト 未来への手紙(Yohji Yamamoto. Letter to the Future):ミラノの10コルソ・コモで開催、イタリア初の山本耀司展

          2024年初夏、ミラノの文化複合施設 10 コルソ・コモ(10 Corso Como)にて、日本を代表するデザイナー 山本耀司にクローズアップした特別展「ヨウジヤマモト、未来への手紙」(Yohji Yamamoto. Letter to the Future)が開催されている。 過去にもコルソ・コモのギャラリーでは、ファッションイラストレーターのアントニオ・ロペスやジャーナリストのアンナ・ピアッジにクローズアップした企画展が開催されてきた。 また過去にヨウジヤマモトにクロ

          ヨウジヤマモト 未来への手紙(Yohji Yamamoto. Letter to the Future):ミラノの10コルソ・コモで開催、イタリア初の山本耀司展

          【後編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

          【前編】と【中編】に続き、今回のnoteでもミラノのレアーレ宮で開催中のドルチェ&ガッバーナの特別展ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana)をレポートしていきたい。 1. 夢の中の神たち(Le Divinità in Sogno)ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは、2019年7月にイタリアのシチリア・アグリジェントにあるコンコルディア神殿をショー会場に選び、ギリシア神話やローマ神話の神々の世界を表現した。

          【後編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

          【中編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

          前回に引き続き、今回もドルチェ&ガッバーナによるミラノ・レアーレ宮での展示「ダル・クオーレ・アル・マーニ」(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana)を紹介していく。 1. 建築と絵画の融合(Vestire l'Architettura e la Pittura)イタリアの美術と建築、特にルネサンスやバロックの美術と建築もドルチェ&ガッバーナにとって重要なインスピレーションの源である。 ボッティチェッリ(Botticelli)、レオナルド・ダ・ヴィ

          【中編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

          【前編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

          シチリア出身のドメニコ・ドルチェ(Domenico Dolce;1958-)とミラノ出身のステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana;1962-)が1985年に立ち上げたブランド、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)。 ミラノのレアーレ宮では、現在、このドルチェ&ガッバーナの煌びやかなアルタ・モーダの世界観を元にした特別展ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana)が行われている。 今回のnot

          【前編】ダル・クオーレ・アル・マーニ(Dal cuore al mani, Dolce&Gabbana):ミラノにて開催、ドルチェ&ガッバーナの精神と手仕事を考察する特別展

          カルラ・ソッツァーニ(Carla Sozzani):10 コルソコモの創設者、ファッションから、文化と教育を支えるソッツァーニ財団

          「ミラノに行こう!」と思った方の中には、ミラノのこだわりのセレクトショップ 10 Corso Como(ディエチ コルソコモ)の名前を聞いたことがあるという方もいるかもしれない。 今回のnoteでは、そんなコルソコモを作ったカルラ・ソッツァーニ(Carla Sozzani)とソッツァーニ財団にクローズアップしたい。 1. 文化複合施設 10 コルソコモとは?まず「10 コルソコモとは?」というところから説明せねばならない。 10コルソコモとは、1990年にミラノにオープ

          カルラ・ソッツァーニ(Carla Sozzani):10 コルソコモの創設者、ファッションから、文化と教育を支えるソッツァーニ財団